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◆模造刀の刀身について

居合道の稽古を始められた方が初めて手にする 「刀」 のほとんどが、日本刀を模して製作された 「模造刀」 (模擬刀・居合刀などと呼ばれることもあります)であると思います。

『稽古に必要なもの』 のページにも記載しましたが、模造刀は刀身の耐久性をはじめ反応の良さやしなやかさなど、その特性はどの点においても真剣には及びません。 ただ一方で、刃がついていない模造刀は真剣と比較して怪我をしにくく、また錆び難いため扱いが容易であるという利点もあります。
そのため、初めて居合道の稽古をされる方、あるいは日本刀の手入れや取り扱いに不慣れな方には、模造刀の使用をお薦めしています。

・刀身の素材と製作方法

一口に 「模造刀」 といっても、その使用目的は様々です。
例えば、観賞用や演劇用であればそれほど強度や耐久性は必要ありません。 また剣舞用であれば、まずは軽量であることが重視されます。 模造刀の刀身はその使用目的に合わせて、材料・製造方法が選定されているようです。

居合道の稽古に使用される模造刀の刀身には、主に亜鉛合金が使用されています。
亜鉛・真鍮・アルミニウムなどの金属の合金のようなのですが、正確な材料の内訳や割合は公表されているのを見たことがありません。(企業秘密なのだと聞いたことがあります。)
ざっくりと言ってしまえば、この亜鉛合金を溶かし鋳型に流し込むことで、模造刀の刀身は製作されています。

真剣は鍛造、つまり熱した金属を叩き形成する方法で製作されます。鍛造によれば金属組織が緻密になり、鋳造と比較して強度の高いものが製作できます。 一方の鋳造は鍛造と比較して製造コストが安価で、大量生産に向いていますが、成型した金属内部に鋳巣(空隙)が発生しやすく、強度・耐久性は鍛造に劣ります。 材料の違いもありますが、真剣と模造刀では、すでに製造方法で強度の差が出るものとなっています。

さて、模造刀の鋳造方法には、おもに 「砂型鋳造」 と 「ダイキャスト」 が採用されます。
砂型鋳造は文字通り、砂で作られた鋳型に溶解した金属を流し込む方法で鋳造されます。 一方のダイキャストは、金属金型に溶解した金属を加圧して流し込む方法で鋳造されます。
同じ 「鋳造」 ですが、ダイキャストのほうが鋳巣が発生しやすく強度は低いとされています。 また模造刀の製造元によっては、居合稽古用の刀身に強度の高い 「砂型鋳造」 のもののみを採用しているところもあります。

意図せず稽古中に刀身を破損させた場合、稽古を行っている本人だけではなく、その周囲にいる人達にも怪我の危険が生じてしまいます。 模造刀を購入される際には、刀身の強度や耐久性にも留意して頂きたいと思います。

・模造刀の手入れ

模造刀の刀身は、鋳造された亜鉛合金のうえにメッキがかけられています。 稽古後の手入れを怠ると、このメッキ面、特に刀身の棟側を中心に、直径1〜2ミリ程度の膨れが発生します。
刀の棟は納刀の際に指に触れますから、この膨れが生じてしまうと、納刀のたびに指と擦れて痛む、ということも起きてしまいます。 稽古後には忘れずに、刀の手入れをすることをお薦めしています。

模造刀の刀身部分の手入れは、古い油や手の脂を拭い、新しい油に引き替えるのみで十分だと思います。 やわらかい布やティッシュペーパーなどで刀身を拭い、油を染み込ませた布などで薄く刀身に油を引きます。 引き替える油は刀身に 「薄く」 引くことが肝要で、厚塗りをしてはいけません。 刀身に厚く塗られた油は鞘に染み込み、内側から鞘外面の塗膜を剥がしてしまうことがあるためです。

道場によっては刀身を拭った後に 「打粉」 を打つこともあります。
打粉は日本刀を研磨する砥石の微細な粉(とのこ)を綿・絹などの布に包んだもので、刀身に打ち拭うことで、古い油や手の脂を取り除くことができます。 時代劇などで、武士が口に懐紙を銜え、刀に 「ぽんぽんぽん…」 と丸いものを打っているのを見たことがあるかもしれません。 懐紙を銜えたりはしませんが、現在でも日本刀の手入れの際には打粉を使用するのが普通です。

また模造刀であれば、刀身に無水アルコールまたは消毒用アルコールを霧吹きで吹き付け拭うだけでも、油や汚れを落とすことが十分に可能です。

※模造刀であれば、私は打粉ではなくアルコールを使った手入れをお薦めしています。 拭いきれず刀身に残った打粉は油と結合して、研磨剤のような状態になることがあります。 この研磨剤状の打粉は次に刀身を拭った際、刀身を薄く削ってしまい、メッキ層が薄くなる・ヒケ傷がついてしまうなどといった、不具合の原因になると考えています。

模造刀とはいえ 「刀」 、武士の魂とも言われるものです。
道場の先生や先輩方にアドバイスを貰いながら、手入れを怠らず大切に使い続けて頂ければと思います。

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