第11話:そもそも私たち一家がニュージーランドに移住した理由 | |||||||||
私たち一家がニュージーランドに移住したのは私が2歳の時でした(1964年12月生まれです)。私は今でも羽田空港で、階段を上り飛行機に乗り込む場面を覚えています(当時は階段が飛行機の入り口に横付けされ、それを登って搭乗するのが主流だったからだと思います)。ニュージーランドへの直行便なども当時はなく、飛行機も小さいプロペラ機で、まずは最初に香港に渡り、飛行機を乗り継いでニュージーランドまで行った覚えがあります。搭乗する直前に階段の上で後ろを振り向くと、空港の建物内の窓越しに大好きだったおばあちゃんが手を振っていました。当時 私はまだ2歳で何も分かっていませんでしたが、母に「おばあちゃんは来ないの?」と尋ねた覚えがあります。これが私の頭に残る最も古い記憶です(3〜4歳にもなると、かなり沢山の記憶が残っています)。 時は1967年でした。当時、地球の反対側にあるような海外へ移住するというのは、今で言えば「宇宙に行く」のと同じくらいの覚悟が必要だった時代だったと思います。まあ、それは少々大げさかも知れませんが、、、両親は全財産をはたいて、二度と祖国には戻れないほどの覚悟が必要な時代だったと思います。 父は地質学者でした。そして、たまたま東京での学会でニュージーランドから訪れていた博士らを、英語が喋れた父が案内役として抜擢されたのです。その時に父は、大学の教授に気に入られ、その後、ぜひニュージーランドに来て欲しいと誘われたのです。それで、我家はニュージーランドに行くことになってのですが、当時のニュージーランドは、まるで天国でした。為替レートはNZ$1=¥400の時代でしたが(!)一度むこうに住んでしまえば物価は信じられないほど安く、雇用も安定していて、社会保障もとても充実しており、教育のレベルも非常に高く(2014年現在でもニュージーランドの義務教育は世界で第6位にランクインしました)、犯罪も殆どなく、家に空き巣でも入ろうと新聞の1面を埋め尽くすほどの大ニュースになる時代でした! |
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