空き缶倒しの実験 |
実験の目的空き缶をストローで吹いて倒す実験である。グライダーは空気の中を動いて揚力を得ている。グライダーから見ると自分に向かって吹いている風の中にいることになる。静止した物体に空気の流れが当たるとき、物体によって空気の流れの方向が変わる。空気は物体から力を受けて方向を変えるが、物体は空気が受けた力の反力を受ける。
図1 空き缶倒しの実験
ストローで空き缶を吹いて空き缶の倒れる方向を測定する。缶を倒す力は流れの方向と流れに直角の方向の二つの成分を持ち、流れに直角な成分が揚力である。
翼に当たった気流が翼により下方に曲げられると、その反作用として翼は上に引かれる力を受ける。これが揚力の発生のメカニズムであることを理解できるようになって欲しい。 |
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実験の準備缶の加工
実験の手順セットアップ平らで水平な机の上に台紙を置く。台紙中央にあるの○の中央に缶の台を置き、基準線を台紙の0°の方向に会わせる。
ストローの方向と吹きかたストローで赤、黄、青のマークを狙って吹く。ストローの向きは必ず台紙の0°の方向を向かせる。青のマークを吹くときは缶の外周部を接線方向に吹くことになる。実験前にきちんと注意しておかないとマークに向けて吹く子が多いので、接線方向をきちんと指示する。
吹くときは短く強く「ふっ」と吹く。「ふーっ」と長く吹くと缶が動き始めたときにもまだ風が当たっているので、マーク以外のところにあたり、実験結果の再現性が悪くなる。 実験してみると分かるが、青のマークを吹くと缶は吹いた方向40°付近に倒れてくる。倒れている途中でも吹き続けると最初倒れようとした方向より押されて角度が小さくなる。 実験の進め方最初に練習実験を一人ずつ指導者が見ながら行なう。全員済ませたら、順番に繰り返し実験をさせ、データシートに記入する。
データシートは各実験条件で5回ずつ実験してその結果を記入するようにしてある。測定を5回済ませたら、それぞれの平均を計算して、データシートのもう一枚に転記する。 全部の実験が終わったら転記したデータの平均を計算してまとめを行なう。 実験のまとめと進行のヒント実験のまとめ
進行のヒント実験のイントロとして、セットした缶におもちゃの鉄砲で玉を当ててたおす。玉は缶の表面を押すので当たった位置と反対向きに「押されて」倒れる。固体の「もの」を当てたときには缶は必ず「押さ」れる。
この実験では風が表面に直角以外の角度で当たると、当たった方に物体が引かれることが分かる。風と直角方向に力が働くことに特に注目して欲しい。 この実験はろうそく消しの実験とペアで行なうことが多い。ろうそく消しの実験では物に当たった空気の流れは、ゴムボールのように弾むのではなく、当たった位置からできるだけ物の表面にそって流れるという流体の性質を理解するために行なう。 実験のまとめ
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