・2019年度(令和元年度)
4月 | 22日 | 交流会 | 9月 | 28日 | 交流会 | |
27日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 10月 | 28日 | 交流会 | ||
5月 | 20日 | 交流会 | 11月 | 28日 | 交流会 | |
6月 | 17日 | 交流会 | 12月 |
7日 | 中学進学相談会 |
|
7月 | 16日 | 県教委宛て「障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び 安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書」提出 |
9日 | 交流会 | ||
25日 | 交流会 | |||||
8月 | 5日 | 第1回県教委交渉 | 2020年 | |||
24・25日 |
第19回障害児を普通学校へ全国連絡会 全国交流集会inちば(共催) | 1月 | 27日 | 交流会 | ||
29日 | 交流会 | 30日 | 第3回県教委交渉 | |||
9月 | 6日 | 第2回県教委交渉 | 2月 | 17日 | 交流会 | |
9日 | 就園・就学相談会 | 3月 | 交流会中止 |
・2018年度(平成30年度)
4月 | 15日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 10月 | 22日 | 交流会 | |
16日 | 交流会 | 11月 | 19日 | 交流会 | ||
5月 | 21日 | 交流会 | 12月 | 9日 | 中学進学相談会 | |
6月 | 25日 | 交流会 | 13日 | 交流会 |
||
7月 | 13日 | 県教委宛て「障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書」提出 | 2019年 | |||
12日 | 交流会 | 1月 | 18日 | 第3回県教委交渉 | ||
8月 | 3日 | 第1回県教委交渉 | 28日 | 交流会 | ||
27日 | 交流会 | 2月 | 28日 | 交流会 | ||
9月 | 3日 | 第2回県教委交渉 | 3月 | 16日 | 交流会 | |
9日 | 就園・就学相談会 | |||||
27日 | 交流会 |
4月 | 23日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 10月 | 16日 | 交流会 | |
27日 | 交流会 | 11月 | 17日 | 交流会 | ||
5月 | 15日 | 交流会 | 12月 | 10日 | 中学進学相談会 | |
6月 | 19日 | 交流会 | 11日 | 交流会 |
||
19日 | 県教委宛て「障害の有無に関係なくどの子も安心して楽しく通える普通学級の実現を求める要望書」提出 | 2018年 | ||||
7月 | 31日 | 交流会 | 1月 | 22日 | 交流会 | |
8月 | 4日 | 第1回県教委交渉 | 2月 | 19日 | 交流会 | |
31日 | 交流会 | 3月 | 17日 | 交流会 | ||
9月 | 11日 | 第2回県教委交渉 | 19日 | 第3回県教委交渉 | ||
10日 | 就園・就学相談会 | |||||
28日 | 交流会 |
4月 | 14日 | 交流会 | 10月 | 17日 | 交流会 | |
17日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 11月 | 21日 | 交流会 | ||
5月 | 16日 | 交流会 | 12月 | 8日 | 中学進学相談会 | |
6月 | 8日 | 交流会 | 15日 | 交流会 |
||
20日 | 県教委宛て「障害による差別を受けることなくどの子も安心して楽しく通える普通学級の実現を求める要望書」提出 | 2017年 | ||||
7月 | 14日 | 交流会 | 1月 | 16日 | 交流会 | |
8月 | 1日 | 第1回県教委交渉 | 2月 | 16日 | 交流会 | |
31日 | 交流会 | 3月 | 6日 | 第3回県教委交渉 | ||
9月 | 5日 | 第2回県教委交渉 | 30日 | 交流会 | ||
11日 | 就学相談会 | |||||
29日 | 交流会 |
4月 | 15日 | 交流会 | 10月 | 21日 | 交流会 | |
19日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 11月 | 11日 | 交流会 | ||
5月 | 11日 | 交流会 | 12月 | 3日 | 中学進学相談会 | |
6月 | 17日 | 交流会 | 12月 | 14日 | 交流会 |
|
18日 | 県教委宛て「障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える普通学級の実現を求める要望書」提出 | 2016年 | ||||
7月 | 28日 | 第1回県教委交渉 | 1月 | 20日 | 交流会 | |
29日 | 交流会 | 21日 | 第3回県教委交渉 | |||
8月 | 27日 | 交流会 | 2月 | 15日 | 交流会 | |
9月 | 14日 | 第2回県教委交渉 | 3月 | 9日 | 交流会 | |
28日 | 交流会 | |||||
13日 | 就学相談会 |
4月 | 20日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 10月 | 22日 | 交流会 | |
28日 | 交流会 | 11月 | 5日 | 第3回県教委交渉 | ||
5月 | 14日 | 交流会 | 10日 | 交流会 | ||
6月 | 18日 | 交流会 | 12月 | 3日 | 中学進学相談会 | |
19日 | 県教委宛て「障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える普通学級の実現を求める要望書」提出 | 2015年 | ||||
7月 | 14日 | 第1回県教委交渉 | 1月 | 26日 | 交流会 | |
31日 | 交流会 | 2月 | 18日 | 交流会 | ||
8月 | 25日 | 交流会 | 3月 | 11日 | 交流会 | |
9月 | 8日 | 第2回県教委交渉 | ||||
24日 | 交流会 | |||||
27日 | 就学相談会 |
4月 | 14日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 10月 | 16日 | 交流会(悪天候のため中止) | |
22日 | 交流会 | 11月 | 25日 | 交流会 | ||
5月 | 15日 | 交流会 | 25日 | 第3回県教委交渉 | ||
6月 | 17日 | 交流会 | 12月 | 4日 | 中学進学相談会 | |
19日 | 県教委宛て「障害のある子もない子も共に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書」提出 | 16日 | 交流会 | |||
7月 | 8日 | 第1回県教委交渉 | 2014年 | |||
29日 | 交流会 | 1月 | 20日 | 交流会 | ||
8月 | 21日 | 交流会 | 2月 | 9日 | 共催学習会「就学相談会で出会った子どもたち」 | |
9月 | 9日 | 県児童家庭課との話(学童保育について) | 17日 | 交流会 | ||
17日 | 第2回県教委交渉 | 3月 | 12日 | 交流会 | ||
18日 | 交流会 | |||||
29日 | 就学相談会 |
4月 | 16日 | 交流会 | 10月 | 17日 | 交流会 | |
22日 | 合同総会〜1年のまとめとスタートの会〜 | 11月 | 26日 | 交流会 | ||
6月 | 15日 | 県教委宛「どの子も安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書」提出 | 12月 | 5日 | 中学進学相談会 | |
18日 | 交流会 | 10日 | 交流会 | |||
7月 | 2日 | 交流会 | 2013年 | |||
5日 | 第1回県教委交渉 | 1月 | 9日 | 交流会 | ||
8月 | 30日 | 交流会 | 21日 | 第3回県教委交渉 | ||
9月 | 10日 | 第2回県教委交渉 | 2月 | 13日 | 交流会 | |
10日 | 県児童家庭課との話し合い(学童保育の現況調査等について) | 27日 | 県児童家庭課との話し合い | |||
30日 | 就学相談会 | 3月 | 4日 | 交流会 |
2021年7月30日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2021年7月30日に千葉県教育委員会教育長宛に提出した要望書の内容を掲載します。
障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び 安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいている
【要望事項】
1.千葉県全ての学校の普通学級で、障害の種類程度に関係なく、障害のある子もない子もみん
2.教職員による障害のある子どもへの差別・人権侵害がなくならない状況を踏まえ、「障害を理
3.教職員による障害のある子どもへの差別・人権侵害がなくならない状況を踏まえ、千葉県教育
<障害のある児童生徒に対する差別的な取り扱い、もしくは合理的配慮の不提供>
・親へ付添いを求める行為
・通常級から支援級への転籍を求める行為
・車椅子の子どもが参加出来ない環境で学校行事を行う
・食事・排泄など生活上の支援をしない
・知的障害のある児童生徒に対し、授業に参加するための合理的配慮や工夫を行うことを
など
4. 令和2年3月に作成された教職員の服務に関するガイドライン「信頼される質の高い教職員で
(1)【具体的な行動】の「全般」の内容は抽象概念的でガイドとならないので削除し、「障害のあ
・親へ付添いを求める行為
・通常級から支援級への転籍を求める行為
・車椅子の子どもが参加出来ない環境で学校行事を行う
・食事・排泄など生活上の支援をしない
・知的障害のある児童生徒に対し、授業に参加するための合理的配慮や工夫を行うことを
など
(2)他の章と同様に、「事例から学ぶ」の項目を記載し、下記内容を追加してください。
・当会が作成した「差別や人権侵害の事例(別紙1)」より、教職員が障害を理由に不当な差別
・当会が作成した「安心できる学校の対応事例(別紙4)」より、教職員が安心できる対応をし
5.教職員の人権意識を高め、障害のある子への差別人権侵害をなくすためには、当事者から出た
・差別や人権侵害の具体例【別紙1】
・障害のある子への親の付き添い事例【別紙2】
・安心できる学校対応の事例【別紙3】
・人権意識啓発チェックシート【別紙4】
・これまで貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙5】
6.子どもが障害などが理由で一人で通学できない場合は、子どもと親の権利を守るため、教育
7.今年6月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が成立し、今年秋に施行
8.昨年のバリアフリー法改正により、公立小中学校がバリアフリー基準適合義務の対象とな
(1)千葉県としての整備目標と計画、都道府県に対する支援の内容を教えて下さい。
(2)国からの通知には「配慮を要する児童生徒や教職員の在籍する学校を優先的に計画す
障害のある子が乳幼児期(または小学校時期)に入学予定の小学校(または中学校)を教育委
添 付
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例
別紙 3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙 4 人権意識啓発チェックシート
別紙 5 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
(別紙1〜別紙5 PDFはこちら→
以上
2020年7月28日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2020年7月28日に千葉県教育委員会教育長宛に提出した要望書の内容を掲載します。
障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び 安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいてい ることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、同じ教室で共に学び共に育つというあたりまえのことを願い活動を続けており、貴職とも毎年話し合いを続けてきました。
障害のある子もみんなと一緒の学校・学級で同じ教育を受ける権利があります。ですが、その権利を奪われ本人・保護者の意思に反して普通学級から排除され、また必要な配慮が
受けられずつらく苦しい思いをさせられる事例が続いています。
私たちは「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われている特別支援教育 を拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。
県内ではこれまで障害の種類や程度に関係なく、多くの子が「みんなと一緒に学びたい」 というあたりまえの願いのもと普通学級に在籍し、楽しい学校生活を送ってきました。障害の
ある子もない子も分け隔てられることなく一緒の教室で学び育つ中で、「一緒に授業に参加 し、一緒に遊ぶためにどうすればいいのか?」と、教職員も子どもたちも様々な工夫をするようになります。これまでのやり方を変え、環境を変え、ルールも変えていくことで、障害のある子もない子も、みんなが一緒だからこそ、楽しい学校生活を送ることが出来ています。
しかし、一方では、教職員に必要な配慮や安心できる対応をしてもらえず、「みんなと同じ ようにできないことが問題」「授業中座っていられない」「授業がわかっていない」などと言われ、「お子さんには普通学級は難しい」「特別支援学校・学級に行った方がお子さんのため
になる」などと、直接的または間接的に圧をかけられて、普通学級から排除されている子どもがいます(【別紙1】差別・人権侵害の事例)。
また、子どもの障害を理由に、学校生活・行事等において保護者へ付き添いを求める事例も例年続いています(【別紙2】)。
「お母さん、お子さんのために付き添ってください」。この 言葉は子どもを学校に預けている保護者にとって、「付き添わないと安全を保障しない」と脅迫されるに等しい言葉です。
特に医療的ケアが必要な子は、「保護者が付き添えないと支援学校しかない」と市町村教育委員会から言われたり、普通学級入学後でも、日常的または学校行事の際に保護者の付き添いを学校から求められたりする事例が依然として続いています。
2016年6月3日に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児 童福祉法の一部を改正する法律」が公布され、児童福祉法第56条の6第2項の規定が施行さ れました。これに関し関係各省からの通知で、学校においても看護師等を確保し医療的ケア 児に必要な対応を行うなど体制整備に努めるよう示されています。
そして、昨年3月20日にも 「学校における医療的ケアの今後の対応について」の通知が出ています。ですが、早急な県 内の実態調査やガイドラインの整備も行われず、市町村教育委員会、管理職、教職員への働
きかけが行われないのは何故なのでしょうか。子ども達の成長は、待つことはできません。
医療的ケアが必要な子も、保護者の付き添いなく安心して楽しく学校生活を送るのは当然の権利です。
また、「医療的ケア」は日常的に親や家族、ヘルパーなどが行っている「生 活援助行為」であり、生活の一部です。 特定の看護師に頼り切りにするのではなく、養護教諭・教職員も研修を受けて「認定特定行為業務従事者」の認定を取り、複数名で支援できる体制であること、学校全体で医療的ケアを理解し対応できることが必要です。学校全体で関わることは、子どもたちとの信頼関係を
築き、極めて重要な教育的意義となります。 普通学級に在籍する障害のある子が、楽しく安心して学校に通えている事例とそうでない事例、この差は障害の種類や程度には関係ありません。教職員の人権意識の違いによるものです。
子どもは変わらないのに担任や校長が代わると楽しく学校に通えるようになったとい う事例は多くあります。それだけ教職員の人権意識は大変重要です。
全ての教職員が差別人権侵害を行わないようにするためには、当事者が経験した具体的 な事例を用い、「本人や保護者が望まないにもかかわらず、障害を理由に特別支援教育を
すすめて普通学級から排除すること」や「保護者に付き添いを求める行為」などは差別人権 侵害であることを明記した資料を作成して周知する必要があります。
貴職とのこれまでの話し合いで、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活について、 「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通え るべきである」(平成13年度・義務教育課)、 「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生 徒は、いじめや差別を受けることなく安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(平成20年度・指導課) と示していただき、かつてはそのような県の姿勢が明示された資料が管理 3 運営研修会でも配布されていましたが、現在は作成されていません。(参照:【別紙3】、【参考資料】)
2016年4月施行の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」では、公立学校 において合理的配慮の提供は義務となっています。
ですが、施行から4年も経ちますが、必要な配慮をお願いしても、「障害のある子だけに特別なことはできない」「たった一人のため に予算や人手を使えない」などと言われ、必要な配慮をしてもらえない事例が起き続けてい るのは何故なのでしょうか。
障害のある子を排除してきた学校がそのままでは、障害のある子にとって困難や壁はたくさ んあり続けます。障害のある子も楽しく安心して学校に通えるように、学校が変わっていく必要 があります。
障害のある子にとって必要な配慮、安心できる学校対応とは特別なものでも難し いものでもありません。障害のある子も同じ学校・学級の児童・生徒の一人として、みんなと一
緒に安心して楽しく学校生活を送るためにはどのようなかたちにすればよいのか?という視点 で考えていただければいいのです。(【別紙4】安心できると感じられた学校(先生)等の対応
の例)。
障害者差別解消法の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領の5条には、「職員が、障害者に対し不当な差別的取り扱いをし、若しくは、合理的配慮の不提供をした場合、 その具体的態様(状態・様子・内容)等によっては、職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合等に該当し、懲戒処分その他の措置に付されることがある」と明記されています。 教職員による、障害のある子への差別人権侵害・合理的配慮の不提供が繰り返されている現状を変えるためには、千葉県教育委員会「懲戒処分の指針」を改訂し、処分量定(標準 例)に障害者差別についての記載を追加する必要があります。
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、ありのままであたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子どもがいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめて、一緒に学び育つことを考えてください。
どの子も普通学級から、社会から排除しないでください。
障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現 を願い、下記要望事項を提出いたします。
ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけ ますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1. 障害の種類程度に関係なく、障害のある子もない子もあたりまえにみんなと一緒に学びたいと 願う本人・保護者の意思を尊重し、普通学級で楽しく安心して過ごせるようにしてください。
2. 毎年起こり続ける、障害を持つ子どもへの差別・人権侵害をなくしていくために、「障害を理 由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」第5条(差別的取り
扱いを行った場合は懲戒処分の対象になり得ること等)を今までより積極的なかたちで周知 し、千葉県教育委員会の「懲戒処分の指針」の処分量定にも明記してください。
3. 教職員の人権意識を高め、障害のある子への差別人権侵害をなくすためには、当事者が 差別人権侵害だと感じる事例を用いた研修を行い、教職員が自らの人権意識を振り返る必 要があります。県内教職員への研修・啓発について下記4項目を要望します。
@. 当会が作成した、差別や人権侵害の具体例【別紙1】、人権意識啓発チェックシート 【別紙5】、千葉県教育委員会作成の「学校人権教育指導資料集・あなたはどう思い
ますか?」を使って研修や啓発を行い、障害のある子への差別・人権侵害をなくして 下さい。
A. 安心できる学校対応の事例【別紙4】を研修等に使って、全ての教職員が障害のある 子が安心して楽しく過ごせるような対応ができるようにしてください。
B. これまで貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙6】を全教職員に周知し、障害の ある子への差別や人権侵害が起きないようにしてください。
C. これらの資料を研修等に使用する際は、口頭だけでなく、紙資料を作成して下さい。
4. 新型コロナウイルスの感染拡大により、子ども達の教育のかたちがこれからも制限されること が予想されます。新型コロナウイルスの感染予防を理由に、障害のある子に対する差別(区
別、排除、制限、無配慮、等)が起きないようにしてください。
5. 今までの話し合いで「特に必要でないにもかかわらず、障害があることを理由に付き添い者 の同行を求めるなどの条件を付けたり、特に支障がないにもかかわらず、障害があることを 理由に学校行事への参加を拒んだりすることは不当な差別的取り扱いに当たり得るものと 認識している」とご回答いただいていますが、教職員が障害を理由に保護者に付き添いを 求める事例がなくなりません。教職員が、障害や医療的ケアが必要なことを理由に保護者 の付き添いを求めたり、学校行事への参加を拒否したりすることは差別人権侵害にあたると いうことを市町村教育委員会に周知し、教職員の啓発をして下さい。また、「特に支障がな いにもかかわらず」という条件付けを無くして下さい。
6. 子どもが障害などが理由で一人で通学できない場合は、教育委員会で通学を保障するべ きです。県内小中学校の普通学級に通う児童生徒について、保護者による通学の付添い
の実態を調査して下さい。また、障害の程度や種類に限定せず、全ての子どもが親の送り 迎えがなくても通学出来るように、県教育委員会として取り組みを始めて下さい。
7. 昨年度の話し合いの経過になりますが、千葉県教育委員会による「学校における医療的ケ アのガイドライン」について、下記5項目について教えて下さい。また、千葉県教育委員会に
おいて、市町村教育委員会が十分な数の看護師を継続的・安定的に確保し、各学校へ適 切に配置できるよう、支えるしくみを作って下さい。
@. 担当課はどこですか?
A. 作成状況・完成予定はいつですか?
B. 完成したものをどのように周知する予定ですか?
C. 養護教諭を含め、現役教職員への研修を行う予定はありますか?
D. 各市町村による、公立学校に対応した医療的ケアのガイドライン作成状況を把握して いますか?
8. バリアフリー法改正により、公立小中学校もバリアフリー基準適合義務の対象となりま した。障害のある子が他の子と同様に学校内を円滑に移動できるように、エレベーター 設置を含め、必要な施設改修を行い学校のバリアフリー化を推進するよう市町村教委に 周知してください。また、今まで様々な理由をつけて施設のバリアフリー化について拒 否したり、制限付きの改修しかできないという教職員からの発言がありました。 今後、このような発言がないように全ての教職員にこの法改正を周知し、障害のある子 の移動が制限されることがないよう、教職員の意識啓発を行ってください。
添 付
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例
別紙3 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
参考資料 「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
別紙4 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと 以上
・2019年7月16日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2019年7月16日に千葉県教育委員会教育長宛に提出した要望書の内容を掲載します。
障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいていることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、同じ教室で共に学び共に育つというあたりまえのことを願い活動を続けており、貴職とも毎年話し合いを続けてきました。
障害のある子もみんなと一緒の学校・学級で同じ教育を受ける権利があります。ですが、その権利を奪われ本人・保護者の意思に反して普通学級から排除され、また必要な配慮が受けられずつらく苦しい思いをさせられる事例が続いています。
私たちは「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われている特別支援教育を拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。障害を理由に教育の場を分けることは、その後の社会においても生活の場を分けることにつながります。
県内ではこれまで障害の種類や程度に関係なく、多くの子が「みんなと一緒に学びたい」というあたりまえの願いのもと普通学級に在籍し、楽しい学校生活を送ってきました。障害のある子もない子も分け隔てられることなく一緒の教室で学び育つ中で、「一緒に授業に参加し、一緒に遊ぶためにどうすればいいのか?」と、教職員や子どもたちは様々な工夫をするようになります。これまでのやり方を変え、環境を変え、ルールも変えていくことで、障害のある子もみんなと一緒に楽しい学校生活を送ることができています。
しかし、その一方では、教職員に必要な配慮や安心できる対応をしてもらえず、「みんなと一緒のことができない」「一人でトイレに行けない」「授業中じっと座っていられない」「授業がわかっていない」・・・・などといわれ、「この子はここ(普通学級)にいるべきではない、他に行くべきところ(特別支援学校・学級)があるだろう」と普通学級から排除されている子どもがいます(【別紙1】差別・人権侵害の事例)。
また子どもの障害を理由に、学校生活・学校行事等において保護者へ付き添いを求める事例も続いています(【別紙4】小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例)。「お母さん、お子さんのために付き添ってください」。この言葉は子どもを学校に預けている保護者にとって、「付き添わないと安全を保障しない」と脅迫されるに等しい言葉であり、実際に「付き添わないと安全が保てない」と学校から言われた保護者もいます。また、保護者が付き添えない場合は学校に通えない・学校行事に参加できない等、子どもの教育を受ける権利を奪うことにつながります。昨年度の貴職との話し合いで、保護者への付き添い依頼について、「特に必要でないにもかかわらず、障害があることを理由に付き添い者の同行を求めるなどの条件を付けたり、特に支障がないにもかかわらず、障害があることを理由に学校行事への参加を拒んだりすることは不当な差別的取り扱いに当たり得るものと認識している」と回答がありましたので、【別紙6】貴職と当会との間で確認してきたことに追記させていただきました。
医療的ケアが必要な子についても、「医療的ケアが必要な子は保護者の付き添いが必要、保護者が付き添えないと支援学校しかない」と市町村教育委員会から言われたり、普通学級入学後に日常的または学校行事の際に保護者の付き添いを求められたりする事例が続いています。
2016年6月3日に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」が公布され、同日に児童福祉法第56条の6第2項の規定が施行されました。これに関し関係各省からの通知で、学校においても看護師等を確保し医療的ケア児に必要な対応を行うなど体制整備に努めるよう示されています。また今年3月20日にも「学校における医療的ケアの今後の対応について」通知がでています。ですが、市町村教育委員会、管理職、教職員へ周知されていないようです。医療的ケアは保護者などが日常的に行っている生活支援行為であり、また、教職員等も研修を受け認定特定行為業務従事者の認定を受けることで実施できる行為もあります。医療的ケアが必要な子も保護者の付き添いなくみんなと一緒に学べるように看護師配置だけでなく、教職員の意識や教育環境を整えていく必要があります。
普通学級に在籍する障害のある子が、楽しく安心して学校に通えている事例と学校で差別人権侵害を受けている事例、この差は障害の種類や程度には関係ありません。教職員の人権意識の違いによるものです。実際、子どもは変わらないのに担任や校長が代わると楽しく学校に通えるようになったという事例が多くあります。
学校は地域社会と密接に関係しており、同じ地域の子どもたちと同じ学校・教室で学び育つ中で子ども同士のつながりができ、またその関係を通して保護者も地域社会とのつながりができます。学校の対応次第では、学級・学校からだけでなく地域からも排除される恐れもあります。学校はこれからの社会を担う子どもたちに差別や人権侵害をしないように教えるところであり、その人権教育は地域社会にも影響します。その学校で教職員が差別や人権侵害を行うことはあってはならないことです。
全ての教職員が差別人権侵害を行わないようにするためには、具体的な事例を用いるなど、差別や人権侵害の視点に立った資料による研修が必要です。また、本人や保護者が望まないにもかかわらず障害を理由に特別支援教育をすすめて普通学級から排除することや保護者に付き添いを求める行為は差別であり人権侵害であることを明記した資料を作成して周知する必要があります。
貴職とのこれまでの話し合いにおいて、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活について、「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(平成13年度・義務教育課)、「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(平成20年度・指導課)と示していただき、かつてはそのような県の姿勢「差別や人権侵害はあってはならないこと」が明示された資料が管理運営研修会でも配布されていましたが、現在は作成されていません。(【別紙2】公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について、【参考資料】平成13年〜平成22年まで小・中学校管理運営研修会で配布されていた資料 「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」平成20年度分)
2016年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行され、公立学校においても合理的配慮の提供が義務となりましたが、周知されていないのか、必要な配慮をしてもらえない事例も多くあります。障害のある子にとって必要な配慮、安心できる学校対応とは特別なものでも難しいものでもありません。障害を本人の努力によって克服するものとしてとらえるのではなく、障害のある子も同じ学校・学級の児童・生徒の一人として、みんなと一緒に安心して楽しく学校生活を送るためにはどうすればいいのか?という視点で対応していただければいいのです。(【別紙3】安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例)。
またこの法律に基づき作成された千葉県教育委員会職員対応要領の5条には「職員が、障害者に対し不当な差別的取り扱いをし、若しくは、合理的配慮の不提供をした場合、その具体的態様(状態・様子・内容)等によっては、職務上の義務に違反し、又は職務を行った場合等に該当し、懲戒処分その他の措置に付されることがある」と明記されていますが、千葉県教育委員会「懲戒処分の指針」は改訂されず、処分量定(標準例)には障害者差別についての記載がありません。学校において障害のある子への差別人権侵害を行っている教職員が存在し、その行為が繰り返されています。 障害のある子への差別人権侵害や必要な配慮を提供しないことが懲戒処分の対象になり得ることを周知するべきではないでしょうか?
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、ありのままであたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子どもがいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめて、一緒に学び育つことを考えてください。どの子も普通学級から、社会から排除しないでください。
障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を願い、下記要望事項を提出いたします。
ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1. 障害の種類程度に関係なく、障害のある子もない子もあたりまえにみんなと一緒に学びたいと願う本人・保護者の意思を尊重し、普通学級で楽しく安心して過ごせるようにしてください。
2. 障害のある子がみんなと一緒に楽しく安心して学校生活を送るためにどの学校でも必要な配慮が行なわれ、教職員が障害のある子を普通学級から排除するような差別人権侵害が行われないようにしてください。また教職員による障害のある子への差別人権侵害をなくすためにも、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」第5条(差別的取り扱いを行った場合は懲戒処分の対象になり得ること等)を周知し、千葉県教育委員会の「懲戒処分の指針」の処分量定にも明記してください。
3. 教職員の人権意識を高め、障害のある子への差別人権侵害をなくすためには、当事者が差別人権侵害だと感じる事例を用いた研修を行い、教職員が自らの人権意識を振り返る必要があります。【別紙1】の差別や人権侵害の具体例、当会が作成した「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」、千葉県教育委員会作成の「学校人権教育指導資料集・あなたはどう思いますか?」(第32集から当会作成の「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」から5項目を取り入れていただいております)などを研修等に活用してください。また安心できる学校対応の事例【別紙3】も研修等に活用して、全ての教職員が障害のある子が安心して楽しく過ごせるような対応ができるようにしてください。これまで貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙6】も全教職員に周知し、障害のある子への差別や人権侵害を解消するために活用してください。
昨年度の話し合いにおいて、当会が提出した事例を教職員への研修資料に用いることを検討するということでしたが、どのような結果になりましたか?作成された研修資料があれば教えてください。
4. 昨年度も教職員が障害を理由に保護者に付き添いを求める事例がありました。昨年度の要望書に対する回答で「特に必要でないにもかかわらず、障害があることを理由に付き添い者の同行を求めるなどの条件を付けたり、特に支障がないにもかかわらず、障害があることを理由に学校行事への参加を拒んだりすることは不当な差別的取り扱いに当たり得るものと認識している」とご回答いただいています。教職員が、障害や医療的ケアが必要なことを理由に保護者の付き添いを求めたり、学校行事への参加を拒否したりするなどの差別人権侵害が行われないようにしてください。また、登下校時の保護者の付き添い事例も多いです。子ども一人で通学できない場合は、市教委等で通学を保障するべきです。他府県では看護師同乗のタクシーで登下校をサポートする自治体もあります。県内小中学校に通う児童生徒について、どのように通学保障を行っているか、調査して教えてください。
5. 養護教諭の研修の中で、通常の学級に在籍する医療的ケアが必要な子どもの学校生活など医療的ケアに関する研修は行われていますか?研修が行われている場合はどのような研修が行われているか、行われていない場合はなぜ行われていないのか、教えてください。
6. 学校へのエレベーター設置の有無は、障害のある子もみんなと同じ教育を受ける権利があるという意識があるかどうかという人権意識の問題です。県内ではエレベーターを必要とする子の在籍(就学予定)校を積極的に把握しようとする市町村教育委員会もあります。小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布し、一層の設置促進を図ってください。また、エレベーター設置の他、トイレやスロープなどの施設改修が必要な子が在籍(就学予定)するにもかかわらず、設置や改修を行わないといったことがないようにしてください。
(添付)
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
(参考資料)「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
以上
・2018年7月13日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2018年7月13日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務課、生徒指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいていることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、同じ教室で共に学び共に育つというあたりまえのことを願い活動を続けており、貴職とも毎年話し合いを続けてきました。
障害のある子もみんなと一緒の学校・学級で同じ教育を受ける権利があります。ですが、その権利を奪われ本人・保護者の意思に反して普通学級から排除され、また必要な配慮が受けられずつらく苦しい思いをさせられる事例が続いています。
私たちは「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われている特別支援教育を拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。障害を理由に教育の場を分けることは、その後の社会においても生活の場を分けることにつながります。
県内ではこれまで障害の種類や程度に関係なく、多くの子が「みんなと一緒に学びたい」というあたりまえの願いのもと普通学級に在籍し、楽しい学校生活を送ってきました。障害のある子もない子も分け隔てられることなく一緒の教室で学び育つ中で、「一緒に授業に参加し、一緒に遊ぶためにどうすればいいのか?」と、教職員や子どもたちは様々な工夫をするようになります。これまでのやり方を変え、環境を変え、ルールも変えていくことで、障害のある子もみんなと一緒に楽しい学校生活を送ることができています。
しかし、その一方では、教職員に必要な配慮や安心できる対応をしてもらえず、「みんなと一緒のことができない」「一人でトイレに行けない」「授業中じっと座っていられない」「授業がわかっていない」・・・・などといわれ、「この子はここ(普通学級)にいるべきではない、他に行くべきところ(特別支援学校・学級)があるだろう」と普通学級から排除されている子どもがいます(【別紙1】差別・人権侵害の事例)。また子どもの障害を理由に、学校生活・学校行事等において保護者へ付き添いを求める事例も続いています(【別紙4】小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例)。「お母さん、お子さんのために付き添ってください」。この言葉は子どもを学校に預けている保護者にとって、「付き添わないと安全を保障しない」と脅迫されるに等しい言葉であり、実際に「付き添わないと安全が保てない」と学校から言われた保護者もいます。また、保護者が付き添えない場合は学校に通えない・学校行事に参加できない等、子どもの教育を受ける権利を奪うことにつながります。昨年度の貴職との話し合いで、保護者への付き添い依頼について、「特に必要ではないにもかかわらず、障害があることを理由に、付き添い者の同行を求めるなどの条件を付けたり、特に支障がないにもかかわらず、付き添い者の同行を拒んだりすることは不当な差別的取り扱いに当たり得るものと認識している」と回答がありましたので、【別紙6】貴職と当会との間で確認してきたことに追記させていただきました。
医療的ケアが必要な子についても、「医療的ケアが必要な子は保護者の付き添いが必要、保護者が付き添えないと支援学校しかない」と市町村教育委員会から言われたり、普通学級入学後に日常的または学校行事の際に保護者の付き添いを求められたりする事例が続いています。2016年6月3日に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」が公布され、同日に児童福祉法第56条の6第2項の規定が施行されました。これに関し関係各省からの通知で、学校においても看護師等を確保し医療的ケア児に必要な対応を行うなど体制整備に努めるよう示されています。ですが、市町村教育委員会、管理職、教職員へ周知されていないようです。医療的ケアは保護者などが日常的に行っている生活支援行為です。また、教職員等も研修を受け認定特定行為業務従事者の認定を受けることで実施できる行為もあります。医療的ケアが必要な子も保護者の付き添いなくみんなと一緒に学べるように看護師配置だけでなく、教職員の意識や教育環境を整えていく必要があります。
普通学級に在籍する障害のある子が、楽しく学校に通えている事例と学校で差別人権侵害を受けている事例があり、この差は障害の種類や程度には関係ありません。教職員の人権意識の違いによるものです。実際、子どもは変わらないのに担任や校長が代わると楽しく学校に通えるようになったという事例が多くあります。
学校は地域社会と密接に関係しており、同じ地域の子どもたちと同じ学校・教室で学び育つ中で子ども同士のつながりができ、またその関係を通して保護者も地域社会とのつながりができます。学校の対応次第では、学級・学校からだけでなく地域からも排除される恐れもあります。学校はこれからの社会を担う子どもたちに差別や人権侵害をしないように教えるところであり、その人権教育は地域社会にも影響します。その学校で教職員が差別や人権侵害を行うことはあってはならないことです。
全ての教職員が差別人権侵害を行わないようにするためには、具体的な事例を用いるなど、差別や人権侵害の視点に立った資料による研修が必要です。また、本人や保護者が望まないにもかかわらず障害を理由に特別支援教育をすすめて普通学級から排除することや保護者に付き添いを求める行為は差別であり人権侵害であることを明記した資料を作成して周知する必要があります。
貴職とのこれまでの話し合いにおいて、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活について、「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(平成13年度・義務教育課)、「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(平成20年度・指導課)と示していただき、かつてはそのような県の姿勢「差別や人権侵害はあってはならないこと」が明示された資料が管理運営研修会でも配布されていましたが、現在は作成されていません。(【別紙2】公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について、【添付資料】平成13年〜平成22年まで小・中学校管理運営研修会で配布されていた資料 「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)
2016年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行され、公立学校においても合理的配慮の提供が義務となりましたが、周知されていないのか、必要な配慮をしてもらえない事例が多くあります。障害のある子にとって必要な配慮、安心できる学校対応とは特別なものでも難しいものでもありません。障害を本人の努力によって克服するものとしてとらえるのではなく、障害のある子も同じ学校・学級の児童・生徒の一人として、みんなと一緒に安心して楽しく学校生活を送るためにはどうすればいいのか?という視点で対応していただければいいのです。(【別紙3】安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例)。
またこの法律に基づき作成された千葉県教育委員会職員対応要領の5条には「職員が、障害者に対し不当な差別的取り扱いをし、若しくは、合理的配慮の不提供をした場合、その具体的態様(状態・様子・内容)等によっては、職務上の義務に違反し、又は職務を行った場合等に該当し、懲戒処分その他の措置に付されることがある」と明記されていますが、千葉県教育委員会「懲戒処分の指針」は改訂されず、処分量定(標準例)には障害者差別についての記載がありません。学校において障害のある子への差別人権侵害を行っている教職員が存在し、その行為が繰り返されています。 障害のある子への差別人権侵害や必要な配慮を提供しないことが懲戒処分の対象になり得ることが周知されていないのではないでしょうか?
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、ありのままであたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子どもがいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめて、一緒に学び育つことを考えてください。どの子も普通学級から、社会から排除しないでください。
障害のある子もない子もあたりまえに一緒に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を願い、下記要望事項を提出いたします。
ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1. 普通学級に在籍する障害のある子への教職員の対応について、「差別や人権侵害は許されない」という千葉県教育委員会としての姿勢を明確に示してください。
2. 障害のある子がみんなと一緒に楽しく平等に学校生活を送るためにどの学校でも必要な配慮が行なわれ、教職員が障害のある子を普通学級から排除するような差別人権侵害が行われないようにしてください。
3. 教職員の人権意識を高め、障害のある子への差別人権侵害をなくすためには、当事者が差別人権侵害だと感じる事例を用いた研修を行い、教職員が自らの人権意識を振り返る必要があります。【別紙1】の差別や人権侵害の具体例、当会が作成した「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」、千葉県教育委員会作成の「学校人権教育指導資料集・あなたはどう思いますか?」(第32集から当会作成の「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」から5項目を取り入れていただいております)などを研修等に活用してください。また安心できる学校対応の事例【別紙3】も研修等に活用して、全ての教職員が障害のある子が安心して楽しく過ごせるような対応ができるようにしてください。これまで貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙6】も全教職員に周知し、障害のある子への差別や人権侵害を解消するために活用してください。
4. 教職員が障害を理由に保護者に付き添いを求めることがないようにしてください。医療的ケアが必要な子も保護者の付き添いなくみんなと一緒の学校生活を送れるように教職員の意識や教育環境を整えてください。また、障害や医療的ケアが必要なことを理由に学校行事への参加を拒否するなどの差別人権侵害が行われないようにしてください。
5. 学校へのエレベーター設置の有無は、障害のある子もみんなと同じ教育を受ける権利があるという意識があるかどうかという人権意識の問題です。県内ではエレベーターを必要とする子の在籍(就学予定)校を積極的に把握しようとする市町村教育委員会もあります。小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布し、一層の設置促進を図ってください。
6. 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」第5条(差別的取り扱いを行った場合は懲戒処分の対象になり得ること等)を教職員に周知し、千葉県教育委員会の「懲戒処分の指針」の処分量定にも明記して、教職員による障害のある子への差別人権侵害や合理的配慮の不提供が行われないようにしてください。
(添付)
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
(参考資料)「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
以上
・2017年6月19日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2017年6月19日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務施設課、指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
障害の有無や種類・程度に関わらず
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいていることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、共に学び共に育つことを願い活動を続け、貴職とも話し合いを継続してきました。障害があるなしにかかわらず同じ地域に生まれ育つ友だちと同じ学校に通い、同じ教室で学ぶことはあたりまえのことです。
私たちは、「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われる特別支援教育は拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。特別支援教育という名のもとに障害を理由に普通学級から排除される、これは差別であり人権侵害です。このことは、長年の貴職との話し合いの中で、何度もお伝えし、これまで提出してきた貴職あて要望書にも記載してきました。
貴職とのこれまでの話し合いで、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活について、「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(平成13年度・義務教育課)、「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(平成20年度・指導課)と示していただいています。
ですが、毎年、私たちのもとには普通学級での差別や人権侵害の事例が寄せられており、学校の教職員によって苦しめられている子ども・保護者があとを絶ちません(【別紙1】差別・人権侵害の事例)。学校から親の付き添いを求められる事例も続いています。学校は地域社会と密接に関係しており、同じ地域の子どもたちと同じ学校・教室で学び育つ中で子ども同士のつながりができ、またその関係を通して保護者も地域社会とのつながりができます。ですが、学校側の対応次第では地域で生活できなくなる恐れもあります。学校は子どもたちに差別や人権侵害をしないように教えるところであり、その人権教育は地域社会にも影響します。その学校で、教職員が差別や人権侵害を行うことはあってはならないことです。
教職員による障害児への差別・人権侵害は「障害児は普通学級にいるべきではない、他に行くところ(特別支援学級・学校)があるだろう」という見識のもとで行われています。このような教職員への指導には、差別や人権侵害の視点に立った資料による研修が必要です。千葉県教育委員会ではH13年〜H22年度まで、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」を明記し、また当会が提出した差別・人権侵害の事例が掲載された資料(参考資料:「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)が作成され、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布、他の研修でも活用されていました。(この資料の経緯・作成趣旨は【別紙2】参照)。しかし、H23年度から突然、この資料が作成・配布されなくなってしまいました。その後毎年この資料の復活を要望してきましたが実現していません。
2016年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行され、公立学校においても合理的配慮の提供が義務となりました。障害のある子にとって必要な配慮、安心できる学校対応とは特別なものでも難しいものでもありません。障害を本人の努力によって克服するものとしてとらえるのではなく、障害のある子も同じ学校・学級の児童・生徒の一人として、みんなと一緒に安心して楽しく学校生活を送るためにはどうすればいいのか?という視点で対応していただければいいのです。障害の種類や程度に関係なく、先生方の工夫や配慮により、みんなと一緒に楽しく普通学級で過ごしている子たちもいます(【別紙3】安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例)。
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、あたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子どもがいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめてください。障害の有無や種類・程度に関わらずどの子も安心して楽しく通える普通学級の実現を願い、下記要望事項を提出いたします。
ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1.障害の有無や種類・程度に関わらずどの子も安心して楽しく通える学校(普通学級)を実現してください。
2.【別紙1】にあるように教職員による障害のある子への差別・人権侵害が絶えません。様々な子どもたちが集まる普通学級において、どの子も尊重され自信を持って学校生活が送れるような学級経営が行われるよう、教職員の人権に関する正しい理解と認識を深め、資質の向上を図ってください。
3.学校管理職は学校で障害のある子への差別・人権侵害がおこらないようにする責任があります。あらゆる教育活動・場面において障害のある子が差別・人権侵害をうけることなく、みんなと一緒に安心して楽しい学校生活がおくれるように学校管理職を指導してください。
4.【別紙1】の事例には障害児に対する虐待にあたるものもあります。平成24年10月1日障害者虐待防止法が施行され、学校の長には就学する障害児に対する虐待の防止等の義務が生じました。このことを周知し、研修などを行い、県教委としても虐待の防止に努めてください。
5.障害があることを理由に学校が保護者に付き添いを求めることは、保護者が付き添わなければ学校に行けない・行事に参加できないなど子どもの教育を受ける権利をうばい、また周囲の児童生徒へも障害のある子は親が一緒でないと学校に行けないという間違った認識を与えることになり、重大な人権侵害、障害者差別、学習権の侵害です。実際に保護者等が付き添わないと学校を休まざるを得ない子や、プールに入れない子がいます。(【別紙1】差別人権侵害事例、【別紙4】親の付き添い事例)。あらゆる教育活動・場面において、障害のある子も保護者の付き添いなく安心してたのしく学校生活を送れるようにしてください。
6.学校という組織から一保護者に対して発せられた付き添いを求める言葉はすべて、付き添いの強制・強要であるということを認識し、障害を理由に保護者に付き添いを求める行為は差別・人権侵害であることを周知してください。
また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」の、不当な差別的取扱いの例に、「学校生活において障害を理由に保護者に付き添いを求めること」を明記して下さい。
7.学校が保護者に付き添いを求め、保護者が付き添えない場合に学校を休まざるを得ない子、プールに入れない、授業参加を制限される子が実際にいます。学校の管理運営上の問題として教職員課で、普通学級に在籍する障害のある子の保護者等の付き添いの実態把握調査(校外学習、宿泊学習、プール授業など学校生活すべて)を行ってください。
8. 「親が付き添いを断ったことで、学校から子どもを排除しようとする(した)教職員がいるという事実」に対する県教育委員会としての見解を示してください。教職員によるこのような行為を防止するための方策を具体的に示してください。
9.昨年作成された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」第5条で「障害者に対し不当な差別的取り扱いをし、若しくは、合理的配慮の不提供をした場合、・・・懲戒処分その他の措置に付されることがある」と明記されています。この職員対応要領の教職員・市町村教育委員会への周知を徹底するとともに、千葉県教育委員会の「懲戒処分の指針」を改訂し処分量定(標準例)を明らかにしてください。
10.普通学級に在籍する障害のある子が教職員から差別や人権侵害をうけることなく安心して楽しく学校生活を送るためには、教職員の人権に関する正しい理解と認識を深めることが必要です。また、教職員が自らの言動を定期的に振り返りチェックすることも重要で、そのためには障害のある子への差別や人権侵害の視点に立った資料の活用をし、以下のことを行ってください。
@平成13年〜平成22年まで小・中学校管理運営研修会で配布されていた資料(添付の参考資料:「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)は、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」が明記され、障害児への差別事例、安心事例も掲載されるなど、障害のある子が安心して楽しい学校生活を送るためには重要な資料でした。再度作成し管理運営研修会等で配布し他の研修でも活用して下さい。
A【別紙1】の差別や人権侵害の具体例を用いた研修を行い、人権意識の啓発に努めてください。また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」の不当な差別的取扱いの具体例に【別紙1】の差別事例を追加記載してください。
B千葉県ではこれまで障害の種類・程度に関係なく、必要な配慮を受け様々な工夫により普通学級で安心して楽しい学校生活を送ってきた子たちがいます。ぜひ、安心できる学校対応の事例として【別紙3】を各種研修等で活用して下さい。
C「学校人権教育指導資料集」の「あなたは,どう思いますか?」に、第32集から、当会が作成した「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」の項目を取り入れていただき感謝しています。県内の全教職員に「あなたは,どう思いますか?」を配布し教職員が自らの人権意識を定期的に振り返る資料として活用してください。D当会が作成した「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」も、校内研修や様々な機会で活用してください。
E貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙6】も研修等の資料として活用してください。
11.小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布して、一層の設置促進を図ってください。エレベーターを必要とする子の在籍(就学予定)校を積極的に把握しエレベーター設置を促進する市がある一方、学校生活でエレベーターを必要とする子がいるにも関わらずエレベーターを設置しない市町村があります。学校へのエレベーター設置の有無は、障害のある子も同じ教育を受ける権利があるという意識があるかどうかという人権意識の問題です。学校へのエレベーター設置が進むよう千葉県教育委員会として取り組んでください。
12.医療的ケアを必要とする児童生徒が増えています。昨年6月3日に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」が公布され、同日に児童福祉法第56条の6第2項の規定が施行されました。これに関し関係各省から通知がだされ、学校においても看護師等を確保し医療的ケア児に必要な対応を行うなど体制整備に努めるよう示されています。ですがこの通知以降も、「医療的ケアが必要な子は親の付き添いが必要、親が付き添えないと支援学校しかない」と市町村教育委員会から言われたという事例がありました。このようなことがないように、市町村教育委員会、管理職、教職員への周知を徹底してください。医療的ケアは保護者などが日常的に行っている生活支援行為です。また、教職員等も研修を受け認定特定行為業務従事者の認定を受けることで実施できる行為があります。校外学習や宿泊学習など学校生活すべてにおいて、保護者に負担をかけることなく、医療的ケアが必要な子も安心して楽しく学校に通えるようにしてください。また、学校安全保健課で普通学級に在籍し医療的ケアが必要な子の実態調査(学校生活すべてにおいて、誰が行っているのか等)を行ない、学校生活が制限されたり保護者に負担を求めたりしていないか把握し、状況改善に努めてください。
(添付)
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
(参考資料)「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
以上
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・2016年6月20日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2016年6月20日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務施設課、指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
障害による差別をうけることなく
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、共に学び共に育つことを願い活動を続け、貴職とも話し合いを継続してきました。障害があるなしにかかわらず同じ地域に生まれ育つ友だちと同じ学校に通い、同じ教室で学ぶことはあたりまえのことです。
私たちは、「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われる特別支援教育は拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。特別支援教育という名のもとに障害を理由に普通学級から排除される、これは差別であり人権侵害です。このことは、長年の貴職との話し合いの中で、何度もお伝えし、これまで提出してきた貴職あて要望書にも記載してきました。
貴職とのこれまでの話し合いで、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活について、「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(平成13年度・義務教育課)、「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(平成20年度・指導課)と示していただいています。
ですが、毎年、私たちのもとには普通学級での差別や人権侵害の事例が寄せられており、学校の教職員によって苦しめられている子ども・保護者があとを絶ちません(【別紙1】差別・人権侵害の事例)。学校から親の付き添いを求められる事例も続いています。学校は地域社会と密接に関係しており、同じ地域の子どもたちと同じ学校・教室で学び育つ中で子ども同士のつながりができ、またその関係を通して保護者も地域社会とのつながりができます。ですが、学校側の対応次第では地域で生活できなくなる恐れもあります。学校は子どもたちに差別や人権侵害をしないように教えるところであり、その人権教育は地域社会にも影響します。その学校で、教職員が差別や人権侵害を行うことはあってはならないことです。
教職員による障害児への差別・人権侵害は「障害児は普通学級にいるべきではない、他に行くところ(特別支援学級・学校)があるだろう」という見識のもとで行われています。このような教職員への指導には、差別や人権侵害の視点に立った資料による研修が必要です。千葉県教育委員会ではH13年〜H22年度まで、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」を明記し、また当会が提出した差別・人権侵害の事例が掲載された資料(参考資料:「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)が作成され、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布、他の研修でも活用されていました。(この資料の経緯・作成趣旨は【別紙2】参照)。しかし、H23年度から突然、この資料が作成・配布されなくなってしまいました。その後毎年この資料の復活を要望してきましたが実現していません。
本年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行され、公立学校においても合理的配慮の提供が義務となりました。障害のある子にとって必要な配慮、安心できる学校対応とは特別なものでも難しいものでもありません。障害を本人の努力によって克服するものとしてとらえるのではなく、障害のある子も同じ学校・学級の児童・生徒の一人として、みんなと一緒に安心して楽しく学校生活を送るためにはどうすればいいのか?という視点で対応していただければいいのです。障害の種類や程度に関係なく、先生方の工夫や配慮により、みんなと一緒に楽しく普通学級で過ごしている子たちもいます(【別紙3】安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例)。
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、あたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子どもがいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめてください。障害による差別をうけることなくどの子も安心して楽しく通える普通学級の実現を願い、下記要望事項を提出いたします。
ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1.障害による差別をうけることなくどの子も安心して楽しく通える学校(普通学級)を実現してください。
2.【別紙1】にあるように教職員による障害のある子への差別・人権侵害が絶えません。様々な子どもたちが集まる普通学級において、どの子も尊重され自信を持って学校生活が送れるような学級経営が行われるよう、教職員の人権に関する正しい理解と認識を深め、資質の向上を図ってください。
3.学校管理職は学校で障害のある子への差別・人権侵害がおこらないようにする責任があります。あらゆる教育活動・場面において障害のある子が差別・人権侵害をうけることなく、みんなと一緒に安心して楽しい学校生活がおくれるように学校管理職を指導してください。
4.【別紙1】の事例には障害児に対する虐待にあたるものも多くあります。平成24年10月1日障害者虐待防止法が施行され、学校の長には就学する障害児に対する虐待の防止等の義務が生じました。このことを周知し、研修などを行い、県教委としても虐待の防止に努めてください。
5.障害があることを理由に学校が保護者に付き添いを求めることは、保護者が付き添わなければ学校に行けない・行事に参加できないなど子どもの教育を受ける権利をうばい、また周囲の児童生徒へも障害のある子は親が一緒でないと学校に行けないという間違った認識を与えることになり、重大な人権侵害、障害者差別です。実際に保護者等が付き添わないと学校を休まざるを得ない子や、プールに入れない子がいます。(【別紙1】差別人権侵害事例、【別紙4】親の付き添い事例)。あらゆる教育活動・場面において、障害のある子も保護者の付き添いなく安心してたのしく学校生活を送れるようにしてください。
6.学校という組織から一保護者に対して発せられた付き添いを求める言葉はすべて、付き添いの強制・強要であるということを認識し、親に付き添いを求める行為は人権侵害であることを周知してください。
また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」の、不当な差別的取扱いの例に、「学校生活において障害を理由に保護者に付き添いを求めること」を明記して下さい。
7.学校が保護者に付き添いを求め、保護者が付き添えない場合に学校を休まざるを得ない子、プールに入れない、授業参加を制限される子が実際にいます。学校の管理運営上の問題として教職員課で、普通学級に在籍する障害のある子の保護者等の付き添いの実態把握調査(校外学習、宿泊学習、プール授業など学校生活すべて)を行ってください。
9.千葉県教育委員会「懲戒処分の指針」に侮蔑的な言動により児童生徒に精神的苦痛を負わせた場合は体罰の量定に準じて扱うとあります。【別紙1】のような障害のある子への差別・排除・いじめ・虐待・人権侵害にあたる教職員の言動についても、「懲戒処分の指針」にある「体罰等」に準じて処分・指導の対象となることもあり得ることから、千葉県教育委員会として具体的な事例を示し、教職員の服務監督を行う市町村教育委員会に対して、教職員の服務監督・指導の一助となるよう周知してください。
10.普通学級に在籍する障害のある子が教職員から差別や人権侵害をうけることなく安心して楽しく学校生活を送るためには、教職員の人権に関する正しい理解と認識を深めることが必要です。また、教職員が自らの言動を定期的に振り返りチェックすることも重要で、そのためには障害のある子への差別や人権侵害の視点に立った資料の活用をし、以下のことを行ってください。
@平成13年〜平成22年まで小・中学校管理運営研修会で配布されていた資料(添付の参考資料:「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)は、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」が明記され、障害児への差別事例、安心事例も掲載されるなど、障害のある子が安心して楽しい学校生活を送るためには重要な資料でした。再度作成し管理運営研修会等で配布し他の研修でも活用して下さい。
A【別紙1】の差別や人権侵害の具体例を用いた研修を行い、人権意識の啓発に努めてください。また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」の不当な差別的取扱いの具体例に【別紙1】の差別事例を追加記載してください。
B千葉県ではこれまで障害の種類・程度に関係なく、必要な配慮を受け様々な工夫により普通学級で安心して楽しい学校生活を送ってきた子たちがいます。ぜひ、安心できる学校対応の事例として【別紙3】を各種研修等で活用して下さい。
C「学校人権教育指導資料集」の「あなたは,どう思いますか?」に、第32集から、当会が作成した「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」の項目を取り入れていただき感謝しています。県内の全教職員に「あなたは,どう思いますか?」を配布し教職員が自らの人権意識を定期的に振り返る資料として活用してください。
D当会が作成した「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」も、校内研修や様々な機会で活用してください。
E貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙6】も研修等の資料として活用してください。
11.「障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領」の周知および利用状況を示してください。
12.小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布して、一層の設置促進を図ってください。現在も学校生活でエレベーターを必要とする子がいるにも関わらずエレベーターを設置しない市町村があります。学校へのエレベーター設置の有無は、障害のある子も同じ教育を受ける権利があるという意識があるかどうかという人権意識の問題です。学校へのエレベーター設置が進むよう千葉県教育委員会として取り組んでください。
13.医療的ケアを必要とする児童生徒が増えています。しかし、普通学級に在籍する医療的ケアが必要な子どもに対しては、その対応が学校で保障されず保護者に大変な負担を強いることがあります。医療的ケアは保護者などが日常的に行っている生活支援行為です。校外学習や宿泊学習など学校生活すべてにおいて、保護者に負担をかけることなく、医療的ケアが必要な子も安心して楽しく学校に通えるようにしてください。また、学校安全保健課で普通学級に在籍し医療的ケアが必要な子の実態調査(学校生活すべてにおいて、誰が行っているのか等)を継続して行ってください。
(添付)
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
(資料) 「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
以上
・2015年6月18日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2015年6月18日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務施設課、指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいていることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、共に学び共に育つことを願い活動を続け、貴職とも話し合いを継続してきました。障害があるなしにかかわらず同じ地域に生まれ育つ友だちと同じ学校に通い、同じ教室で学ぶことはあたりまえのことです。
私たちは、「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われる特別支援教育は拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。特別支援教育という名のもとに障害を理由に普通学級から排除される、これは差別であり人権侵害です。このことは、長年の貴職との話し合いの中で、何度もお伝えし、これまで提出してきた貴職あて要望書にも記載してきました。
貴職とのこれまでの話し合いで、平成13年度には普通学級に就学(在籍)する障害のある子への対応について、「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(義務教育課)という県の基本的な考えを明示していただいていますし、また、平成20年度には、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活における人権の基準として「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(指導課)と示していただいています。
ですが、毎年、私たちのもとには普通学級での差別や人権侵害の例が寄せられており、学校の教職員によって苦しめられている子ども・保護者があとを絶ちません【別紙1】。学校から親の付き添いを求められる例も続いています。学校は地域社会と密接に関係しており、同じ地域の子どもたちと同じ学校・教室で学び育つ中で子ども同士のつながりができ、またその関係を通して保護者も地域社会とのつながりができます。ですが、学校側の対応次第では地域で生活できなくなる恐れもあります。学校は子どもたちに差別や人権侵害をしないように教えるところであり、その人権教育は地域社会にも影響します。その学校で、教職員が差別や人権侵害を行うことはあってはならないことです。
教職員による障害児への差別・人権侵害は「障害児は普通学級にいるべきではない、他に行くところ(特別支援学級・学校)があるだろう」という見識のもとで行われています。このような教職員への指導には、差別や人権侵害の視点に立った資料による研修が必要です。千葉県教育委員会ではH13年〜H22年度まで、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」を明記し、また当会が提出した差別・人権侵害の事例が掲載された資料(参考資料:「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)が作成され、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布され、他の研修でも活用されていました。(この資料の経緯・作成趣旨は【別紙2】参照)。しかし、H23年度から突然、この資料が作成・配布されなくなってしまいました。現在でも教職員による障害児への差別・人権侵害が続いています。H22年度以前のように差別や人権侵害の視点に立った資料を作成し、全教職員の人権意識を高めてください。安心できる対応とは特別なものでも難しいものでもありません、障害のある子として特別視することなく同じ学校・学級の児童・生徒の一人として接していただければいいのです。参考として【別紙3】に「安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例」を添付します。
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、あたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子どもがいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめてください。障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える普通学級の実現を願い、下記要望事項を提出いたします。ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1.障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える学校(普通学級)を実現してください。
2.【別紙1】のような教職員による障害児への差別・人権侵害をなくすために下記のことを行って下さい。
(1)学校でのあらゆる教育活動・場面において教職員が児童生徒に対し差別や人権侵害をすることなく、障害のある子もない子も一緒に安心して楽しい学校生活がおくれるように学校管理職を指導してください。]
(2)様々な子どもたちが集まる普通学級において、どの子も尊重され自信を持って学校生活がおくれるような学級経営が行われるよう、教職員の人権に関する正しい理解と認識を深め、資質の向上を図ってください。
(3)添付の参考資料:「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」を再度作成し、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布してください。また、この資料をあらゆる研修の機会に活用して、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」を周知し、障害児への差別や人権侵害が行われることのないようにしてください。
(4)【別紙1】の差別や人権侵害の具体例を用いた研修を行い、人権意識の啓発に努めてください。また、貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙4】も研修等の資料として活用してください。
(5)「学校人権教育指導資料集」の「あなたは,どう思いますか?」に、第32集から、当会が作成した「人権意識啓発チェックシート【別紙5】」の項目を取り入れていただき感謝しています。この資料の活用を進めてください。併せて【別紙5】も、校内研修や様々な機会で、教職員が自らの人権意識を振り返る資料として活用してください。
(6)【別紙1】の事例には障害児に対する虐待にあたるものも多くあります。平成24年10月1日障害者虐待防止法が施行され、学校の長には就学する障害者に対する虐待の防止等の義務が生じました。このことを周知し、研修などを行い、県教委としても虐待の防止に努めてください。
(7)子どもへの差別、排除、いじめ、虐待など、人権侵害にあたると思われるような教職員の行為については、「懲戒処分の指針」にある「体罰等」に準じて処分・指導の対象となることもあり得ることから、千葉県教育委員会として具体的な事例を示し、教職員の服務監督を行う市町村教育委員会に対して、教職員の服務監督・指導の一助となるよう周知してください。
3.障害があることを理由に学校が親に付き添いを求めることは重大な人権侵害であり、障害者差別です。学校が親に付き添いを求めることがないよう下記のことを行い、親の付き添いなく安心して学校に通えるようにしてください。(親の付き添い事例【別紙6】)
(1) 学校という組織から一保護者に対して発せられた付き添いを求める言葉はすべて、付き添いの強制・強要であるということを認識し、親に付き添いを求める行為は人権侵害であることを周知してください。
(2) 親が付き添わなければ学校に行けない、行事に参加できないなどということは、子どもの教育を受ける権利をうばうという重大な人権侵害です。実際に学校を休まざるを得ない子や、プールに入れない子がいます。学校の管理運営上の問題として教職員課で普通学級における親の付き添いの実態把握調査を行ってください。
(3) 「親が付き添いを断ったことで、学校から子どもを排除しようとする(した)教職員がいるという事実」を千葉県教育委員会はどのように考えているのでしょうか?教職員がこのような行為をしないようにしてください。
4.小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布して、一層の設置促進を図ってください。現在も学校生活でエレベーターを必要とする子がいるにも関わらずエレベーターを設置しない市町村があります。学校へのエレベーター設置の有無は、障害のある子も同じ教育を受ける権利があるという意識があるかどうかという人権意識の問題です。学校へのエレベーター設置が進むよう千葉県教育委員会として取り組んでください。
5.医療的ケアを必要とする児童生徒が増えています。しかし、普通学級に在籍する医療的ケアが必要な子どもに対しては、その対応が学校で保障されず保護者に大変な負担を強いることがあります。医療的ケアは保護者などが日常的に行っている生活支援行為です。保護者に負担をかけることなく医療的ケアが必要な子も安心して学校に通えるようにしてください。また、学校安全保健課で普通学級に在籍し医療的ケアが必要な子の実態調査(誰が行っているのか等)を行ってください。
(添付)
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
(参考資料)
「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
以上
・2014年6月19日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2014年6月19日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務施設課、指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいていることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、共に学び共に育つことを願い活動を続け、貴職とも話し合いを継続してきました。障害があるなしにかかわらず同じ地域に生まれ育つ友だちと同じ学校に通い、同じ教室で学ぶことはあたりまえのことです。
私たちは、「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われる特別支援教育は拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。特別支援教育という名のもとに障害を理由に普通学級から排除される、これは差別であり人権侵害です。このことは、長年の貴職との話し合いの中で、何度もお伝えし、これまで提出してきた貴職あて要望書にも記載してきました。
貴職とのこれまでの話し合いで、平成13年度には普通学級に就学(在籍)する障害のある子への対応について、「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(義務教育課)という県の基本的な考えを明示していただいていますし、また、平成20年度には、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活における人権の基準として「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(指導課)と示していただいています。
ですが、毎年、私たちのもとには普通学級での差別や人権侵害の例が寄せられており、学校の教職員によって苦しめられている子ども・家族があとを絶ちません【別紙1】。学校は地域社会と密接に関係しており、同じ地域の子どもたちと同じ学校・教室で学び育つ中で子ども同士のつながりができ、またその関係を通して親にも地域社会とのつながりができます。ですが、学校側の対応次第では地域で生活できなくなる恐れもあります。学校は子どもたちに差別や人権侵害をしないように教えるところであり、その人権教育は地域社会にも影響します。その学校で、教職員が差別や人権侵害をおこなっているというのはどういうことでしょうか?
教職員による障害児への差別・人権侵害は「障害児は普通学級にいるべきではない、他に行くところ(特別支援学級・学校)があるだろう」という見識のもとで行われています。このような教職員への指導には、差別や人権侵害の視点に立った資料による研修が必要です。長年の貴職との話し合いによりH13年〜H22年度までは当会が提出した差別・人権侵害の事例と県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」を明記した資料(参考資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)が作成され、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布され、他の研修でも活用されていました。(この資料の経緯・作成趣旨は【別紙2】参照)。しかし、H23年度に突然、この資料が作成・配布されなくなってしまいました。教職員による障害児への差別・人権侵害をなくすために、H22年度以前のように差別や人権侵害の視点に立った資料による研修を行ってください。「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」という県の基本姿勢が全ての学校・教職員に行き渡り、教育・対応をしていただけることを望みます。安心できる対応とは特別なものでも難しいものでもありません、参考として【別紙3】に「安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例」を添付させて頂きました。
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、あたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子がいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめてください。障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える普通学級の実現を願い、下記要望事項を提出いたします。ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1.障害のある子もない子も一緒に安心して楽しく通える学校(普通学級)を実現してください。
2.【別紙1】のような教職員による障害児への差別・人権侵害がおこらないようにするために下記のことを行って下さい。
(1)学校でのあらゆる教育活動・場面において教職員が児童生徒に対し差別や人権侵害をすることなく、どの子も安心して楽しい学校生活がおくれるように学校管理職を指導してください。
(2)様々な子どもたちが集まる学級において、どの子も尊重され自信を持って学校生活がおくれるような学級経営が行われるよう、教職員の人権に関する正しい理解と認識を深め、資質の向上を図ってください。
(3)添付の参考資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」を再度作成し、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布してください。また、この資料をあらゆる研修の機会に活用して、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」を周知し、障害児への差別や人権侵害がおこらないようにしてください。
(4)【別紙1】の差別や人権侵害の具体例を用いた研修を行い、人権意識の啓発に努めてください。また、貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙4】も研修等の資料として活用してください。
(5)「学校人権教育指導資料集・第32集」に、当会が作成した【別紙5】人権意識啓発チェックシートの項目を取り入れていただき感謝いたします。改訂された「あなたは,どう思いますか?」の活用を進めてください。併せて【別紙5】も、校内研修や様々な機会で、教職員が自らの人権意識を振り返る資料として活用してください。
(6)【別紙1】の事例には障害児に対する虐待にあたるものも多くあります。平成24年10月1日障害者虐待防止法が施行され、学校の長には就学する障害者に対する虐待の防止等の義務が生じました。このことを周知し、研修などを行い、県教委としても虐待の防止に努めてください。
(7)子どもへの差別、排除、いじめ、虐待など、人権侵害にあたると思われるような教職員の行為については、「懲戒処分の指針」にある「体罰等」に準じて処分・指導の対象となり得る行為です。県教育委員会教育長は公立小中学校の教職員の任命権者として、そのような行為がないように努めるべきであり、教職員の服務監督を行う市町村教育委員会に対して、事例を示し、教職員の服務監督・指導の一助となるよう周知してください。
3.障害があることを理由に学校生活において親が付き添いを求められることがないよう(事例【別紙6】)下記のことを行ってください。
(1) 障害があることを理由に親が付き添いを求められることは重大な人権侵害であり、障害者差別です。学校においてこのような人権侵害・差別が行われることがないよう指導課人権教育室としての具体的な取り組みを示してください。
(2) 障害があることを理由に、親が付き添わなければ学校に行けない、行事に参加できないなどということは、子どもの教育を受ける権利に関する重大な問題であり、学校の管理運営上の問題です。普通学級における親の付き添いの実態把握調査を教職員課の責任において行ってください。
(3) 親が付き添わなければ授業を受けさせない、行事に参加させないと子どもを学校から排除するのは人権侵害です。「親が付き添いを断ったことで、学校から子どもを排除しようとする(した)教職員がいるという事実」を教職員課ではどのように思っているのかを明らかにし、教職員課としてどのように指導していくのかを具体的に示してください。
4.小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布して、一層の設置促進を図ってください。
5.学校は子どもたちの命を守り安全な環境でなければなりません。ですが普通学級に在籍する医療的ケアが必要な子どもに対しては、その対応が学校で保障されず家族に大変な負担を強いることがあります。どの子も安心して学校に通えるよう、学校における子どもの安全確保のため学校安全保健課で普通学級に在籍し医療的ケアが必要な子の実態調査(誰が行っているのか等)を行ってください。
(添付)
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
(参考資料)
「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
以上
・2013年6月19日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2013年6月19日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務施設課、指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
障害のある子もない子も共に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力いただいていることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、共に学び共に育つことを願い活動を続け、貴職とも話し合いを継続してきました。障害があるなしにかかわらず同じ地域に生まれ育つ友だちと同じ学校に通い、同じ教室で学ぶことはあたりまえのことです。
私たちは、「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われる特別支援教育は拒否します。障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心につくられてきた社会の方こそ調整し変わることで解消していくものです。特別支援教育という名のもとに障害を理由に普通学級から排除される、これは差別であり人権侵害です。このことは、長年の貴職との話し合いの中で、何度もお伝えし、これまで提出してきた貴職あて要望書にも記載してきました。
貴職とのこれまでの話し合いを通し、平成13年度には普通学級に就学(在籍)する障害のある子への対応について、「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(義務教育課)という県の基本的な考えを明示していただいていますし、また、平成20年度には、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活における人権の基準として「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく、安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(指導課)と示していただいています。
ですが、毎年、私たちのもとには普通学級での差別や人権侵害の例が寄せられます【別紙1】。学校の教職員によって苦しめられている子ども・家族があとを絶ちません。なぜこのような事例が続くのでしょうか?[千葉県人権施策基本指針 第2部人権施策の推進 第1節あらゆる場における人権教育・啓発の推進 2:学校] には 「生命の大切さや他人への思いやり、お互いの人格を尊重し個性を認めあう心、正義感や公平さを重んじる心など豊かな人間性を培う」と記載されています。子どもたちに差別や人権侵害をしないように、教える現場(学校・教室)で、教職員が差別や人権侵害をおこなっているというのはどういうことでしょうか?また、一方では普通学級で学ぶ障害児の中にも、先生方や友だちとたのしい学校生活を過ごしている子もたくさんいます。同じ県内でどうしてこのような差がでるのでしょうか?
教職員による差別・人権侵害は「障害児は普通学級にいるべきではない、他に行くところ(特別支援学級・学校)があるだろう」という見識のもとで行われています。このような教職員への指導には、差別や人権侵害の視点に立った資料による研修が必要と考えます。長年の貴職との話し合いによりH13年〜H22年までは当会が提出した差別・人権侵害の事例と県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」を明記した資料(参考資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)が作成され、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布され、他の研修でも活用されていました。(この資料の経緯・作成趣旨は【別紙2】参照)。しかし、H23年には突然まったく別の資料、差別や人権侵害の視点がまったくない資料になっていました。昨年度の要望書でH22年度以前の資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」の復活を要望しましたが実現されませんでした。教職員による障害児への差別・人権侵害をなくすために、H22年度以前のように差別や人権侵害の視点に立った資料による研修を行い、「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」という県の基本姿勢が全ての学校・教職員に行き渡り、教育・対応をしていただけることを望みます。参考として【別紙3】に「安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例」を添付させて頂きました。
特別支援教育を断り、また特別支援教育が必要とみられることも拒否し、あたりまえにみんなと一緒に学び育ちたいと願い普通学級に在籍する子がいます。同じ学校・学級の大切な子どもの一人として受けとめてください。障害のある子もない子も共に学び安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を願い、下記要望事項を提出いたします。ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1.障害のある子もない子も共に学び安心して楽しく通える学校(普通学級)を実現してください。
2.【別紙1】のような教職員による障害児への差別・人権侵害がおこらないようにするために下記のことを行って下さい。
(1)学校でのあらゆる教育活動・場面において教職員が児童生徒に対し差別や人権侵害をすることなく、どの子も安心して楽しい学校生活がおくれるように学校管理職を指導してください。
(2)様々な子どもたちが集まる学級において、どの子も尊重され自信を持って学校生活がおくれるような学級経営が行われるよう、教職員の人権に関する正しい理解と認識を深め、資質の向上を図ってください。
(3)参考資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」のような、障害児への差別や人権侵害の視点があり、県の基本姿勢「通常の学級に在籍する障害児への対応について、障害の種類や程度にかかわらず、どの子も安心して楽しい学校生活が送れるようにしなければならない」
を明記した資料を作成し、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布してください。また、この資料をあらゆる研修の機会に活用し前記の県の基本姿勢を周知してください。
(4)【別紙1】の差別や人権侵害の具体例を用いた研修を行い、人権意識の啓発に努めてください。また、貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙4】も研修等の資料として活用してください。
(5)H23年度「学校人権教育指導資料集」の編集に際し、当会が作成した【別紙5】人権意識啓発チェックシートの項目を取り入れていただき感謝いたします。改訂された「あなたは,どう思いますか?」の活用を進めてください。併せて【別紙5】も、校内研修や様々な機会で、教職員が自らの人権意識を振り返る資料として活用してください。
(6)【別紙1】の事例には障害児に対する虐待にあたるものも多くあります。平成24年10月1日障害者虐待防止法が施行され、学校の長には就学する障害者に対する虐待の防止等の義務が生じましたが、このことを周知し、研修などを行い、県教委としても虐待の防止に努めてください。
(7)子どもへの差別、排除、いじめ、虐待など、人権侵害にあたると思われるような教職員の行為については、「懲戒処分の指針」にある「体罰等」に準じて処分・指導の対象となり得る行為です。県教育委員会教育長は公立小中学校の教職員の任命権者として、そのような行為がないように努めるべきであり、教職員の服務監督を行う市町村教育委員会に対して、事例を示し、教職員の服務監督・指導の一助となるよう周知してください。
また、虐待については、障害者虐待防止法が施行され学校の長に虐待を防止するための義務が生じましたが、実際に虐待が起きた場合の校長の責任や教職員の処分等について県教委の考えを教えて下さい。
3.学校生活において、障害があることを理由に親が付き添いを求められることは重大な人権侵害であり障害者差別です。親が付き添わなければ学校に行けない、行事に参加できないなどということはあってはならないことです(【別紙6】参照)。学校から親の付き添いを求められることなく、学校が学校に通えない子をつくりだすことのないようにして下さい。
また、学校の管理運営上の問題として、普通学級における親の付き添いの実態把握・調査をしてください。
4.小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布して、一層の設置促進を図ってください。
5.普通学級に在籍し医療的ケアを受ける子どもに対し、その対応が学校で保障されず家族が大変な負担を強いられることがあります。どの子も学校で安心して学べるように、学校は子どもたちの命を守り安全な環境でなければなりません。
学校安全保健課として、県内の普通学級に在籍し医療的ケアを受ける子の調査を継続的に行い、誰が医療的ケアを行っているのかといった実態も把握しておくべきではないでしょうか?ぜひ、実態調査を行い学校安全保健課で医ケアの実態を把握してください。
(添付)
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
(参考資料)
「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
以上
・2012年6月15日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2012年6月15日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務施設課、指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
どの子も安心して楽しく過ごせる普通学級の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より、千葉県の学校教育の充実に向けてご尽力されていることに敬意を表します。
私ども「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」は1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てられることなく、同じ地域の学校に通い、共に学び共に育つことを願い活動を続け、貴職とも話し合いを継続してきました。同じ地域に生まれ育つお友だちと同じ学校に通い、同じ教室で学び一緒に遊びたいと望むことは、普通のことであり、あたりまえのことだと考えます。
しかし、同じ地域にすんでいても、特別支援教育の名のもとに分けられ、普通学級から排除されることが続いています。そして、断っても断っても特別支援教育を強いられています。これは差別であり人権侵害です。特別支援教育は、「生活や学習上の困難を改善又は克服するため」に行われていますが、私たちは障害による困難を克服すべきものとは考えていません。このような教育目標をもとに行われている特別支援教育は受けたくありません。拒否します。このことは、長年の貴職との話し合いの中で、何度もお伝えし、これまで提出してきた貴職あて要望書にも記載してきました。子どもたちが障害を理由に分けられることなく、みんなが同じ学校・教室で学び、そして、障害もそれぞれの特性の一つとして認め合い、互いの個性を尊重しながら育って欲しいと願います。
昨年度「公立小・中学校管理運営研修会」で配布された資料が、H22年度以前の資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」から「発達障害を含む障害のある児童生徒についての配慮事項」へと大きく変更されました。この資料は、当会と貴職との話し合いで平成13年度から作成されていますが、普通学級での障害児への差別や人権侵害をなくすためにと当会が提出した差別・人権侵害事例を資料の事例に掲載されたという経緯があります。ですが、昨年度の資料は、これまでの経緯や作成された趣旨も反故にされ、差別や人権侵害の視点がまったくない、別物になっていました。このことに対し、たいへん遺憾に思うとともに、ぜひ、以前のものに戻していただきたく強く要望いたします。(これまでの経緯・作成趣旨は【別紙1】参照)
また、【別紙2】として添付させていただいた資料は、昨年度私たちのところに寄せられた普通学級での差別や人権侵害の例です。毎年、要望書で差別や人権侵害がないよう改善を求めているにもかかわらず、なぜ、このような例が続くのでしょうか?子どもたちに差別や人権侵害をしないように、教える現場(学校・教室)で、教職員が差別や人権侵害をおこなっているというのはどういうことでしょうか?児童生徒には、人権教育として、「生命の大切さや他人への思いやり、お互いの人格を尊重し個性を認めあう心、正義感や公平さを重んじる心など豊かな人間性を培う」(千葉県人権施策基本指針 第2部人権施策の推進 第1節あらゆる場における人権教育・啓発の推進 2:学校より抜粋)ことを教えている学校において、教職員が差別や人権侵害をおこなっているということはたいへんな問題です。
貴職とのこれまでの話し合いを通し、平成13年度には「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(義務教育課)という県の基本的な考えを明示していただいていますし、また、平成20年度には、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活における人権の基準として「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく、安心して楽しい学校生活がおくれることが基本」(指導課)と示していただいています。
【別紙2】にあるような差別や人権侵害が起こることのないよう、障害があるなしに関わらず、どの子も安心して楽しく学校に通えるべきであるという県の基本姿勢が全ての学校・教職員に行き渡り、教育・対応をしていただけることを望みます。参考として【別紙3】に「安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例」を添付させて頂きました。
障害があっても、分けられ差別されることなくありのままで認められ、普通に地域のお友だちと同じ学校・学級で学び、必要な配慮を受けながら、安心して楽しく学校に通えるよう、下記要望事項を提出いたします。ぜひ、貴職のさらなるご尽力をもって実現されますようお願い申し上げます。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し8月31日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1.どの子も(障害があるなしに関わらず)安心して楽しく通える学校(普通学級)を実現してください。
2.昨年度、「公立小・中学校管理運営研修会」で配布された資料「発達障害を含む障害のある児童生徒についての配慮事項」を、H22年度以前の資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」に戻してください。この資料は、当会と貴職との話し合いで平成13年度から教職員課で作成され、普通学級での障害児への差別や人権侵害をなくすためにと当会が提出した差別や人権侵害の事例が掲載されたという経緯があります。その経緯と作成趣旨を反故にされたことは心外です。
<学校経営・学級経営について>
3.学校経営においては、学校でのあらゆる教育活動・場面において教職員が児童生徒に対し差別や人権侵害をすることなく、どの子も安心して楽しい学校生活がおくれるように学校管理職を指導してください。
4.様々な個性(障害も含めて)をもつ子どもたちが集まる学級において、どの子も尊重され自信を持って学校生活がおくれるような学級経営が行われるよう、教職員を指導していただくとともに、教職員の指導力・資質の向上を図ってください。
<教職員の研修など>
5.千葉県人権施策基本指針の基本理念には「県民一人ひとりが人間として尊重され、いきいきと暮らせる社会の創造」とあります。また、この人権施策の推進に関して、「あらゆる場における人権教育・啓発の推進」とあり、「学校」においては「教職員の人権に関する正しい理解と認識を深めるなど、指導力と資質向上を図るための計画的な研修の推進を実施」とあります。にもかかわらず、毎年【別紙2】のように差別や人権侵害の例があるということは、研修が不十分ということです。
教職員の研修においては、【別紙2】の差別や人権侵害の具体例を用いた研修を行い、人権意識の啓発に努めてください。また、貴職と当会との間で確認してきたこと【別紙4】も研修等の資料として活用してください。
6.昨年度、「学校人権教育指導資料集」の編集に際し、当会が作成した【別紙5】人権意識啓発チェックシートの項目を取り入れていただき感謝いたします。改訂された「あなたは,どう思いますか?」の活用を進めてください。併せて【別紙5】も、校内研修や様々な機会で、教職員が自らの人権意識を振り返る資料として活用してください。
<教職員による差別や虐待や人権侵害への対応>
7.教職員による障害のある子への差別的な対応は、人権侵害であり、親子の心を傷つけ、時に教育を受ける権利を奪い、周囲の子どもたちにも差別意識を植え付け、学校のみならず地域にも安心して暮らすことができなくなるという深刻な状況を引き起こす例もあるにもかかわらず、体罰やセクハラ等のように教職員の非違行為としては定められていません。
子どもへの差別、排除、いじめ、虐待など、人権侵害にあたると思われるような教職員の行為については、「懲戒処分の指針」にある「体罰等」に準じて処分・指導の対象となり得ることから、市町村教育委員会に対しても、例を示し、教職員の服務監督・指導の一助となるよう周知してください。
8.学校生活において親の付き添いを条件にすることは、親が付き添わなければ学校に行けないということになります。学校は子どもを教育する場でありながら、子どもの教育を受ける権利を奪い、学校に通えない子どもを学校が作り出すことになります。(【別紙6】参照)。障害を理由に親が付き添いを求められることがないようにしてください。
また、学校の管理運営上の問題として、親の付き添いの実態把握・調査をしてください。
<学校施設の安全・安心>
9.小中学校へのエレベーターの設置について、例年通り設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配布して、一層の設置促進を図ってください。
<学校保健上の安全・安心>
10.普通学級に在籍し医療的ケアを受ける子どもに対し、その対応が学校で保障されず家族が大変な負担を強いられることがあります。どの子も学校で安心して学べるように、学校は子どもたちの命を守り安全な環境でなければなりません。
昨年度の要望書で、「児童生徒の健康管理・学校保健の問題として、普通学級に在籍する医療的ケアの必要な子の現状と対応について実態調査をしてください」とお願いしたところ、学校安全保健課から、「養護教諭会を通し、聞き取り的に調査する」と言っていただきました。ぜひ、その結果を教えてください。
(添付)
別紙1 公立小・中学校管理運営研修会の資料に係る経緯等について
別紙2 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙3 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)等の対応の例
別紙4 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきたこと
別紙5 人権意識啓発チェックシート
別紙6 小・中学校普通学級における障害のある子への親の付き添い事例から
(参考資料)
資料1「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」(平成20年度)
資料2「発達障害を含む障害のある児童生徒についての配慮事項」(平成23年度)
以上
・2011年6月7日付け要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2011年6月7日に千葉県教育委員会教育長宛(担当:財務施設課、指導課、教職員課、学校安全保健課)に提出した要望書の内容を掲載します。
特別支援教育を断った子どもたちも安心して通える普通学級の実現を求める要望書
日頃から千葉県の学校教育の充実に御尽力されていることに敬意を表します。
私たちは1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てなく地域の学校で共に学び育つことを願い活動しています。何ができてもできなくても当たり前にみんなの中にいたい。排除されず、みんなと同じ教室で、同じ時間同じ内容を一緒に学び、一緒に楽しい学校生活を送りたい。これは人としての基本的な人権に基づく願いであり、その実現のため貴職との話し合いを続けてきたところです。
この願いの対極にあるのが特別支援教育です。特別支援教育は、障害があることを理由に、障害のある子どもを普通教育から排除し、統合された環境を奪い、障害克服のため教育目標を設定して他の人と違う扱いをし続けています。
私たちはこのような差別には耐えられず、特別支援教育の目で子どもを見られることも扱われることも拒み、特別支援教育を断って普通教育の中にいるのです。
断っても断っても障害があるというだけで特別支援教育を強要されることは人権の侵害に他ならず、特別支援教育があることにより私たちはずっと怖い思いをさせられ苦しめられてきました。みんながいる普通学級から取り出され追い出され、普通学級にいてもみんなと違う扱いをされ、あるいはいつ自分の身にそのようなことが起こるかもしれない、そんな不安を抱えながら必死の思いで毎日を暮らしている親子がいるのです。
【別紙1】は、昨年度私たちのところに寄せられた普通学級での差別や人権侵害の例です。
子どもを育む学校で、なぜこのような差別や人権侵害が起こるのだろうかという強い憤りを感じるとともに、このような苦しみを経験する親子がいなくなるようにして欲しいと強く願わずにはいられません。
一方で、障害の種類や程度に関わらず安心して楽しい学校生活を送っている子どもたちもいることから、その違いは何なのか、「安心」とは何なのかを考えるため、安心できると感じられた学校(先生)の対応の例を集め【別紙2】に掲載しました。
安心の事例を読むと、先生方の心が感じられるとともにあまりにも普通で当たり前の対応のようにも思えます。言い換えれば、そんな当たり前の対応さえしていただけず、学校生活の土台となる安心を脅かされている現実があるということなのだと思います。
貴職との20年に渡る話し合いをとおして、県教委は、特別支援教育を断って多くの障害のある子どもたちがその意思を尊重されて普通学級に通っている事実を認め、平成13年度には「一番重要なことは、入学するまでの経緯はさておき、一旦入学した児童生徒は、その学校の児童生徒であり、障害のあるなしに関わらず、どの児童生徒も安心して楽しく学校に通えるべきである」(義務教育課)ということを県の基本的な考えとして明示しました。
平成20年度には、普通学級に在籍する障害のある子の学校生活における人権の基準として、「障害のあるなしにかかわらず全ての児童生徒は、いじめや差別を受けることなく、安心して楽しい学校生活が送れることが基本」(指導課)と示していただいています。
このように、制度がどうであれ目の前にいる子どもを「障害」にとらわれることなくみんなと同じ大切な「その学校の一人の児童生徒」として受け止め、安心して楽しい学校生活を保障するという県教委の良識ある考え方が、学校現場までしっかりと行き渡ることを望みます。
様々な子どもたちが暮らし、学ぶ教室(学校)はとても楽しく、生き生きとした豊かな経験に満ちています。義務教育としての一時期、その地域にたまたま住んでいるということで同じ学校に通い、共に過ごし、お互いの違いを認めながら同じ価値を持つ対等な仲間として育ち合うことは、どの子にとっても一生の宝物であり、その経験は誰もがありのままにその人らしく暮らすことが出来る豊かな社会へとつながっていくことを確信しています。
特別支援教育を断った子どもたちも安心して通える学校(普通学級)の実現を切に願い、下記のとおり要望します。
お忙しい中恐縮ですが、8月31日までに書面にて御回答いただけますようお願いいたします。
記
【要望事項】
1.
特別支援教育を断った子どもたちも安心して通える学校(普通学級)を実現してください。
<学校経営・学級経営について>
2.
学校経営においては、生徒指導や教科学習や特別活動などあらゆる機会で教職員による児童生徒への差別や人権侵害をなくし、どの子も安心して生活できるような学校経営を行うよう、学校管理職を指導してください。
3.
様々な子どもたちが集まる普通学級で、どの子も認められ安心して自信を持って生活できるような学級経営が行なわれるよう、教職員を指導していただくとともに、教職員の資質の向上を図ってください。
<教職員の研修等>
4.
千葉県人権施策基本指針において、「あらゆる場における人権教育・啓発の推進」が掲げられていますが、「学校」における「教職員の人権に関する正しい理解と認識」は、別紙1を見ても明らかなとおり、今なお不十分です。
教職員の研修においては、別紙に掲げる差別の事例など具体的な例を用いた研修を行い、人権意識の啓発に努めてください。
5.
教職員が自らの人権感覚を振り返り教職員同士で考え合うことができる資料として、【別紙3】人権意識啓発チェックシートの@及びAを、「千葉県学校人権教育指導資料」に掲載し、校内研修や様々な機会で教職員が活用できるようにしてください。
<教職員による差別や虐待や人権侵害への対応>
6.
教職員による障害のある子への差別的な対応は、親子の人権を傷つけ、安心と自信を奪い、時に教育を受ける権利も奪い、周囲の子どもたちにも差別を植え付け、学校のみならず地域にも安心していられなくなるなどの深刻な状況を引き起こす例もあるにもかかわらず、体罰やセクハラ等のように教職員の非違行為としては定められていません。
子どもへの差別、排除、いじめ、虐待など、人権侵害にあたると思われるような教職員の行為については、「懲戒処分の指針」にある「体罰等」に準じて処分・指導の対象となることもあり得ることから、市町村教育委員会に対しこのような例を示し、市町村教育委員会による教職員の服務監督・指導等の一助となるよう周知してください。
7.
障害のある子に限らず、学校生活において親の付き添いを条件とすることは、親が付き添わなければ学校に行けないということになります。その学校に在籍しているにもかかわらず、学校が教育を放棄し、学校に通えない子どもを学校が作り出す事態となるわけですから、学校の管理運営上の問題として親の付き添いの実態把握・調査をしてください。
また、「公立小・中学校管理運営研修会」の配付資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」に、親の付き添いの事例を掲載してください。掲載事例を、【別紙4】のとおり提案しますのでご検討ください。
<学校施設の安全・安心>
8.
小・中学校へのエレベータ設置について、毎年県が独自に行っている設置状況調査を今年度も実施し、その結果を市町村教育委員会に配付して、一層の設置促進を図ってください。
<学校保健上の安全・安心>
9.
近年、普通学級に在籍し医療的ケアを受ける子どもたちが増えてきており、市町村によっては独自の対応をしているところもあります。学校が子どもにとって命が守られる安全な環境でなければ、子どもたちは安心して学ぶことはできません。児童生徒の健康管理、学校保健上の問題として、普通学級に在籍する医療的ケアの必要な子の現状と対応について実態調査をしてください。
※添付資料
別紙1 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
別紙2 小・中学校普通学級で安心できると感じられた学校(先生)の対応の例
別紙3 人権意識啓発チェックシート
別紙4 親の付き添い事例
別紙5 千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきた事
以上
・2010年度要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2010年6月11日に千葉県教育委員会教育長宛に提出した、2010年度要望書の内容を掲載します。
特別支援教育を断り普通教育を望む障害のある子が、普通学級で安心して楽しい学校生活が送れることを求める要望書
日頃から、地域の普通学級に在籍する障害のある子の学校生活につきまして、御指導及び御尽力をいただきお礼申し上げます。
私たちは1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てなく地域の学校で共に学び育つことを願い活動しています。この19年の間、「みんなと一緒に普通学級へ」という願いは途絶えることなく続いてきました。何ができてもできなくてもあたり前にみんなの中にいたい。みんなと一緒に学び、暮らしたい。これは人としての基本的な人権に基づく願いであり、その実現のため長年に渡り貴職との話し合いを継続してきたところです。
この願いの対極にあるのが特別支援教育です。特別支援教育は、障害があることを理由に、障害のある子どもを普通教育から排除し、統合された環境を奪い、障害克服のため教育目標を設定して他の人と違う扱いをし続けています。これらのことは、差別として禁止されるべきものです。特別支援教育を推進することは、子どもをよりいっそう分け続けて分離・隔離という差別を拡大することであり、「障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育」として障害による困難の克服を障害者自身に押し付け、苦しめ続けるものです。希望しないのに授業中一人だけ別な場所で訓練を強要される、特別支援教育を受け入れるなら親の付き添いなしで授業に参加させてやると学校から理不尽な脅迫まがいのことを言われ、それでもやはり特別支援教育や付き添いを断ったところ授業に参加させてもらえず学校により教育を受ける権利を奪われるなど、特別支援教育が存在することにより、これまで数え切れないほどの親子が、義務教育の現場で悲痛な思いや悔しい思いをし、迷惑をこうむってきただけでなく、普通学級から排除されることは、地域から排除されることにつながる一生の問題であるにもかかわらず、そのことも無視され続けてきました。
教職員が障害のある子どもの出来ない事ばかりを言い連ね、叱り、指導するのではなく、分け隔てなく一人の子どもとして、子どもの気持ちや努力を理解し評価して下さる事で、子ども同士が共に育ち合い、その関係が保護者にも伝わり、誰もが住みやすい地域が出来上がっていきます。これは、普通学級でみんな一緒に育ってこそ実現するものです。学校は、地域の中でとても重要な存在です。その学校(普通学級)で障害があるゆえに、否定され、追い出され、心を傷つけられるという事は、学校にいられなくなるだけではなく、その家族にとっては、住み慣れた地域からも離れなければならなくなるほどの重要な問題です。学校は、障害のあるなしに係わらず、子どもを心身共に育てる場所です。すべての教職員が意識の違いなく、障害のある子も一人の子ども、クラスの一員として大切に迎え入れてくださることを心から望むものです。
障害があることで、普通教育から排除されることや、統合された環境を奪われることはあってはならず、加えて、障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心に作られてきた社会の方こそが調整し変わることで解消していくものです。私たちは、このような特別支援教育の対象として子どもを見られることも扱われることも拒み、普通学級・普通教育のなかでみんなと一緒に学ぶための当然の配慮を受けながら、あたり前にみんなの中で育っていきたいと願っているのです。
現在も特別支援教育を断り普通教育を望む障害のある子が、障害の種類や程度にかかわらず普通学級に多数在籍し、多くの心ある先生方に受けとめられて楽しい学校生活を送っています。さまざまな子どもたちが暮らし、学ぶ教室、学校はとても楽しく、生き生きとした豊かな経験に満ちています。子どもたちが、お互いの違いを認め合いながら、同じ価値を持つ対等な仲間として育ち合うことは、障害のある子にとってもない子にとっても一生の宝物であり、その経験は誰もがありのままにその人らしく暮らすことが出来る豊かな共生社会へとつながっていくことを確信できるものです。
しかしその一方で、ここ(普通学級)にいることを否定され、追い出され、取り出され、親の付き添いを求められ、理不尽な扱いを受け辛く悲しい思いをしている親子も後を絶ちません。(別紙1)楽しい学校生活が送れている事例と辛く悲しい思いをしている事例は、どこがどう違っているのでしょうか。それは子どもの障害のせいなのでしょうか。当事者親子の責任なのでしょうか。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。辛く悲しい思いをしている事例は特別なものではなく、現在楽しい学校生活を送っている親子にとっても、いつ自分に降りかかるかもしれないこととして大きな不安となっています。
特に、親の付き添い問題は長年にわたって県内各地で深刻な障害者差別と人権侵害を引きおこし続けています。(別紙4)
付き添い依頼は、学校・行政という大きな力を持ったところから一保護者に対して行われるという点で、依頼されること自体が強要と同じ意味合いを持ちます。学校から付き添いを求められた保護者は、働くこともできず、体調が悪くても病院にも行けず、下の子の育児も家族の介護もできず、家事の時間もとれず、しかし付き添いを断れば、子どもは授業や行事に参加させてもらえず、学校に行くこともできません。付き添い問題は、生活権、生存権、教育権に関わる人権問題であることは明らかであり、千葉県人権施策推進委員会でも学校での親の付き添い問題について「すさまじい暴力である」(平成19年12月)「子どもの障害の有無にかかわらず行われている教職員からの暴力である」(平成22年5月)旨の発言が委員からありました。親の付き添い依頼は、親子にとっては、校長はじめ教職員から受ける暴力であるにもかかわらず、なぜ教育行政は黙認するかのように実態調査もせず、教職員の処分も行わないのでしょうか。付き添い依頼のある所は他の差別的な対応もあること、介助員等がいても親への付き添い依頼があることなどを考えれば、これは人手の問題ではなく教職員の意識が深く関わっているというのが私たちの実感であり、実際、障害の程度にかかわらず学校がその子を学校・クラスの一員として受けとめたことで解決されているのです。(別紙5)
付き添い事例をはじめ毎年変わらず各地で同じような差別的な対応が起こり続けていることを考えれば、個々事例毎の対応では不十分であり、もっと広く全体的な取組が必要であることは明らかです。
どの子も差別されることなく安心して楽しい学校生活が送れることを切に願い、貴職の更なる取組と御尽力をいただきたく下記のとおり要望します。お忙しい中恐縮ですが、8月31日までに書面にて御回答くださいますようお願いいたします。
なお、前述のとおり、私たちは特別支援教育でない普通教育を求めるものであり、したがってこの要望書に係る話し合い及び回答においては、特別支援教育課の出席、及び関わりをお断りいたします。また、すべての要望事項について、特別支援教育課以外の関係各課が誠意を持って回答に御努力いただくことを重ねてお願いいたします。
※
別紙1:2009年度 小・中学校普通学級における障害のある子への差別や人権侵害の例
※ 別紙2:千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきた事
※
別紙3:人権意識啓発チェックシート
※ 別紙4:親の付き添い事例について
※ 別紙5:親の付き添い改善事例から
記
【要望事項】
1.
障害のある子を普通教育から排除し、障害の克服を子ども自身に求める特別支援教育の推進はやめてください。障害のある子とない子が分けられることなく、普通学級で一緒に普通教育を受けられる教育を、千葉県の教育の方針としてください。そのための検討を始めてください。
2.
別紙2の確認事項は、長い間たくさんの当事者が勇気を持って自らが受けた理不尽な体験を訴え、県教委の皆様と共に解決していく過程の中で確認してきたことです。これを、千葉県で普通学級に通う障害のある子どもたちの最低限守られるべき人権の基準として周知徹底し、子どもたちが辛く悲しい思いをしなくてすむようにしてください。
3.
小・中学校へのエレベータ設置について、例年どおり、設置状況を調査するとともにその結果を市町村教育委員会に配付して、一層の設置促進を図ってください。
4.
本要望書の趣旨文にあるとおり、普通学級で多くの心ある先生方に受けとめられ楽しい学校生活を送っている例と、別紙1のように差別的な対応を受け辛く悲しい思いをしている例は、どこがどう違っているのか。それは子どもの障害のせいなのか。当事者親子の責任なのか。なぜこのようなことが起こるのか。という問いかけに対するお考えをお聞かせください。
5.
別紙1のような、普通学級における障害のある子に対する教職員による差別や人権侵害の対応をなくすために、教職員課でどのような取組ができるかを検討し、実施してください。
6.
別紙1のような、普通学級における障害のある子に対する教職員による差別や人権侵害の対応をなくすために、指導課でどのような取組ができるかを検討し、実施してください。
7.
千葉県人権施策基本指針において、「あらゆる場における人権教育・啓発の推進」が掲げられていますが、「学校」における「教職員の人権に関する正しい理解と認識」は、別紙1を見ても明らかなとおり、今なお不十分です。教職員の人権意識の啓発を図るため次のことを行ってください。
(1)教職員の研修、特に「学校人権教育指導者研修」において、別紙3「人権意識啓発チェックシート」を使用又は配布し、教職員の人権意識の啓発を図ること。
(2)自らの人権感覚を振り返り教職員同士で考え合うことができる資料として、別紙3「人権意識啓発チェックシート」の@及びAを、「千葉県学校人権教育指導資料」に掲載し、校内研修や様々な機会で教職員が活用できるようにすること。
(3)「公立小・中学校管理運営研修会」で配付されている資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」を、全小・中学校に配付し、その内容の周知徹底を図ること。
8.
普通学級における障害児の親の付き添いについて、教職員課で付き添い理由を含めた実態調査を行ってください。
また、保護者が付き添わないことで行事や授業等に参加できないという例がなかったかどうかも調べてください。
9.
これまで、教職員課で普通学級における障害児の親の付き添いについて、実態調査を行ってこなかった理由を明らかにしてください。
10.
普通学級における障害児の親の付き添いをなくすためにはどのような視点や取組が必要か、別紙4・5をもとに検討してください。
11.
「公立小・中学校管理運営研修会」で配付されている資料「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」に、親の付き添いの事例を掲載するとともに、子どもに障害があることを理由として親の付き添いを保護者に求めてはならないことを明記してください。掲載事例を、別紙4のとおり提案しますのでご検討ください。
12.
教職員による差別的な対応は、時に、障害のある子の教育を受ける権利を奪い、周囲の子どもたちにも差別を植え付け、学校のみならず地域にも安心していられなくなるなどの深刻な状況を引き起こす例もあるにもかかわらず、体罰やセクハラ等のように教職員の非違行為としては扱われていません。
障害のある子への差別、排除、いじめ、虐待など、人権侵害にあたると思われるような教職員の行為については、「懲戒処分の指針」にある「体罰等」に準じて処分・指導の対象とすることを検討してください。
13.
普通学級で学ぶ障害のある子への教職員からの虐待について、実態調査を行い、改善の取り組みを行ってください。
14.
普通学級に在籍する医療的ケアの必要な子は、その対応が学校で保障されず家族が大変な負担を強いられています。学校が子どもにとって安全な環境でなければ、子どもたちは安心して学ぶことはできません。児童生徒の健康管理、学校保健の観点から、普通学級に在籍する医療的ケアの必要な子の現状と対応について実態調査を行ってください。
以上
・2009年度要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2009年5月15日に千葉県教育委員会教育長宛に提出した、2009年度要望書の内容を掲載します。
特別支援教育を断り普通教育を望む障害児が 普通学級で安心して楽しい学校生活が送れることを求める要望書
日頃から、地域の普通学級に在籍する障害児の学校生活につきまして、御指導及び御尽力をいただきお礼申し上げます。
私たちは1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てなく地域の学校で共に学び育つことを願い活動しています。この18年の間、「みんなと一緒に普通学級へ」という願いは途絶えることなく続いてきました。何ができてもできなくてもあたり前にみんなの中にいたい。みんなと一緒に学び、暮らしたい。これは人としての基本的な人権に基づく願いであり、その実現のため長年に渡り貴職との話し合いを継続してきたところです。
この願いの対極にあるのが特別支援教育(特殊教育)です。障害により統合された環境を奪われ、他の人と違う扱いをされることは差別であるにもかかわらず、特別支援教育は子どもを分け続けています。特別支援教育は「障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育」として障害による困難の克服を障害者自身に求めるものですが、障害による困難は本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心に作られてきた社会の方こそが調整し変わることで解消していくものです。私たちは、このような特別支援教育の対象として子どもを見られることも扱われることも拒み、普通学級・普通教育のなかで合理的配慮を受けながら、あたり前にみんなの中で育っていきたいと願っているのです。
現在も特別支援教育を断り普通教育を望む障害児が、障害の種類や程度にかかわらず普通学級に多数在籍し、多くの心ある先生方に受けとめられ楽しい学校生活を送っています。しかしその一方で、ここ(普通学級)にいることを否定され、追い出され、取り出され、親の付き添いを求められ、理不尽な扱いを受け辛く悲しい思いをしている親子も後を絶ちません。(別紙1)楽しい学校生活が送れている事例と辛く悲しい思いをしている事例は、どこがどう違っているのでしょうか。それは子どもの障害のせいなのでしょうか。当事者親子の責任なのでしょうか。辛く悲しい思いをしている事例は特別なものではなく、現在楽しい学校生活を送っている親子にとっても、いつ自分に降りかかるかもしれないこととして大きな不安となっています。
特に、親の付き添い問題は深刻です。貴職も御承知のとおり、昨年度A市の小学校において、学校が宿泊学習の全行程に親の付き添いを求め、親は可能な範囲で協力はするものの全行程への付き添いは断ったところ、学校は参加のための前向きな話し合いを一切おこなわないまま宿泊学習当日の朝を迎え、親が土下座して懇願しましたが子どもは連れて行ってもらえず学校に置いていかれるという事件がありました。貴職の御尽力にもかかわらず、教育を行うべき学校が自らの責任を放棄し、子どもの「教育を受ける権利」を奪う事態となりました。この経過を注視してくださっていた貴職は、当日その結果について県教育長として「残念だ」とのコメントを市教委・学校へ伝えてくださいましたが、この衝撃的な出来事に当事者親子のみならず周囲の子どもたちをはじめ多くの人々が今なお心を痛めています。
付き添い依頼は、学校・行政という大きな力を持ったところから一保護者に対して行われるという点で、依頼されること自体が強要と同じ意味合いを持ちます。学校から付き添いを求められた保護者は、働くこともできず、体調が悪くても病院にも行けず、下の子の育児も家族の介護もできず、家事の時間もとれず、しかし付き添いを断れば、子どもは授業や行事に参加させてもらえず、学校に行くこともできません。付き添い問題は、生活権、生存権、教育権に関わる人権問題であることは明らかであり、千葉県人権施策推進委員会でも人権侵害の実例として報告されているにもかかわらず、なぜ教育行政は黙認するかのように実態調査もしないでいるのでしょうか。付き添い依頼のある所は他の差別的な対応もあること、介助員等がいても親への付き添い依頼があることなどを考えれば、これは人手の問題ではなく教職員の意識が深く関わっているというのが私たちの実感であり、実際、障害の程度にかかわらず学校がその子を学校・クラスの一員として受けとめたことで解決されているのです。(別紙4〔参考〕)
付き添い事例をはじめ毎年変わらず各地で同じような差別的な対応が起こり続けていることを考えれば、個々事例毎の対応では不十分であり、もっと広く全体的な取組が必要であることは明らかです。
どの子も差別されることなく安心して楽しい学校生活が送れることを切に願い、貴職の更なる取組と御尽力をいただきたく下記のとおり要望します。お忙しい中恐縮ですが、7月15日までに書面にて御回答くださいますようお願いいたします。
なお、前述のとおり、私たちは特別支援教育でない普通教育を求めるものであり、したがってこの要望書に係る話し合い及び回答においては、特別支援教育課の関わりをお断りいたします。
※
別紙1:2008年度小中学校普通学級における障害児への差別や人権侵害の例
※ 別紙2:千葉県教育委員会と当会とのあいだで確認してきた事
※
別紙3:試案・普通学級における障害児に対する人権意識を啓発するためのシート
※ 別紙4:親の付き添い事例について
記
【要望事項】
1. 特別支援教育を推進しないでください。統合教育を千葉県の教育の方針にしてください。
2.
小・中学校へのエレベータの設置促進を図ってください。
3.
普通学級において障害児に対する教職員による差別や人権侵害の対応をなくすための取組を行ってください。
4.
昨年度に引き続き、「新任教務主任研修」における人権教育室長の講話のなかで、「普通学級における障害児への差別や人権侵害の例」を基に話をしてください。
併せて、@公立小中学校管理運営研修会の資料(「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)、A別紙1の事例、B別紙2の確認事項、を配付してください。
5.
「新任校長研修」「新任教頭研修」において、@公立小中学校管理運営研修会の資料(「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)、A別紙1の事例、B別紙2の確認事項、を配付してください。
併せて、その内容について教職員課管理室又は指導課人権教育室が話をしてください。
6.
千葉県人権教育指導資料として、「あなたは、どう思いますか?」(チェックシート)及び「日常生活で気をつけたい教師の言動について」にならい、普通学級における障害児に対する人権意識を啓発するためのシート等を作成してください。シート等の試案を、別紙3のとおり提案しますのでご検討ください。
7.
普通学級における障害児の親の付き添いをなくすための具体的な取組を行ってください。(但し、特別支援教育支援員の配置はこの取組として認められませんので、それ以外の取組をお願いします。)
8.
普通学級における障害児の親の付き添いについて、実態調査を行ってください。
9.
「公立小中学校管理運営研修会」で配付されている資料(「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)に、親の付き添いの事例を掲載してください。掲載事例を、別紙4〔提案〕のとおり提案しますのでご検討ください。
以上
・2008年度要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2008年5月13日に千葉県教育委員会教育長宛に提出した、2008年度要望書の内容を掲載します。
障害のある子が安心して普通学級に入学し楽しい学校生活が送れることを求める要望書
日頃から、地域の普通学級に在籍する障害児の学校生活につきまして、御指導及び御尽力をいただきお礼申し上げます。
私たちは1991年以来、障害のある子もない子も分け隔てなく地域の学校で共に学び育つことを願い活動し、貴職との話し合いを継続してきました。現在では、私たちが主張してきたこの「共に学び共に育つ」ということは、障害のある人の人権を考える上で、多くの人々が認める理念となり、県においても、地域福祉支援計画、障害者計画、人権施策基本指針など関連する施策の中心に据えられるようになりました。
しかし、教育行政においては、世界の統合教育の流れに反し子どもたちを分ける教育が今なお続いています。昨年度、特殊教育が「特別支援教育」に変わり、千葉県特別支援教育推進基本計画では「地域で共に学ぶ機会が得られる教育」を目指すとされましたが、その内容は分けた上での交流に過ぎません。そもそも特別支援教育は「障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育」であり、障害による困難の克服を障害者自身に求めるものです。しかし、障害による困難は、本人が努力して克服するものではなく、障害のない人中心に作られてきた社会の方こそが調整し変わることで解消していくものです。また、障害の状況により生きる場を分けられ、統合された環境を奪われることは差別です。このような時代遅れの障害観・自立観、そして適正就学を土台にした特別支援教育は、私たちが求める教育とは相反するものであり、特別支援教育の推進があたかも「共に学び共に育つ」教育であるかのような使い方がされていることは、まったく理解しがたいことです。現場では、特別支援教育体制の実施によりノーマライゼーションに向かうどころか、普通学級で共に学ぶことはますます困難になってきています。私たちはこのような特別支援教育の対象として子どもを見られることも扱われることも望みません。
この17年の間、「みんなと一緒に普通学級へ」という願いは途絶えることなく続いてきました。何ができてもできなくてもあたり前にみんなの中にいたい。これは人としての基本的な人権に基づく願いです。この願いを実現するには、まだまだ多くの困難に出会います。現在も障害の種類や程度にかかわらず多数の障害児が普通学級に在籍していますが、ここ(普通学級)にいることを否定され、追い出され、取り出され、親の付き添いを求められ、理不尽な扱いを受け、自信を奪われ辛く悲しい思いをしている親子が後を絶ちません。(別紙1)その一方で、多くの心ある先生方に受けとめられ、楽しい学校生活を送っている子どもたちもたくさんいます。別紙1のような事例と楽しい学校生活が送れている事例はどこがどう違っているのでしょうか。それは子どもの障害のせいなのでしょうか。当事者親子の責任なのでしょうか。別紙事例は特別なものではなく、現在楽しい学校生活を送っている親子にとっても、いつ自分に降りかかるかもしれないこととして大きな不安・恐怖となっています。
これまでの当会発貴職宛要望書においても差別や人権侵害の事例を添付してきましたが、今も変わらず毎年各地で同じようなことが起こり続けていることを考えれば、個々事例毎の対応では不充分であり、もっと広く全体的な取組が必要であることは明らかです。このような苦しみが一刻も早くなくなることを切に願っています。
どの子も差別されることなくありのままで認められ、一人の子どもとして扱われ、普通学級・普通教育の中で必要な配慮を受けながら、安心してみんなの中で育ち学べることを切に願い、貴職の更なる御尽力をいただきたく下記要望いたします。是非実現されますようよろしくお願いいたします。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し7月15日までに書面にて御回答くださいますようお願いいたします。
※
別紙1:普通学級に在籍する障害のある子への差別や人権侵害の例(平成19年4月〜20年4月 県連絡会及び参加団体に寄せられた事例から・抜粋)
※
別紙2:千葉県教育委員会と共に育つ教育を進める千葉県連絡会とのあいだで確認してきた事
記
【要望事項】
1. 統合教育を千葉県の教育の方針に掲げてください。
2.
小・中学校へのエレベータの設置促進を図ってください。
3.
小・中学校普通学級に在籍する医療的ケアの必要な子の実態を調査し、普通学級で医療的ケアが受けられる仕組みを検討してください。
4.
普通学級に在籍する障害児の親の付き添いをなくすための取組を行ってください。
5.
前項の取組の中で、普通学級における障害児の親の付き添いについて実態調査を行ってください。
6.
普通学級に在籍する障害児に対し、別紙1のような教職員による差別や人権侵害の対応をなくすため、次のことを行ってください。
(1)普通学級に在籍する障害児の学校生活における人権の基準を、県教育委員会として明確にすること。
(2)千葉県人権施策基本指針に基づき、教職員の人権意識を喚起し啓発するための取組を行うこと。
(3)普通学級おける障害児への差別や人権侵害について、教職員が具体的なイメージを持って理解を深めることができるよう、公立小中学校管理運営研修会で配付されている資料(「障害児の通常の学級への就学についての配慮事項」)及び別紙1の事例を、「新任校長研修」「新任教頭研修」「新任教務主任研修」で配付し、その内容について教職員課管理室又は指導課人権教育室が講話をすること。
(4)普通学級に在籍する障害児に対する教職員による差別や人権侵害の対応について訴えがあった場合は、学校・市町村教育委員会に書面報告を求めるとともに、体罰等に準じて処分の対象とすることを検討すること。
以上
◎学童保育
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」が、2010年12月22日に千葉県知事宛(担当:児童家庭課・障害福祉課)に提出した要望書の内容を掲載します。
障害による差別のない学童保育の実現を求める要望書
貴職におかれましては、日頃から、県民の福祉の充実のために御尽力されていることに敬意を表します。
私たちは、障害のある子もない子も分け隔てられることなく地域で一緒に育ち学び生きていくことを願い活動しています。
学童保育につきましても、障害のある子が排除されることなくみんなと一緒に利用できることを願ってまいりました。平成9年の児童福祉法改正により、学童保育は市町村が責任をもって実施する「放課後児童健全育成事業」として位置付けられ、県内でも増設や公設化が進みましたが、障害のある子の多くがその対象から取り残されていました。県の平成12年度の現況調査によれば、学童保育入所児童に占める障害児の割合は約0.9%でした。平成13年度に当会が行った市町村への聞き取り調査でも、障害のある子の利用について、「現状を説明し断わっている」「(障害の)重い子を見る予定はない」「受け入れない」「クラブの判断に任せる」などの回答があり、厳しい現実がありました。
その後、県においては、学童保育を推進しその質的向上を図るため、平成19年1月に「千葉県放課後児童クラブガイドライン」(以下、「県ガイドライン」と言う。)が策定されました。この県ガイドラインでは、対象児童は「小学校及び特別支援学校小学部の1年生から6年生で、その保護者が労働等により昼間家庭にいない児童」とされ、「受け入れにあたっては1年生から3年生までの低年齢の児童及び障害児を優先」すること、「児童が障害を持っていることを理由に入所を断らないこと」「障害を持っている子どもなど自力で登室するのが難しい場合には、設置者(運営責任者)は、安全に登室できるように配慮すること」などが明記されました。
さらに、平成19年7月には、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が施行され、合理的な理由なく、障害を理由として福祉サービスの提供を拒否したり制限したり条件を課したり不利益な取扱いをすることは差別(不利益取扱い)であり、障害のある人が障害のない人と実質的に同等の生活を営むために必要な合理的配慮に基づく措置を行わないこともまた差別(合理的配慮欠如)であるとされました。
私たちは、千葉県の見識を誇りに思い、千葉県で、障害のある子もひとりの子どもとして当たり前に利用できる学童保育が実現していくであろうことに、大きな期待を感じました。
しかし、現在もなお、当事者から「障害のある子は断られることがある」「障害が重いと入れないと言われた」「自力で通うよう言われ入所を諦めるしかなかった」「留守番もできないのに4年生以上は入れず困っている」「保育時間を短くされている」等々の切実な声が届きます。
実際、学童保育に障害のある子はどれくらい入所しているのかを、国が毎年行っている実施状況調査を基に見たところ、【別紙1】のとおり、平成22年5月1日現在、県内(千葉市、船橋市、柏市を除く)の学童保育の全登録児童数は22,980名、そのうち障害児は408名(1.8%)で、全国平均の2.4%を下回っていました。
また、ガイドライン策定前の18年度とその後の状況を比較するため、最近5年間の障害児の割合の推移を【別紙2】に示し、さらに母数となる登録児童数が500名以上の市町村については【別紙3】にグラフを示しました。障害児の割合は、ガイドライン策定前と比較するとわずかに0.5%上昇していますが、市町村によっては、低い率のまま上昇傾向のないところがあり、ガイドラインの普及が及ばず、障害のある子の入所に依然として制限がかけられている現状があることが推察できます。
県は、事業主体の取組状況を把握し、県ガイドラインの啓発・普及を目的として、毎年定点調査「放課後児童健全育成事業に係る現況調査」を実施してくださっていますが、平成21年度調査によれば、「対象児童」として「障害児の受入」をしているクラブは76.1%となっています。裏を返せば23.9%は障害児を対象児童としていないということです。本来、学童保育は親が労働等により昼間家庭にいない児童を対象としており、当然障害のある子も含まれます。県ガイドラインでは、対象児童の中でもより学童保育の必要性の高い者として「低年齢児童」と「障害児」を「優先入所」としていますが、親が働いていて入所要件を満たしているにもかかわらず、障害ゆえに一人で下校することも、家の鍵を開けて一人で留守番することも、友達と約束して遊びに行くことも困難で、最も学童保育を必要としている障害児をその対象から除外するという差別・人権侵害が、未だに行われているのです。
しかも、この調査項目の「作成要領」によれば、この数字は「定員に余裕がある場合、保護者の介助が可能な場合など、条件付きで受入れる場合も含む。」と注釈がついており、私たちはとても驚きました。当然対象である子に対し、条件を付けて入所させること、つまり入所を制限することが、「受入あり」と分類されるとはいったいどういうことなのでしょうか。これでは差別の容認・勧奨です。
例えば、I市では、障害児の人数はクラブ定員のおおむね1割と定めて入所人数を制限し、入所にあたっては障害の判断のために体験保育や審査会を設け、著しい障害があると認める場合は入所を断ることになっています。【別紙4】の「I市放課後保育クラブにおける障害児の入所等に関する要綱」は、今の時代にこのような差別的な要綱が行政において作られ効力を持っているのかと驚愕するばかりです。結果として、別紙3にあるとおりI市の障害児の割合が低率のまま推移しているのは当然のこととも言えます。しかし、県の定点調査では、「対象児童/障害児の受入 ○」「入所決定/障害を非該当の理由にしない ○」という結果となり、県ガイドラインの水準をクリアしていることになっているのです。これでは意識改革も改善の取組も進むはずがありません。
また、平成21年度定点調査で「障害児の登・降室への配慮」をしているクラブは34.2%となっていますが、学校からクラブまで自分で行くことが困難な子の場合、移動の介助をしてもらわなければ通うことはできません。自力で来いというのは、障害児は来るなということに等しく、現実には入所は不可能になります。このような間接差別をなくすため、C市では、学童保育が学校と離れており自力登室が難しい障害のある子の場合、指導員が学校にお迎えに行っており、今年度194名の障害児のうち62名が指導員のお迎えを受けています。一方、例えばY市は、定点調査の結果は「障害児の登・降室への配慮 ○」になっていますが、設置者である市が行っている「配慮」の中身は、保護者に対しボランティア制度やファミリーサポートを案内することだと聞いています。保護者責任を前提としたY市のような「配慮」が、県ガイドラインに定めた「設置者(運営責任者)は、安全に登室できるように配慮すること」に該当すると考えること自体、障害者差別に対する理解・意識があまりにも不十分だと言わざるを得ません。
障害のある子も子どもです。県ガイドラインは「望ましい水準を示す」ものであるとされていますが、障害のある子への対応に関しては、これまで排除され取り残されてきたものを穴埋めし、障害のない子と同じようにひとりの子どもとして当然保障されるべき権利を示した最低の水準であると私たちは考えます。地方自治体が責任をもって税金を投入して行っている福祉サービスにおいて、差別や人権侵害をなくしていくことは、行政の最低限の務めであり、最優先で取組むべき課題であるはずです。
学童保育における障害者差別の状況はこのままにしておくことはできません。県ガイドラインの普及を図り、障害のある子も差別されず必要な配慮を受けて当たり前に利用できる学童保育の実現を急務とし、是非県として力を入れて取り組んでいただきたく下記のとおり要望いたします。
なお、お忙しいとは存じますが、平成23年1月20日までに書面にて御回答いただけますよう、よろしくお願いいたします。
記
【要望事項】
1 「千葉県放課後児童クラブガイドライン」の普及を図り、障害のある子が差別されることなく安心して利用できる学童保育となるよう取り組んでください。
2 市町村に対し、入所要件を満たしているにもかかわらず、障害の状況により入所を断ること、あるいは条件を課したり利用を制限したりすること(※)は、障害者差別であることを周知し、障害による差別のない学童保育の実現に向けて意識啓発を行ってください。
(※例示:障害児が入所できるクラブを限定している。クラブ定員の他に障害児定員を設けている。自力登室が難しい場合であっても配慮せず、自力登室を条件としている。行事等の際には保護者の付き添いを条件としている。利用時間を制限している。など。)
3 学童保育における障害のある子への対応の現状を把握するため、市町村に対し、次のことを調査し、確認してください。
(1)制度設計・決まり事に関する現状調査
@
制度(条例、実施要項、取り扱い要領等)上、障害の状況(程度)で入所対象から除外する規定がないかどうか。障害による欠格条項を設けていないかどうか。あるいは、入所可能な障害の状況(程度)を限定していないかどうか。
A
障害のある子について、その障害の状況により入所の可否を判断・審査するための機関が設けられていないかどうか。
B
障害のある子の入所に際し、入所の可否判断に係る「お試し保育」が設定されていないかどうか。
C
制度(条例、実施要項、取り扱い要領等)上、障害のある子に対し、入所クラブを限定したり、クラブ毎の障害児定員を設けたり、利用時間の制限を設けるなど、障害のある子の利用に関し何らかの制限を設けていないかどうか。
(2)運用に関する実態調査
@
実際に、入所要件を満たしているにもかかわらず、障害の状況により障害のある子の入所を断った例がないかどうか。
A
実際に、障害のある子の利用に際し条件を課したり、利用を制限したり、障害のない子とは違う取扱いをしたりしている例がないかどうか。
B
制度上では障害のある子の入所・利用制限はないにもかかわらず、利用のしおりや案内、あるいは受付窓口において、障害のある子の利用を制限する記載や対応をしていないかどうか。
4 障害児の割合が、全国平均を下回る市町村については、その要因を調べてください。
5 県が、事業主体の取組状況を把握し、県ガイドラインの啓発・普及を目的として毎年行っている定点調査「放課後児童健全育成事業に係る現況調査」を、引続き実施してください。
実施にあたっては、調査票2の「作成要領」を、次の《改正案》のように改めてください。
(1)調査項目1「対象児童及び入所要件」の「対象児童」の「障害児の受入」の項について
《H21年度調査》
障害児の受入 | 事業実施要領や募集要領等において、学年に関係なく、障害児を対象としている場合(定員に余裕がある場合、保護者の介助が可能な場合など、条件付きで受入れる場合も含む。)、「1(半角数字)」を入力する。 |
《改正案》
障害児 | 事業実施要領や募集要領等において、学年に関係なく、制限や条件を付けることなく障害児を対象としている場合、「1(半角数字)」を入力する。 |
(2)調査項目7「保育内容」の「登・降室について」の「登・降室方法の把握」の「障害児の登・降室への配慮」の項について
《H21年度調査》
障害児の登・降室への配慮 | 障害を持っている子どもなどが自力で登・降室することが難しい場合に、安全に登・降室できるよう何らかの配慮をしている場合は、「1(半角数字)」を入力する。 |
《改正案》
障害児の登室への配慮 | 障害を持っている子どもなどが自力で登室することが難しい場合、設置者(運営責任者)の責任において安全に登室できるよう配慮することとしている場合は、「1(半角数字)」を入力する。 | |
配慮の内容 | 上記に「1」を入力した場合、その配慮内容を文字入力する。 |
以上
【別紙1】平成22年度千葉県内の学童保育における障害児の入所状況(102KB)
【別紙2】千葉県内の学童保育における障害児の入所状況・年次推移(H18〜H22年)(110KB)
【別紙3】グラフ・学童保育における障害児割合の年次推移(登録児童数500名以上の市町村)(102KB)
【別紙4】(掲載省略)
●<学童保育・参考データ>
平成22年度全国の学童保育における障害児の入所割合(都道府県・政令指定都市・中核市)(90KB)
◎ 小・中学校へのエレベーター設置
・全国データ 平成22年度公立小・中学校のエレベーター設置状況(都道府県別)(110KB)
・全国データ 平成19・22年度比較公立小・中学校のエレベーター設置状況(都道府県別)(109KB)
◎障害者差別禁止条例解釈指針の記載変更要望書
「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」と「千葉『障害児・者』の高校進学を実現させる会」が、2008年2月20日に千葉県知事宛に提出した、要望書の内容を掲載します。
「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例 解釈指針」の記載変更を求める要望書
貴職におかれましては、「新たな地域福祉像」の実現のため日々御尽力されていることに敬意を表します。
私たちは、障害のある子もない子も分け隔てられることなく地域で一緒に育ち学び生きていくことを願い活動しています。
一昨年、画期的な健康福祉千葉方式により掲げられた「誰もが、ありのままに・その人らしく、地域で暮らす」という「新たな地域福祉像」の実現に向けた千葉県の取組の一環として、県民の願い・期待の大きなうねりとともに全国初の『障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例』が成立しました。私たちもその過程に積極的に参加してきました。
ところが、昨年7月の施行に先立ち、6月29日に策定・公表された『障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例 解釈指針』(以下「解釈指針」という。)の第2条第2項第5号(教育における不利益取扱いの定義)に係る記載を読み、とても驚きました。解釈指針では、第2条第2項第5号イは、“障害のある幼児児童生徒に「特別支援教育」を受ける機会を与えないことを「不利益取扱い」として定義したものです。”とされていました。普通教育から障害児を除外し今も子どもを分け続けている特別支援教育(特殊教育)を受けさせないのは差別だという記載はとても信じがたく、大きな疑問と不安を感じました。
私たちは、昨年8月9日に貴職宛『「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例
解釈指針」に対する質問書』を提出し、貴職からの回答書を基に9月14日と11月22日の2回にわたり貴職からの説明を聞き話し合う機会をいただきましたが、疑問や不安を解消することはできませんでした。
まず、第2条第2項第5号イの条文にある「本人に必要と認められる適切な指導及び支援を受ける機会」が、解釈指針の中で「特別支援教育を受ける機会」に明確に置き換えられていることが納得できませんでした。
貴職の説明によれば、「特別支援教育を受ける機会」とは、具体的には特別支援学校・特別支援学級・通級であり、その他には、普通学級でわからない時にそばに行って教えてあげたり、教材の工夫をしたり、本人が困らないように指示したりすることなどであるとのことでした。普通学級でのこのような対応は、普通教育の中でどの子に対しても行われていることですが、障害児に行った場合は「特別支援教育の機会」になるというのです。では、他の子への支援と障害児への支援はなぜ違う教育の扱いになるのか。普通教育と特別支援教育の区別は何なのか。障害児は特別支援教育以外の教育は受けられないのか。障害児にはみんなと同じ普通教育を受けさせることが差別になるのか等々、これら「特別支援教育」の機会についての疑問に対する貴職の回答は、特別支援教育と普通教育を区別することは困難である。特別支援教育は普通教育の中にある。いや、特別支援教育は普通教育の周りにあるなど、その説明は要領を得ず混乱するばかりで、理解しがたいものでした。
そもそも、適切な指導や支援が受けられるか否かということは、その教育の種類が「特別支援教育」かどうかということとは別のことです。
現にこれまでも、障害の種類や程度にかかわらず障害のある子が普通学級に在籍し、「普通教育」のなかでその子の状況に配慮した指導や必要な支援が行われてきたのですから、「本人に必要と認められる適切な指導及び支援を受ける機会」を、「特別支援教育を受ける機会」と限定的に解することは全く合理的ではありません。
また、特別支援教育は、「障害による生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う」とされています。つまり、障害による困難の克服を障害者自身に求めるものです。本来、この条例は、障害の克服を障害者個人の努力に押し込めるのではなく、社会が受け止め配慮することにより、障害のある人もない人も「誰もが、ありのままに・その人らしく、地域で暮らす」ことのできる社会を目指すものです。根本的なところで、条例と特別支援教育の趣旨は相容れないものであると言わざるを得ません。
貴職は、条例制定に向け何よりも理不尽な悲しい思いをしてきた当事者の経験から出発するとの趣旨から『差別に当たると思われる事例』を募集し、日常生活の広範な分野にわたり約800件の事例が集まりました。この中で最も多かったのが教育分野であり、子どもが障害を理由に当たり前にみんながいる教室・学校・教育から排除される辛さ悲しさを訴えたものが最も多かったはずです。これは、子どもを分け、普通教育から障害児を除外してきた特殊教育による苦しみでもありました。
特別支援教育は、このような苦しみに目を向けることなく、これまでの特殊教育の目的や内容、障害観や自立観を継承したまま、対象と場所を広げ推し進めるものです。話し合いの中で貴職から、「特別支援教育に明るい未来を見ていた。特別支援教育の方向性として、条例の趣旨に沿った特別支援教育をこれからやっていくのだという意志を持って入れられた」との説明がありましたが、特別支援教育の歴史、趣旨、現実から見れば、あまりにも安易な判断です。
さらに、特別支援学校・特別支援学級での教育を断り普通学級に入学させた場合、あるいは普通学級にいて通級・取り出しなどの特別支援教育を断わった場合、親も差別者になるのかという問いに対する貴職の回答は、“特別支援教育を断れば、親が差別者になる場合もあり得る”とのことでした。
私たちは、これまでずっと、障害のある子もない子も分け隔てられることなく地域で一緒に育ち学び生きていくことを願ってきました。障害を理由に子どもたちみんなが当たり前に行く学校に行くことを拒まれ、みんなが当たり前にいられる教室から追い出され、取り出され、それでもその願いを捨てることなく、みんなの中に居続けるために必死な思いで暮らしてきました。障害を個人の努力で克服するような時代遅れの障害観・自立観を拒み、その土台の上にある特別支援教育を断り、できないことがあってもありのままで認められ、一人の子どもとして扱われることを求め続けてきました。これはごく当然な願いであり、人としての権利です。
しかしこの解釈指針では、この願いが差別になり、この願いを実現しようとする者が差別者になるのです。特別支援教育による苦しみを訴える当事者に対し、その苦しみのもとである特別支援教育を与えないのは差別だと貴職は示しているのです。応募事例の多くはみな見捨てられてしまったのだと理解するしかありません。見捨てられるばかりでなく、逆に更に追いつめられる。こんな理不尽なことがあってよいのでしょうか。
条例では差別を定義し、その差別をなくすための取組を求めています。そして、解釈指針の記載は、県民の共通のルールとしての意味を持っています。解釈指針のとおりに理解すれば、差別をなくすための「県民運動」として特別支援教育を勧められることになります。大きな恐怖と圧力が親子に襲いかかってきます。
話し合いの中で貴職は、「条例は、自分たちの希望する学校で普通学級の中で配慮や支援を受けながら同じような教育を受けられる学校生活を目指し描いている」と言われました。解釈指針の記載は、その説明とは大きくかけ離れた内容です。
2回の話し合いを経ても私たちの疑問や不安は解消されないばかりか、解釈指針の記載の不条理を確信し、強い憤りを持つに至りました。
今現在も、障害により普通教育から分けられ障害児限定の特別支援教育に押しやられ辛く悲しい思いをしている事例が生じています。そして、この解釈指針の記載により、さらに新たに確実に、辛く悲しい苦しみが生まれます。
条例は何のために作られたのでしょうか。理不尽な辛く悲しい思いをしてきた当事者の苦しみをなくすためのものではなかったのでしょうか。解釈指針によって本来の条例制定の目的も趣旨も損なわれてしまっています。貴職はこのままでよいのでしょうか。
解釈指針をこのままにしておくことはできません。下記のとおり解釈指針の記載変更を求めます。速やかに実現をお願いいたします。
なお、お忙しい中恐縮ですが、要望事項に対し3月5日までに書面にて御回答くださいますようお願いいたします。
記
【要望事項】
解釈指針34ページからの第2条第2項第5号イの[解説]及び[解釈及び運用]の記載について、以下の変更を求めます。
1 第2条第2項第5号イの条文にある「本人に必要と認められる適切な指導及び支援を受ける機会」を、「特別支援教育を受ける機会」と解する記載は削除してください。
([解説]の第5号イ関係:35頁3行目〜4行目。[解釈及び運用]の第5号イ関係:第2項目の1行目〜3行目の26文字目)
2
「特別支援教育」の記載は削除してください。
([解説]の第5号イ関係:34頁下から10行目〜35頁2行目)
3 特定の教育の場や特定の種類の教育に限らず、あらゆる教育の機会において、本人が望む必要な支援が受けられることを目指していることがわかる記載にしてください。
※解釈指針は、2008年8月25日付けで改正されました。