朝、元気に起きた花凪家族と大晦日を一緒にすごしたスタッフが「おめでとうございます」。花凪の2006年、花凪の6年目がスタートした。お雑煮におせち、ドンペリで新年を祝い、午後はゲーム大会で盛り上がった。毎年恒例の人生ゲームは5チームに分れて行い、本間雅チームが優勝し、以下は副理事長チーム、渡辺チーム、理事長チーム、本間賢チームに。元日も食べて、飲んで、そして遊んですごした。
楽しむときは楽しむが、頑張るべきことは頑張ってやる。そんな花凪のスタッフが新しい年に向けて書いた「2006年、私の一字」が壁に並んだ。「凪」「愛」「心」「健」「素」…。それぞれが目標とするもの、大事にしたいものである。それぞれが思いを形にしていって、花凪は今年また豊かになる。
花凪の日常は、"のんびり"のお正月からいろんなことがある"いつも"に戻っている。この週は労働安定センターや日本福祉介護教育センターのヘルパー実習生が入った。実習生の受け入れはわれわれが行っていることを点検することにもなるのだが、日本福祉介護教育センターからの実習生は養護学校生だった。その実習生の花凪の理念「なりたい自分になる」に等しい「できることはする」「持つ力を生かしたい」という意志、頑張りはより大事なことを確認させるのだった。花凪の日常は"いつも"に戻っているが、みんなの気持ちは感じさせるもの、感じるものに触れて"新しい"中で、だ。
提箸秀典さん(札幌)が来花する。ちょうど昨年の今ごろ、末期ガン患者の在宅でのホスピスケアなどを行う「ホーム・ホスピネット」を立ち上げて動こうというときも来花した。今回は、日本でまだ広島や仙台などで実施例があるくらいの「デイ・ホスピス」の年内開設に向けて、花凪3号館(デイ・サービス)を視察するための訪問だった。提箸さんの目指す「デイ・ホスピス」は、「小規模な中の細やかな対応、日常的雰囲気を重視して民家を活用したい」。花凪がこだわっているところと同じなのだった。提箸さんの1年の間の前進を喜び、今年の前進に期待を膨らませた。
今年最初のデニス英語教室開く。この日は、あいさつの「ハウ・アー・ユー」に始まって一週間の曜日や色などを勉強した。デニス先生が「グッ・ジョブ」と言えば、喜んだり、照れたり、胸を張ったり。生徒の花凪家族はちゃんと意を受け止め、しっかりコミュニケーションをしているのだった。今年は日本とオーストラリアの国交樹立30周年で、「日豪交流年」として多くの交流イベントが予定されているとか。花凪では一足先に盛り上がっている。
講演で来札した厚生労働省のH課長が花凪に立ち寄り、視察した。同省からの訪問は昨年に続いて2人目になる。理事長は花凪の設立経緯、理念、具体的な活動内容を説明。さらに民家活用による小規模多機能ホームのネットーク的展開、地域の人が地域の人を支えるための地域の人対象のヘルパー養成…など地域福祉の質・密度を高めることを念頭に置いた取り組みについても説明した。H課長は、「小規模多機能施設は民家活用レベル、そしてその連携の方が望ましい。地域福祉の充実に視点を置いたヘルパー養成というのも重要」。十分に大事なことを理解し、把握している方だった。花凪は思うところを前進させていくだけだが、素晴らしいのはH課長だけではないだろう厚生労働省の方々が施策を前進させてくれれば言うことはない。
札幌で「キタライフ−北のくらしと地域ケア研究所」を主宰する鈴木英樹・眞弓夫妻がH課長の案内役として同行した。英樹氏は理学療法士・介護支援専門員、眞弓氏は保健師・介護支援専門員。「キタライフ」は、高齢者も障害者も北国・北海道での生活を快適に暮らせることを目的に活動する団体。花凪と連携していくことになったのも、この日の収穫だった。
NHK教育テレビ「福祉ネットワーク─シリーズ認知症を見つめる」で、花凪2号館の下宿に焦点を当てた「我が家は高齢者下宿」が放映となる。下宿人たちがどう処遇されているか、どう暮らしているか 入居前とどう変わったか─花凪では何がなされているか、認知症の介護に何が大事か。それらをポイントに取材を受けていた。どうまとめられるか─は、花凪もこの日を待つばかりだった。新聞のテレビ欄の紹介にはNHKらしからぬ表現で「認知症限定!高齢者下宿 ケンカもやり放題?」。番組の副題は「笑いとケンカで効果あり」。まとめられたそれには花凪がきちんと描かれていた。花凪のエッセンスはとらえられていた。それにしても、花凪の下宿人たちはすごい。面白くて、笑って見た。町永俊雄アナウンサー、解説の国立長寿医療センターの遠藤英俊さんも楽しそうだった。見てくれた方も面白いと笑ってくれたなら、うれしい。
寒い冬には日本酒が似合う、体が温まる日本酒がいい…。日本酒を主役にして「今日だけ酒場」を開いた。日本酒に合わせ、食べる方の楽しみはきりたんぽ鍋を用意して。花凪の下宿人たちも毎回「今日だけ酒場」に参加しているが、実によく飲み、よく食べる。1月の締めくくりでもあるこの日もよく飲み、よく食べた。元気に楽しむことが一番。願うは、今年もずっとこの調子でやってほしい−に尽きる。
※今年も雪のよく降る1月だった。除雪に一汗、移動に一苦労…。北国の冬は雪に時間を削られて、一日が24時間でなくなってしまう。一日の暮らしの質を守るのは大変だ。一日にやるべきことをやるのは大変だ。が、そこを頑張っているから、北国の冬と人は美しい。次に来る北国の春と人は美しい。2月も雪がいばる月。まだまだ"大変"は続くけれども、頑張るだけだ。
札幌心療福祉専門学校ヘルパー実習生受け入れ。
節分の豆まきを行う。コウゾの小枝に煮干しや目ざしの頭を焼いて挟み、その上に柊を添えて家の門や出入り口に置き、鬼を追い払う「鬼やらい」の風習を行う土地は少なくなっているが、豆まきは健在だ。この日、花凪には鬼が何匹も現れたが、花凪に現れたのは運の尽き。元気でたくましい花凪家族のパワーの豆攻撃に、あえなく退散した。花凪には「福は内、鬼は外」があるのみ。「豆まき」は春を招く行事でもあり、翌日は「立春」。みんなで「春よ早く来い」と呼び掛けた。
デニス・クイン英会話教室開く。この日は数、月、そして生年月日の言い方、「私は〜が好き」(I love 〜)などを学んだ。デニスの「何年生まれ?」の問いにちゃんと「大正7年」とか「大正11年」と答え、「誕生日は?」にデニスと同じで握手しあい、「好きな食べ物は?」に「ビール」が出ると「私も」「私も」で盛り上がり…。学びながらコミュニケーションを楽しんだ。花凪家族はごく自然にデニスと接し、英語に取り組んでいて素晴らしい。
NHK教育テレビの保高ディレクターから電話が入る。1月23日放送の「我が家は高齢者下宿 笑いとケンカで効果あり」について視聴者から局に直接20件余の問い合わせ、感想等があったという。局内での評価も高く、「楽しそうに見えた」の町永俊雄アナウンサー、解説の国立長寿医療センターの遠藤英俊さんも実際にそうだったらしい。そして、「今度は新しく花凪の家族なった人が花凪でどう変わっていくかを追跡したい」と保高ディレクター。続編構想あり、という。放送後、花凪には見た方から「花凪はいい」の声を多くいただき、「入居したい」との問い合わせの電話・手紙もあった。花凪家族の身内の方は、「親戚中に連絡して見てもらったら、みんな喜んでくれた」などと。ホームページの米木管理人からは、「インターネットのブログでも番組の感想が書かれている」と…。「我が家は高齢者下宿 笑いとケンカで効果あり」の反響=花凪に対する評価はなかなかのようである。
光塩短大ヘルパー実習生受け入れ。
労働安定センターヘルパー実習生受け入れ。
「スッポン鍋を囲む夕べ」を西区琴似の季節料理の店「こぶし」で行う。1月に「こぶし」が花凪家族の工藤さんが行きつけだった店だとわかる。スッポン料理を出していることも知って、工藤さんと女将の再会、スッポン料理挑戦、そして冬を乗り切る元気づくりも−と行う。工藤さんは店に入り、女将の顔を見ると「おーっ」。工藤さんと女将の再会は劇的だった。一瞬で店に通っていた記憶がよみがえったらしく、それからは顔を輝かせ、背筋を伸ばし、「みんな、食べてるかい。楽しんでいるかい」「飲んでるかい。遠慮するな」などと座を仕切ったり、場をとりもったり。店に通っていたころの工藤さんになって、「来て良かった」とみんなにとってもうれしいばかりの一夜となった。挑戦したスッポン料理は鍋、スッポンの血、胆、刺身、ぞうすいのコース。男性陣は「スッポンパワーで、明日の自分は違っているぞ」、女性陣は「美容にもスッポン。明日の自分は違っているわ」などと盛り上がりながら平らげた。
北海道NPOサポートセンターが実施する事業で、8人の若者が花凪を訪れた。事業は、若年層のフリーター、ニート、さらに主婦を対象とした「コミュニティ・ビジネス支援 起業・就業講座」(名称・CB−POWER+1)。2日間の日程でコミュニティ・ビジネスの可能性や重要性、そうした場で働くことの魅力や意義、立ち上げや運営の真基本知識などについて学んでもらい、受講者を後押ししようというもの。起業の実際を視察するカリキュラムがあって、花凪を訪れた。理事長は花凪を起こすに至る思い、経緯、活動内容、そしてやりがいなどを説明。8人は熱心に話に耳を傾け、質問や「また来ていいですか」の申し出もあり、自分の道を開こうとしていることがうかがえた。フリーターやニートが増えている。それは普通であることを求める立場からは社会問題にほかならないのだろうが、人はそれぞれ進むスピードが違うのだ。
バレンタイン・アレンジメントフラワー講習会を開く。講師はクリスマスリースづくり、お正月しめ縄リースづくりも教えていただいた小堀ひろみさん。バレンタイン・アレンジメントフラワーは、バレンタイン・デーに贈るチョコレートの入れ物を花で飾りつけるもの。花も一緒の分、うれしさは倍になる。飾りつけは自由。つくり方の説明を受けた後は個々に思い思いに花を取り、楽しみながらそれぞれの一品を完成させた。
北海道と同じように今年も雪が多く大変だという。そんな青森から立花亮子さんのお身内の西堀さんが来花した。西堀さんは、花凪家族の家族であると同時に心強い理解者。来花と来花の際に杯を交わすのが花凪の楽しみになっている。夜、花凪から平和の隣町・西野のおでん屋にくりだし、再会を祝して一杯、ともに今年が良き1年であることを願って一杯…の調子でしばし宴を楽しんだ。今度の宴は青森にも北海道にも春が来るころか。
労働安定センターヘルパー実習生受け入れ。
理事長、道社会福祉士会道央地区支部研修会で講師を務める。研修は、「社会福祉士の起業・独立」をテーマに小樽市総合福祉センターで。理事長はその実践者として花凪を立ち上げの経緯や現在の展開、経営状況などについて語り、起業・独立する上での条件や課題などを示した。研修会には起業・独立を考える社会福祉士約20人が参加し、懇親会も起業・独立の話で盛り上がった。
花凪下宿最初の住人、立花亮子さんの誕生パーティーを中央区内にある宮の森ガーデンで行った。立花さんはアルコールがいっぱいの酒宴、笑いが飛び交う酒宴が大好きである。今年もジンギスカンと生ビールをたっぷり楽しめる宮の森ガーデンを会場ににぎやかに行った。花凪家族、スタッフ、会員が立花さんを囲み、83歳を迎えたことを祝った。この1年も笑顔でみんなを力づけてくれたことに感謝した。これからもずっと元気でいてくれることを願った。
あみゅぜコンサート&バリアフリー居酒屋「今日だけ酒場」を開く。この日のお客は5歳から50代までの5人。お酒が飲めようと飲めまいと、年齢がどうであろうと、関係ないのがバリアフリー居酒屋「今日だけ酒場」。まさにバリアフリーで楽しみ合った。あみゅぜのコンサートは今年初。フルート、クラリネット、ピアノの心地よい音が久しぶりに花凪に満ちた。「Lovin you」「いつか王子様が」「ムーンリバー」「イエスタデイ」「浜千鳥」「ペチカ」「靴が鳴る」…。懐かしい曲の数々で心を和ましてくれた。
理事長、帯広地区の介護支援専門員実務研修の講師を務める。1月25—27日(帯広地区)、2月23—24日(札幌地区)とあった同研修もこれで一段落し、専門学校の授業も終わった。少し忙しさは減る。3月からは花凪を次のステップへ進めること、花凪の新展開をスタートさせることに本腰を入れると張り切っている。
※2月も終わった。2月は荒れる月だが、暖かで雪の降らない日が続いて大助かりだった。札幌どころでない大雪に見舞われた土地々々の人も、この2月は一息つけたろうか。新たな3月という月はただただ心が弾む。空の色、風の強さ、空気のにおいが日に日に変り、降る雪にも春が見えてきて心か弾む。一日一日を大事にしながら、花凪はそんな3月を思う存分楽しむつもりだ。