テレマークスキーとは?

歴史とマインド
 「テレマーク」とは北欧ノルウェーにある一地方の名前です。今から150年ほど前その地でスポーツとしての近代スキーが芽吹きます。当時のスキー道具は木の板に革靴、靴を板に固定するバインディングは木のツルなどで作られていました。かかとは固定されるものではなく、スキー競技は走る、滑る、ジャンプするなど、雪上での動きを1つの道具で万能にこなすものでした。
 やがて、そのスキーの源流はアルペン滑降、ジャンプ、クロスカントリーなど、現代オリンピックなどで馴染みの競技へと発展、高度化、細分化するにつれ、道具もそれぞれ専門のものへと進化し、テレマークスキーの道具と技術は過去の遺物として細々と伝えられていきました。
 現代のテレマークスキーは1970年代後半、アメリカのコロラドでひっそりと復活します。靴や板、バインディングは当時とは異なり強度と性能を備えた新しい素材で作られていますが、つま先のみ固定されたバインディングで、歩く、滑る、登るなど、一つの道具で雪上を万能に移動する当時のテレマークスキーのマインドはしっかりと受け継いでいます。
 ステップソールと呼ばれるうろこ状の凸凹の施された板ならば、ある程度の斜面も登れますし、メタルエッジなのでクロスカントリースキーよりも滑降性能に優れ、起伏の多い日本の地形にはぴったりです。
 この最も古く、最も新しいテレマークスキーは冬の知床の自然を、万能に楽しめる最高の道具といえます。


冬の装備 
冬の自然を楽しむためにはきちんとした装備は欠かせません。寒いからといってむやみにたくさん着込めばよいというものではありません。運動すれば暑くなり、汗もかきます。基本は保温性、防水・防風性、汗の透湿性などの高い高機能素材のものを選ぶこと(乾きにくく冷えやすい綿素材は厳禁!)、そしてウェアの重ね着の方法です。ウェアはベース、ミッド、アウターの順に重ね着します。

☆ベースレイヤー
 まずは肌に直接触れる下着です。ポリエステルなどの素材で汗を素早く吸収し、すぐに乾く速乾性のものを選びます。ぶかぶかすぎると機能を損なってしまうので、肌にフィットしたタイツなどを選びます。冷えやすい綿素材は場合によっては低体温症などの危険があります。
 最近はユニクロなどでも機能を備えたのものが買えますね。

☆ミッドレイヤー
 次に中間着です。これも汗を閉じ込めることのない透湿性が重要です。動きやすく暖かいものが理想的です。ミッドレイヤーは行動中暑くなったら脱ぎ、また寒くなったら着込めるような着脱のしやすいものを選びます。
 フリースやダウンジャケット、天然素材にこだわりのある方はウールのセーターなど、状況に応じて厚さを使い分けます。ダウンジャケットなどは軽くコンパクトなので予備として持っていくのにも向きます。

☆アウター
 一番外側に着るシェルとなるものです。防水・耐水性、防風・保温性を高く備えた動きやすいものを選びます。
 フードやベンチレーションが付くと便利です。
 スノーボートやスキーウェアでも最近は高機能を備えたものが多く、代用できます。

☆その他の装備
・帽子 耳まで隠れる保温性のあるもの。
・グローブ 防水性が最も重要で、保温性、透湿性のある高機能素材のものが良いです。
・サングラス 雪原が晴れると照り返しがきつく紫外線防止のサングラスは絶対に必要です。強い日差しを見続けると雪目といわれる症状になります。
・ネックウォーマー
・靴下 ウールか化学繊維でタケのあるもの。分厚いもの、二重履きはブーツが入らないので避けて下さい。


※ アウターウェア、グローブ、帽子、サングラス、ネックウォーマーは無料で貸し出し可能です。
 お申込み時に貸し出しの希望をお伝えください。