賃貸用語辞典

優和ハウジングの賃貸用語辞典へお越し頂き、有難う御座います。
Q&A方式で賃貸用語について解説しておりますので、何かのお役に立てれば幸いです。
また、賃貸に付いてのご質問等が御座いましたら、メールまたは電話0475-27-8971で
お待ちしております。

Q:敷金とは・・・「賃借人が借りた家屋を明け渡すまでに生じた賃貸人に対する一切の債権を担保するものである 」とされています。  ここでいう「一切の債権」の範囲とは、賃貸人の賃借人に対する未払賃料債権損害賠償債権の二つが主なもので、 未払賃料債権についてはその存否が比較的明確ですから、敷金返還に際して特に問題となるのは損害賠償債権です。そしてこの損害賠償債権は、原状回復義務から生じるものです。

Q:原状回復義務とは・・・原状回復の定義は、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とし、その費用は賃借人負担としました。
そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は賃料に含まれ、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではありません。

Q:賃貸人の義務とは・・・民法第606条(賃貸物の修繕等)では、賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
これは、賃借人が賃貸物件を使用収益するのに必要な修繕をする義務は家主にあるというものです。
賃貸借契約は、賃貸人が賃借人に対し賃貸目的物を使用収益させることを約し、賃借人がその対価として賃料を支払うことを約する契約であるから、賃貸人は契約の効力として目的物を使用収益させる積極的義務を負担し、その義務の一内容として、目的物の破損・毀損によってその使用収益に支障が生じたときには、これを修繕する義務があります。

Q:賃借人の義務とは・・・賃貸物件はあくまで他人のものです。したがって、自分の所有物以上に注意して取扱う必要があり、 借主は、賃貸借契約の目的物に関して、「善良な管理者としての注意義務」を負います。
借主は、賃貸借契約の使用目的に従った使用を行うことは当然であり、例えば社会通念上の清掃等賃貸物件の保存維持に必要な行為や広い意味での管理をいいます。
借主が善良な管理者の注意義務に違反して(故意や過失で)賃貸物件を汚損、毀損等した場合、借主は家主に対して債務不履行ないしは不法行為に基づく損害賠償義務が発生します。
例えば、畳にタバコの不始末で焦がしたとか、ふすまをうっかり破いてしまったというように、その部分の補修費を負担しなければなりません。 それらの回復費用は賃借人の損害賠償義務の履行として負担しなければならず、敷金から控除することができます。


Q:礼金とは・・・礼金は、入居時に家主に対して支払われるもので、権利金ということもあります。敷金と違って退去するときでも戻ってきません。

Q:共益費とは・・・賃貸集合住宅(アパート・マンション)等で、賃借人が共同で使用する設備もしくは施設の運営維持に関する費用。(例えば廊下の電球代など)

Q:更新料とは・・・賃貸借契約の更新をする際に支払う一時金の一種で、借地借家法上に明確な規定はなく、もっぱら当事者間の慣習として行われてきたものです。
したがって、更新料について当事者間の合意が必要です。但し、契約条項に明記されている場合は、支払義務が発生致します。
なお、更新料の額については、通常は家賃の1〜2か月分が妥当であり、それを超える場合には借地借家法30条に反し、無効となる可能性があります。

Q:借地借家法第30条・・・この節[第1節:建物賃貸借契約の更新等]の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。

Q:権利金とは・・・権利金とは、賃貸契約で事務所や店舗など業務用の物件を借りる際に、賃料とは別に借主から貸主に支払われるお金です。
権利金には、「その場所で営業し、収益をあげることができる営業権の対価」とみなされる場合、また「賃料の前払い的性格のもの」とみなされる場合、「借地権譲渡の承諾料」とみなされる場合があります。いずれの場合も、借り手が立ち退いた時に貸し手が返還する必要はありません。権利金の性格を不透明にして、貸主が多額の現金を受け取ると、場合によっては「借地権譲渡の承諾料」とみなされ、本来貸主の許可が必要な「又貸し」などの行為を借主が無断で行っても、違法と認められないことがあります。

Q:保証金とは・・・保証金とは、借家人が家賃を支払わなかったときに家賃に充当したり、借家(部屋)を傷つけたときなどに修理費に充てたりするための金銭です。 保証金は、契約終了のときに借家人に返還しなければなりませんので、意味合いとしては敷金と同じです。地域慣習によっては保証金の一部を「償却」という名目で、実質的には礼金(権利金)として受領するところもあるようです。

少額訴訟とは
平成10年1月1日新民事訴訟法の施行により、少額訴訟制度がスタートすることとなり、当初の30万円以下の金銭の支払をめぐるトラブルに限って利用できましたが、平成16年4月より金額の上限が増額され、現在は60万円となっています。
少額訴訟の目的は
今までは、あきらめてしまっていた民事訴訟のうち少額の金銭の支払いをめぐるトラブルを速やかに解決するための手続きです。
少額訴訟の利点は
@60万円以下の金銭の支払いをめぐるトラブルに限って利用できます。
A原則として1回の期日で審理が完了するので、何度も裁判所に足を運ぶ必要はなく、直ちに判決の言い渡しがあります。
B証拠書類は、審理の日に調べられる物に限ります。
C裁判所は、訴えを提起した人の請求を認める場合でも、分割による払いや執行猶予の判決を言い渡すことができます。
D少額訴訟に対して不服がある場合には、判決を裁判所に異議申し立てをする事ができます。


少額訴訟の注意点は
@金銭の支払い以外の物を請求するときは、少額訴訟ではできません。
A少額訴訟の利用は、同じ簡易裁判所に対して年間10回までと制限されています。
B原告からは、訴え起訴後に通常訴訟での審理を求めることができません。
C原告・被告ともに、異議の申し立てができるだけで、控訴することはできません。
D相手方の所在が解らないときは、少額訴訟を起こすことはできません。
E分割払い・支払猶予・遅延損害金の免除の判決に対しては、異議を申し出ることはできません。


少額訴訟を利用するケースは
@アパート(借家)を退去するのに大家さんが敷金を返してくれない・・・
A原状回復後の差額敷金を返してくれない・・・
Bクーリングオフしたのに払ったお金が戻ってこない・・・
Cアルバイトの給料を払ってもらえない・・・etc


少額訴訟の諸費用は
  訴状を提出する場合には、訴訟の目的の価格(素額)に応じた手数料を印紙で納付しなければなりません。
また、相手方(当事者)を呼び出すための費用といて郵便切手代を負担する必要があります(各裁判所により異なりますが、特別送達等を利用するため3,500円程度かかります)。
訴訟請求金額手数料
10万円まで1,000円
20万円まで2,000円
30万円まで3,000円
40万円まで4,000円
50万円まで5,000円
60万円まで6,000円

新たな手口に御注意!
最近,有料サイトを運営する悪質業者が,利用料等の支払いを求める少額訴訟を起す事例が他都市で出始めています。これは,60万円以下の金銭の支払いを求める訴えを簡易裁判所に起すことにより,1回の裁判で判決の出る制度を悪用したものです。つまり,そのサイトを利用した心当たりがなくても,裁判所から「口答弁論期日呼出及び答弁書催告状」が送られてきた場合,出頭しなければ自動的に裁判に負けてしまい,請求金額を払わされることになります。 このような書類が裁判所から届いた場合は・・・
1.心当たりがなくても指定された日に裁判所に出頭してください。その裁判所が遠方の場合は,近くの裁判所に「移送」を求めることができます。
2.専門家(弁護士)に裁判進め方について事前に相談する。
3.最寄の警察にも連絡する。

借家権の存続期間
借家では借地のような最短期間の定めはなく、また最長期間の定めもありません(借地借家法第29条第2項)。しかし、1年未満の期間を定めた場合は、「定期建物賃貸借契約」とする場合を除き、存続期間の定めのない契約とみなされます(借地借家法第29条第1項)。
賃貸人が期間満了と同時に明渡しを求めるには、期間満了前1年から6ヶ月前までの間に賃借人に対し予告しなければ更新の拒絶ができず、これをしなければ従前と同一条件で更新それることになります(借地借家法第26条)。
また、賃貸人が更新を拒絶するには、「正当の事由」が存在することが必要です(借地借家法第28条)。また、賃借人に不利となる特約は無効となりますから、契約書の条項に「賃貸人の都合によりいつでも解約し、また更新を拒絶することができる。」旨の記載をしても、その部分は効力を生じません(借地借家法第30条)。

存続期間の定めがない場合
民法第617条では、賃貸人は、いつでも解約の申入れをすることができる旨の規定がありますが、そのためには「正当の事由」がなければなりません。
解約の効果は、その解約申入れから6ヶ月を経過したときにはじめて効力が生じます(借地借家法第27条)。
従って、賃借人は賃貸人の解約申入れが「正当の事由」によるものであっても6ヶ月間は居住を継続できることになります。また、、6ヶ月を経過した場合でも、賃借人が立ち退かず、それに対して賃貸人が遅滞なく異議を述べないときは、6ヶ月前の解約申入れの効力が失われ、改めて解約の申入れをしなければなりません。
期間の定めがない場合は、賃借人も、いつでも解約の申入れをすることができ、「正当の事由」は不要です。解約の効果は、申入れから3ヶ月経過したときに効力が生じます(民法第617条第1項)。


借家権の対抗力
借家権は建物賃借権の登記があれば、もちろんその建物を買い受けた者などの第三者に対抗できますが、法は登記がなくても建物の「引渡し」があれば、第三者に対抗することができるものとし、賃借人を保護しています(借地借家法第31条)。
なお、借家権は対象の建物が滅失すれば消滅します。その理由は、目的建物が存在しないからです。

定期建物賃貸借契約
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、「公正証書等の書面」によって契約するときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができます。この場合、期間を1年未満とすることも可能で、20年を超える契約を締結することもできます(借地借家法第38条第1項、第29条第1項、第2項)。
但し、この契約を締結しようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了によって賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならず、(借地借家法第38条第2項)、その説明をしなかったときは契約の更新がないこととする旨の定めは、無効となります(借地借家法第38条第3項)。

取壊し予定建物の借家
法令または契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合には、建物を取り壊すこととなる時期に賃貸借が終了する旨の賃貸借契約を締結することができます。
但し、この場合も契約内容を明確にするとともに脱法的な契約を防止するため、その特約について建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならないものとされています(借地借家法第39条第1項・第2項)。


造作買取請求権
賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作があるときは、賃借人は借家契約が終了した場合に、賃貸人に対して時価でその造作を買い取るよう請求することができます。また、賃借人が賃貸人より買い受けた造作も同様です(借地借家法第33条)。
なお、この規定は、旧法下においては強行規定とされ、造作買取請求をしない旨の特約をしても無効でした。
しかし、新法では、この規定を任意規定とし(借地借家法第37条に含まれない)、造作買取請求権を排除する旨の特約を有効とすることとなりました。その理由は、旧法下において、例えば、賃借人がエアコンを取り付けようとして賃貸人に同意を求めても、将来これを買い取りたくない賃貸人は同意をしないこととなって、結局賃借人がエアコンを取り付けられないという事態が生じていました。そこで、造作買取請求権を特約で排除することを認め、賃貸人の同意を得られるようにとの配慮です。