まえせつ | 私と俳諧・連句の関わり、これまでの活動歴など |
参考作 | 魚の会での胡蝶連句、麦の会での歌仙、日芸での学生歌仙など |
私の俳句 | 「俳句アルファ」(毎日新聞刊)に発表した自撰20句 |
オンライン連句 | 2002年4月からこのHP上で開始したネット歌仙など。 |
第1回歌仙(2002年12月満尾) | 歌仙〈ネットで野遊〉の巻(夫馬南斎捌)。 |
第2回歌仙(2003年1月起首・4月満尾) |
歌仙〈神田上水で翁〉の巻(南斎捌き)。 |
第3回歌仙(2003年5月起首・8月満尾) | 歌仙〈新樹光のヤポネシア〉の巻(南斎捌き)。山形上ノ山温泉、芭蕉ゆかりの山寺への初吟行句を含む。 |
第4回歌仙(2003年9月起首・04年3月満尾) | 歌仙〈こぼれ萩〉の巻(南斎+衆判)。中級者または創作家等限定。 |
第5回歌仙(2004年3月起首・11月満尾) | 歌仙〈芭蕉の芽立ち〉の巻(南斎+衆判)。小石川涵徳亭にて。 |
*以下の連句の作者名などの列がゆがんでいますが、原稿ファイルではほぼ
まっすぐなのにオンラインにするとなぜかこうなってしまうのです。いずれ直 します。しばしご寛恕を。 |
胡蝶俳諧〈さるをがせ〉の巻 天魚(真鍋呉夫) 捌き
*胡蝶は4面24句の連句形式。近年創案された。 座 魚の会 連衆 大魚(佐々木基一)、南斎(夫馬基彦)、魚々 (野田真吉)、 尺筧(しゃっけん 宮内豊)、黙魚 (那珂太郎) 於 久我山大魚庵 |
さるをがせ見えざる風も見ゆるなり 天魚 しろがね色にのこる朝月 大魚 大相撲横綱の髷波うって 南斎 枢(くるる) ゆるみし卓袱台の脚 天 石犀に夢でまた会ふ男古稀 大 舗道の熱にむせる午後二時 南 ウ 役者絵の真似に旦那紙子着る 魚々 うわめ使いに湯豆腐を出し 尺筧 軒先の藤ちりかかる盤面に 黙魚 黒潮たえて霞むサハリン 南 亀鳴くとおらびしあとの淋しさよ 天 「骰子(さい)のひとふり」*詩人入神 魚 *マラルメの詩文 ナオ 迷宮を脱け出てしばし安堵顔 尺 夕凪の湾ジャズが流れて 大 癌の友痩せ骨さらけ酒を飲む 大 牙を抱いて喘ぐ白鳥 天 雷はげし高層ビルの冬の月 黙 あっという間に消えるタクシー 尺 ナウ アウンサン・スーチー女史の凛然と 天 古渡り鏡塵もとどめず 尺 拝殿の奉納俳句百をこえ 大 屁をかぎながら下る木馬道(きまみち) 魚 花咲いて眠る少女の眉光り 南 蜂の羽音のひびく玻璃窓 黙 1988年8月1日起首 1988年9月18日満尾 |
脇起し歌仙〈松茸もみぢ〉の巻 南斎捌き *歌仙は36歌仙にちなみ36句連ねる形式。 芭蕉以降最も多く用いられている。 座 麦の会 連衆 鶯吟庵(丸山繁雄)、一朴(多岐祐介) 横月平太(大島一彦) 於 江古田忠勇亭 *4月初旬に書いたこの稿にだいぶ誤記が見つかったので、書き直しました。 皆さん、改めてもう一度読んでみて下さい。4月30日、南斎記。 松茸や知らぬ木の葉のへばりつき 翁(芭蕉) もみづる宿に訪ひ来(きた)る客 鶯吟庵 上り月夢世の人と舞ひ出でて 南斎 日記帳なぜか燃えないごみに 一朴 遠ざかる乙女の祈り冬の空 平太 鰈は左折 鮃は右折す 朴 ウ 五十肩の怒りし肩は肘九十度 南 すべては誤解ほろゑひゆゑの 平 言訳を通す夫に羽織かけ 鶯 妻(未届け)てふ用語もありぬ 南 映倫のマークが先づは大写し 鶯 OB*のたびキャディーが見合ひす 朴 *ゴルフ用語。アウト・オブ・バウンズ 熱帯林虎*の影追ふ赤き月 平 *タイガー・ウッズへのかけことば サマーワインをシシリー島で 鶯 第七の手紙*を騙る博物館 朴 *プラトンの手紙のこと スナッビズムと飛ぶエアー車夫 鶯 チェーホフは花を見上げて微苦笑す 平 入学式に出稼ぎの子も 南 ナオ 春暑し猫の進退極まりて 平 ヴォウカリストは腎虚をなげき 平 薬膳の看板かかぐ後家薬師 朴 釣鐘溶かす化身の一念 鶯 原罪を説く男ありパリの屋根 鶯 木枯はいまそこを吹き抜け 南 しずり雪二本の竹が弾ねにけり 鶯 猿尾を踏まれ象に怒れず 朴 負けん気の代議士作家は「No」と云ひ 平 ダイオキシンが芥の川に 南 残月に寿司折ひとつ歩道橋 朴 大学祭は美女コンテスト 南 ナウ 秋しぐれ折傘開く間も待たず 平 三木のり平と山岡久乃* 朴 *二人とも本年早々亡くなった 仲見世の夕暮歩む影のあり 平 出世列車*なる切符買ふとき 朴 *急行津軽。集団就職者の帰省列車 地唄舞ふ反す緋襟や花の雪 鶯 鶯鳴きて親子にっこり 南 1998年10月22日起首 1999年5月6日満尾 |
学生歌仙 |
日大芸術学部文芸学科の連句講座での2000年度の歌仙初折(前半部分)です。
やや見づらいかもしれませんが、授業での進行形式がよく分って参考になると思うのでこの形で載せました。 最上段は発句、脇、月、花、恋、季節などの表示。歌仙はこのあと名残の折(二の折ともいう。後半部分)があります。 |