第4話:再び恐怖のマウントクックへ(自転車編) | |||||||||||||||
時は1982年。17歳(高校3年生)の夏です。私です。 私の愛車は手前のもの。スペア・タイヤも持っているのが分かります! |
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今回は、再びマウントクックでの出来事です。 私は17歳の夏、別の友人(中国系ニュージーランド人の3世、グレッグ)と2人で自転車でマウントクック(南アルプス)に向かっていました。前回もいいましたが、マウントクックへは60キロ程の1本道が続いていました。山脈と山脈の間の広〜い谷底を、ほぼ一直線に走る道路なのです。 その日は晴天に見舞われ、やや強めの向かい風が吹いていたのですが、何とか順調に距離を稼いでいました。ところが、最後の20キロ程の直線に差し掛かった時です。次第に風が強まり、やがては一定風速80〜90キロの暴風に。しかもそれは、谷間を吹き抜ける向かい風。自転車をこぐのは不能となり、私たちは降りて最後の十数キロを自転車を押しながら歩きました。それでも、あまりもの空気抵抗で、平らな道を歩いているはずなのに、急坂を登っている程の労力が必要でした。 |
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平な道なのに、時速80〜90キロの向かい風で走行不能に、、、。 グレッグが自転車を押していますが、それでも急坂を登っているかのような体力を必要とします! |
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その時、マウントクックを後にする、反対方向に向かうサイクリング旅行者が、"You're going the wrong way!"(間違った方向に進んでいるぞ!)と叫びながら、時速80キロ程の猛スピードですれ違って行きました。確かにそうなのです、、、試しに自転車を180度回転させ、乗り、ブレーキを離してみると途端に猛スピードで加速し始め、こいでもいないのに300メートルも進んだ頃には60〜70キロのスピードが出ていました。その後、失った300メートルを取り戻すのも一苦労だったので、ダメージの大きい実験でしたが....。 目的地への到着時刻は大幅に遅れてしまったものの、その後私たちは何とかマウントクックへたどり着けたのです。 私の連載を読んでいる方には、何だかマウントクックがとんでもない危険な場所の様な印象を与えてしまっているかも知れませんが、実際のところ私は2〜3歳の頃から10回もマウントクック国立公園に行っています。もちろん、山の天気はナメてはいけませんが、私がマウントクックで悪天候に見舞われたのは10回中2回だけです。しかも、自転車旅行中に発生した暴風は、夏の晴天の日の出来事ですから、寒くはありませんでした。 従ってその日の服装、、、Tシャツと半ズボン。 |
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グレッグです。目的地まであと1キロほど! |
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旅が始まって2週目の頃、風下を走っていたグレッグに「クサイ!」と言われ5日ぶりに「風呂」を浴びました(笑) 、、、と言っても湖で泳ぐだけですが。 |
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