あなたもスコアがつけられる。〜超・初心者のためのスコアのつけ方入門〜

 <朝の会>
どうでもいいことなんですが・・・
そもそも…「記録をつける」ってどういうこと?



 この講座のトップページで触れましたように、さまざまな理由から、みなさんは記録法の習得にトライされていることと思います。

 まあ、人それぞれ、千差万別の動機がおありのこととは思うのですが、「記録をつける」って、そもそもどういうことなのでしょうか?本格的に記録のつけ方を学ぶ前に、少しそのあたりについて触れてみたいと思います。

 もちろん、記録をつけることに意味がないわけはありません。また、ひとくちに「記録」といっても、そのありようは実にさまざまです。私たちのような公式記録員がつける「公式記録」から、チームスコアラーがチームのためにつける場合、さらに、野球ファンに比べればまだまだ数は少ないとは思いますが、試合観戦しながらつける場合など、そのケースはさまざまでしょう。


 しかし、こうしたすべてをひっくるめた記録というものを、ひとくちで表現するならば、

「目の前で行なわれた試合の内容をすべて、紙に記録する」

ということになるのではないか、と私は考えています。この中で、「すべて」「紙に」というところがポイント。「すべて」記録する、ということは、記録されたものを見れば、その試合のすべてが分かる、ということになりますし
(すべてといっても、本当にすべてというわけではありませんが)、「紙に」記録を残す、ということは、その紙をなくしたりしないかぎり、その試合のすべてが、いつまでも残る、ということになるからです(もちろん、紙にも寿命がありますから、「永久に」というわけにはいきませんが)


 頭や心の中に残る試合の「記憶」は、時が経つとともに、いつしか色あせたり、ぼんやりとしたり、消えていったりしてしまいます。ですが、紙に残した記録は消えることはない。それどころか、「記録」は「記憶」を呼び覚ましてくれる
”魔法のカギ”にすらなってくれるものだと思います。


 また、チームで記録をとっていれば、試合の最中に「さっきの打席、このバッターには左・中間方向に打たれた」ということが記録から分かれば、それによって、野手に守備位置を変えるように指示をすることができるでしょう。試合の後でも、「○○ちゃんは、ランナーがいないときは、3本ヒットを打ったけど、ランナーがいるときは、1本しか打てなかった」とか、「今日のピッチャーは、4回を過ぎたら急に打たれた。もっとコースを投げ分けた方がいいかな」などと、
試合の反省や、次以降の試合への参考材料とすることができます。
 また、少し高度になれば、対戦するチームの、他のチームとの試合のスコアをとっておいて、弱点を見つけ出したり、長所を探し出して、それを封じるための作戦を立てることができるでしょう。
 さらに、毎試合ちゃんとスコアをつけてさえいれば、シーズンが終わったときに、最多安打や最高打率をチームの中で決めることができます。これは、選手にとっては大きな励みになるのではないでしょうか? 


 公式記録としての記録を考える場合、大会の回数が重ねられていくにつれて、それまでに行なわれてきた大会の歴史がデータとして積み重ねられて残っていくことで、その大会の社会的な存在や意義、価値を高めることに貢献することになるのだと思います。

 
 このように、「記録をつける」ということは、ただ単に「残す」ことだけが目的ではなく、残した記録を
活用して、次の試合に役立てる、ということにも大切な意味があるのです。



 ただし、後々の役に立つようにきちんとした記録を残すには、当然ながら「条件」があります。

 ひとつは、
「いつ見ても分かるものであること」
もうひとつは
「誰が見ても分かるものであること」です。

 この2つの「条件」を満たすためには、一定の約束ごとのもとに記録をつけていく必要があります。そして、そのために全国で、いや、全世界で統一されているのが、
「公式記録法」なのです。

  これらを覚えるのはちょっと面倒くさいかもしれません。ですが、1回覚えてしまいさえすれば、あなたが「公式記録法」によってつけたスコアは、「公式記録法」を知っている人なら誰でも理解することができますし、逆に、誰がつけた記録であっても、「公式記録法」によってつけられてさえいれば、あなたはそのスコアを理解することができるでしょう。

 あなたが、
「記録を学ぶ」ということは、この一定の「決まりごと」である、「公式記録法」を学ぶ、ということであるのです。

 さあ、それでは早速「授業」に入ることにしましょう!! →「1時間目」へ

<この時間のおさらい>
@「記録」とは、目の前の試合の内容を「すべて」、「紙に」残すということ。
A「記録」とは、薄れかけた「記憶」を呼び覚ます“魔法のカギ”である。
B「すべて」「紙に」残すためには、「いつ見ても」「誰が見ても」分かる必要がある。
Cそのためのツールが、「公式記録法」なのである。

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