プラトンボの紹介

竹の代わりにプラスチック板で作るプラトンボです。
うまく作った竹トンボは本当によく飛ぶ。知人からいただいたり、趣味で作った竹トンボを分けてもらったり。プラトンボは比較的手軽に作れて簡単に試行錯誤ができるので、工作教室で作るのに適している。工夫する楽しみを体験して欲しい。
0.5〜0.75mm厚のプラスチック板を使い加工します。アイロンで加熱してからひねりをつけます。ひねりを大きくすれば上昇力が増え、ひねりが小さいと飛行時間が長くなります。

関連資料

参考とした情報

  • 秋岡芳夫:「竹とんぼからの発想、手が考えて作る」、1976年1月、講談社発行(ブルーバックス)大変参考になる本ですが今は絶版のようです。
  • 国際竹とんぼ協会のホームページ竹とんぼの競技会記録が載っています。
  • 竹とんぼ専門「bambiiな部屋」:うすい竹をひねって作る竹とんぼの作り方が載っています。
  • 仮説社「たのしい授業」(2003年7月号 No.269)でプラスチックフォルダーを使ったプラトンボが紹介されています。

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作り方

はじめに標準型のプラトンボを紹介します。

材料

  • 羽:プラスチック板に型紙をはったものを一枚ずつ切り離して用意しておく。 プラトンボの羽
  • 竹串:2.5mmφ×15〜18cm 1本

工具・補助材料

  • はさみ、カッター、カッターマット、2mmφのドリル(ダイソーで売っている、ピンバイス風の取っ手付きのものが安くて便利、無ければ錐で代用)、四つ目錐(太い場所の辺の長さが3mm以上のもの)、接着剤(セメダインスーパーXGあるいは5分間硬化のエポキシ接着剤)、アイロン、アイロンの台にする木板、ティッシュペーパー、(以下は無くてもいい)ポスカ、油性ペン。

工作手順

T.羽をはさみで切って成形する
  • 四隅の角を切り落とす
  • 中央部を切り込む
U羽の中央に四角の穴をあける。

ピンバイス
柄付きドリル(ピンバイス型)

竹トンボの羽


  • 最初にドリルで2mmφの穴を開ける
主翼にストローを取り付ける
  • 四つ目きりを使って穴を四角にする
V.軸(串)の先端部を加工する
  • くしのとがった先を10mmほど切り取る
  • 断面が正方形になるように削る
  • カッターナイフで鉛筆を削るように
  • 削る長さは1cm位を斜めに(先に向けて細くなるように)
  • できるだけ断面が正方形になるように
串の加工

W.羽の左右の重さのバランスを調整する
  1. 羽に軸を取り付ける
    • 手で軽く押しこむ程度で良い
  2. コップの上で回しながらバランスを見る(右図)
    • 水平な机に置いたコップにプラトンボを乗せる
    • 軸を軽く回してプラトンボを回転させる
    • 左右に同じようにスムースに回転していればいい
    • どちらかの羽を下にして止まるようだったら、下になった方のはねのはしを少しけずる
プロペラバランスをとる
X.アイロンで羽の中央を温めてプロペラをひねる
左利きと右利きのひねりの方向
羽のひねりは左利きと右利き用で逆になる

ひねりを加えた羽
  • 型紙をはがす
  • ティッシュなどの紙をあて羽の中央部をアイロンで温める
  • 何度か裏返しし、柔らかくなるまで温める
  • 両手で羽の両端を持ってひねる


Y.軸(串)に羽を取り付け、羽が軸に対して対称になるよう調整して、接着する
  1. 羽の取り付け状態をチェックする(右図)
    • 羽を軸に少し強く差し込む
    • 羽が軸に対称になっていること
    • 羽と軸が直角になっていること
    • 羽を横から見て、左右の羽のひねり(傾き)が同じ
    • ひねりは羽を指で回転させながらチェック
    • 狂っている場合は取り付け部を動かして調節
  2. 軽く回してバランスを確かめる
    • 50cm程度あがるぐらいに飛ばして軸がぶれていないか観察する
    • 軸がぶれているときにはピッチ角をよく見て対称となるように調整する
    • 調節不可能な場合はひねり工程をやり直す
  3. 接着剤で羽を固定する
    • 軸の全周に接着剤をつける
    • 羽の上と下2か所につける
    • 接着剤をつけた後取り付け状態を再度チェックする



羽の取り付け状態のチェック
Z.軸の長さ
  1. 軸の長さは短い方がいい
    • 軸を長くするとプラトンボの重さが増える
    • 重いプラトンボを浮かすためには大きい浮力が必要
    • 大きい浮力を得るためには回転の摩擦が増える
    • 回転が長続きしなくなり高く上がらない
  2. 軸を短くすると回転が不安定になる
    • 回転が不安定になるということは軸を中心に回らなくなることです
    • 不安定になると回転軸が変化する
  3. 変化する兆候はみそすり運動です
    • みそすり運動は軸が羽の中心を頂点とする円錐のように回転する(右図)
    • プラトンボの回転が少なくなった時現れやすい
  4. 軸の長さはプラトンボの回転が不安定にならない最低の長さにする必要がある




プラトンボの味噌擂り運動
[.プラトンボの高性能化
高性能竹トンボに学ぶ
  1. 中心部分は削ってせまくなっている
    • 中心部は揚力を発生しないで上昇するとき抵抗になる
    • 中心部に必要なのは強度
  2. 周辺におもりを入れている
    • 画像で両端にある丸いものがはめ込んだ鉄
    • 周辺を重くすると慣性モーメントが増え長く回る
  3. 羽の後ろ(後縁)は刃のように薄い
    • 抗力=回転に対する抵抗が少なくなる
    • 羽の前縁は丸い
  4. 上面に丸み(キャンバー)が付いている
    • 揚力を出しやすい
    • 飛行機の翼も同じ


高性能竹トンボの平面形

高性能竹トンボの断面
工夫のポイント
  1. 平面形
    • 色々な平面形が考えられる
    • 中心部をせまく、周辺部を広くするのが基本
  2. 大きさ
    • 重さに合わせた大きさがある
    • 回す力に合わせた大きさを
  3. 後縁を薄くする
    • 薄いプラ板を使う
    • 薄い板(アルミ缶)を貼る?
  4. 上面に丸み(キャンバー)
    • 加工方法に工夫が必要
    • ほんの少し曲げるだけでいい


高性能竹トンボの平面形

初版:2011.5.25