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Anecdotes
第7話:巨大洗濯機の中
 

今回も海での恐い、ワイルドな体験です。時は1989年頃だったと思います(私は24〜25歳でした)。

前回も登場したビルと、私がよく行くダイビングスポットの中でも、最もワイルドなところがケープソーンダーズという、荒々しい外海に直面した、足下でいきなり水深10〜15メートルもあるところでした。そこは、常に荒れている為、ダイビングを楽しめるのは年に数回しかありません。それだけに、そこは大きい魚やアワビ(やサメ)の宝庫で、天候や海のコンディションが整えさえすれば、私たちは迷わずケープソーンダーズを目指していました。しかし、それでも私たちは常に、もっとワイルドな、もっと人が行くことの少ない手付かずのダイブスポットを目指し、いつも地図とにらめっこしていたのです。

そこで、ある穏やかな夏日、最高のコンディションが整い、いつものダイビング・バディーのビル(Bill)と私は胸をときめかせながらケープソーンダーズを目指しました。ケープソーンダーズへは、崖の上を走る一本のデコボコ泥道が10キロも続きます。かなりワイルドなところです。途中、沖合500メートル程のところには、真っ青なタプタプとした海に囲われた島があります。その島までは2〜3メートルの遠浅の海が続き、島の反対側に向かって一気に水深20〜30メートルまで落ち込みます。そして、その日は珍しくも真っ平らな海と、真っ白の砂浜が輝いて見えていました。急遽予定を変更し、その島を目指すことになったのです。

車を停め、崖を降りること20分。アレンズビーチに立ちました。そのアレンズビーチは危険なところで、至る所に巨大な'rip'(波で岸に押し寄せられた水が、一気に沖合へと流れ戻る激潮水域)が発生していて、何人かが海水浴中に溺れていることで知られている海でした。が、私たちは海水浴に来た訳ではありません。沖に浮かぶ、島を目指して素潜りに来たのです。とはいえ、自力で500メートルも泳ぐのは、かなりの体力を使ってしまうので、'rip'に乗って沖に出ることにしました。

崖に沿ってしばらく歩き、最も大きい'rip'をみつけ、私たちは迷わずその濁流に飛び込みました。すると狙い通りに、私たちは渦、白波と、「ゴー!」という轟音と共に、1分としない内にに300メートルも沖に流されたのです。「残りは200メートル。楽勝だ!」と思い、島を目がけて泳ぎ出したのですが、そのとたんに海の様子が一変して、沖合から高さ2メートルもある波が襲いかかって来たのです。

南ニュージランドの外海ではよくあることなのですが、遥々沖合で嵐が発生していると、陸では天気が穏やかでも、突然大きな波が押し寄せて来たりするのです。「これはマズイ!」と思った時には、2メートルの波に叩き付けられる度に砂底をグルグル巻きに転がされていました。当時の私は水泳にはかなりの自信があり、泳ごうと思えば足ひれが無くても何キロでも泳げる体力はあり、素潜りでも海女さんなみに(?)息を数分止めて水深15メートルくらいまで潜っていました。しかしその時は、まるで巨大洗濯機の中で泳いでいるような状態でした。わずか300メートル泳いで岸に戻るのに、マスクやヒレがもぎ取られないよう、荒々しい波と必死に格闘すること30分。何とか無事に岸に戻れた頃にはヘトヘトで、その日はケープソーンダーズに行くこともなく帰りました。

これが私の人生で、もしかして2番目に死に近かった経験なのかも知れません。でも、今でもあの島は人を寄せ付けずに、手付かずの海が残っているのだろうと思うと、色々と夢が膨らみます。ちなみに、その時の私の服装はウェットスーツ、マスク、シュノーケルに足ヒレでした。

 
           
ABC Inc 翻訳 日英 ネイティブ  

別の日に撮影した写真ですが、ケープソーンダーズでの1枚です。ダイビングバディーのビルです。ビルとは夏になれば毎週ダイビングに出かけていました。

彼は、そこそこ有名な彫刻家(アーティスト)で、テレビに出たこともあります。最近ではニュージーランド・アメリカ合作で、アカデミー賞を多数受賞した「ロード・オブ・ザ・リング」のSFX製作にも関わっていたとのこと(ただの変人ではありません - 笑)。

ちなみに、後ろに写っている車は1989年にしてもボロいですが、ニュージーランド国内で自動車は一切生産されていないので、皆 車がボロボロになるまで修理を繰り返しながら乗り続けます(走行距離20万キロは常識なのです!)。

 

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