静圧発電詳細水圧などにより圧力を受けている所に気体を運び気体を圧縮し、その圧縮気体のする仕事を出力とする物です。 出力である気体を圧縮するエネルギーは重力により得られたもので、気体を沈めるのに必要なエネルギーと異なるエネルギーを源としています。 圧力差が大きい程、圧力を受けている所に気体を運ぶエネルギーに比べ、圧縮された気体のする仕事の方が多く成ります。 水圧により気体が圧縮されるという事は、圧縮される気体の上に水を載せ、水の重さで気体を圧縮するという事なので、その圧力は 圧力=単位体積の水の重量×沈めた深さ 単位体積の気体が水圧により圧縮された時の仕事は、単位体積の水の立方体を一つのブロックとして考えると、単位体積の水の立方体を沈めた深さと同じ高さ積み上げる仕事に等しくなります。 それぞれの単位体積の水の立方体を持ち上げる高さは、沈めた深さと同じく変化するので、その平均値は沈めた深さ/2になります。 これより持ち上げられた単位体積の水の立方体のする仕事は
単位体積の水の立方体のする仕事 = 単位体積の水の重量×沈めた深さ×沈めた深さ/2
沈めた容器から得られる仕事は、容器の体積を掛けたものなので
出力 = 単位体積の水の重量×沈めた深さ×沈めた深さ/2×容器の体積
入力は、容器内の気体を沈める仕事で、容器内の気体が押しのけた量の水を持ち上げる仕事に等しく、 単位体積の水の立方体について考えると、水の立方体を一つだけ沈める深さまで持ち上げる仕事になり
入力 = 容器内の気体の体積×単位体積の水の重量×沈めた深さ
底に穴の空いた容器で気体を逃さない様に水中に沈めるので、水圧により容器内に水が侵入する事により 容器内の気体の体積 (押しのける水の量) は小さく成ります。 水圧は上に乗っている水の重量なので
水圧 = 単位体積の水の重量×沈めた深さ
総圧力は、更に大気圧が掛っているので、大気圧を加えておきます。
総圧力 = 単位体積の水の重量×沈めた深さ+大気圧
容器内の気体の体積は容器内の沈める前の気圧と総圧力の割合で変化するので
沈める前の気圧と総圧力の割合 = 容器内の沈める前の気圧/総圧力
沈める前の気圧と総圧力の割合に容器の体積を掛けると、沈められた時の気体の体積になります。
沈められた時の容器内の気体の体積 = {容器内の沈める前の気圧/(単位体積の水の重量×沈めた深さ+大気圧)}×容器の体積
沈める容器内の気体の平均体積 = {容器の体積+ {{容器内の沈める前の気圧/(単位体積の水の重量×沈めた深さ+大気圧)}×容器の体積}}/2
入力 = 容器内の気体の体積 (容器内の気体の平均体積)×単位体積の水の重量×沈めた深さ より
入力 = {{容器の体積+{{容器内の沈める前の気圧/(単位体積の水の重量×沈めた深さ+大気圧)}×容器の体積}}/2}×単位体積の水の重量×沈めた深さ
400立方メートルの容器を水深300m沈めて気体を圧縮し水上で開放した時得られる仕事と、容器を沈めるのに必要な仕事は 水の密度を1000kg/立方メートル 重力加速度を9.8m/s^2 大気圧を101325kg重/平方メートルとして計算すると
単位体積の水の重量×沈めた深さ×沈めた深さ/2×容器の体積 = 出力 より
1000×300×150×400 = 18000000kJ
10秒間でこの仕事量を開放したとすれば1秒あたりの出力は
18000000kJ/10s=1800000kW
入力 = {{容器の体積+{{容器内の沈める前の気圧/(単位体積の水の重量×沈めた深さ+大気圧)}×容器の体積}}/2}×単位体積の水の重量×沈めた深さ より
{400+{{10332 / (1000×300+10332)}×400}/2}×1000×300 = 61998kJ
10秒間でこの仕事をしたとすれば1秒あたりの入力は
61998kJ / 10s = 6199.8kw
エネルギー利益率 = 出力 / 入力 より
18000000kW / 61998kw ≒ 290 となり
発電効率を50パーセントとすればエネルギー利益率は約 145 になります。
良質な油田のエネルギー利益率が60程度であるのを見ると有望なエネルギー源であると思います。
既に、特許出願公開 昭63-255572 が在り、私も特許公開2014-105688を出願しています。 建設費用に措いてはタービンによる発電設備に浮体と気体を運ぶ構造を加えた物に成ると思われ、300m級の船舶の建造費を200億円とすると600〜1000億円で建造可能と思われます。火力発電所の建設用地取得費用や地盤整備及び付帯施設を考えると、火力発電所と同等の費用で建設可能であると思います。
|