実験の目的

飛行機には3つの舵がついている。主翼についているエルロン(補助翼)、水平尾翼についているエレベーター(昇降舵)および水平尾翼についているラダー(方向舵)である。
舵付きストローグライダー
ストローグライダー工作の型紙にある2機のうち1機は舵付きのパターンを印刷している。舵付きのストローグライダーを作って3つの舵の効果を実験する。

関連資料

参考とした情報

多くの情報を参考にしたが、特定の情報を基にしたわけではないので特にここにはあげない。

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実験の進めかた

舵付きストローグライダーの製作と調整

ストローグライダーの工作を見ながら舵付きのストローグライダーを作る。工作のとき、舵の部分は点線をボールペンと定規で線を引くこと、舵が動くように切れ目を入れておくこと、舵は曲げないことを注意しておく。
指導者は紙飛行機の基礎を読んで飛行の原理や用語に慣れて置くといい。ストローグライダーの調整を見て舵を動かさない状態でグライダーが真直ぐ飛ぶように調整し、投げ方に慣れておく。

重心位置の調整とエレベーターの効果

はじめにクリップをつけないで飛ばしてみてぜんぜん飛ばないことを確かめる。次に目玉クリップを前後させて重心位置を変えて飛ばしてみる。重心位置を前に移したいときはクリップを2個使ってもいい。クリップの位置によって飛行軌跡が変わることを確かめる。重心位置を後ろにした時の軌跡は何回も波を打たないで一回上昇して急降下し速度を上げて滑空する(波が一つの)状況が観察できる。
重心を前過ぎに調整した後エレベータを上に動かして飛ばしたり、重心を後過ぎに調整した後エレベーターを下に動かして飛ばしてエレベーターを動かすことによりピッチ方向の動きを調整でき良好なグライドをさせることができることを確かめる。

エルロンの実験

エルロンは左右で反対向きに同じだけ動かす。まずエルロンを動かさないで真直ぐグライドすることを確かめる。
エルロンを動かして飛行させる。エルロンを動かす方向とグライダーが曲がる向きを確認する。また機体がロールして旋回することを確かめる。
グライダーが曲がりながら落ちていくのは主翼が傾いたため旋回するとともに上向きの揚力が減って「落ちて」行く。紙飛行機を飛ばすためには主翼が水平に保たれなくてはならないことを理解する。


エルロンを動かしたグライダーの軌跡

ラダーの実験

ラダーを動かした時グライダーの動きはエルロンやエレベーターほど劇的ではない。エルロンを動かしたときは旋回しながら「落ちた」のに対し、ラダーを動かしたときはあまり落ちないで旋回する。ラダーを大きく動かすと(曲げると)旋回半径が小さくなる。
紙飛行機の基礎に示したようにラダーを動かすと翼が傾いて旋回する。翼が傾くとエルロンの実験で見たように揚力が不足し、「落ちて」くるはずなのだが、ストローグライダーの翼の傾きは大きくならず、落ちてもこない。このような挙動は、ストローグライダーの上半角によるロール安定性の効果による。

初版:2007.08.31