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◆柄と目釘について

柄写真

 左の写真は拵の柄 (つか) を分解したものです。

 ・刀身のうち柄に入る部分は 「茎 (なかご)」
 ・上段左から
  「切羽 (せっぱ) 」 「鍔 (つば)」 「切羽」 「はばき」
 ・下段左から
  「柄 (つか) 」 「目釘 (めくぎ) 」 「目釘抜き」

 ※目釘抜きは目釘の抜き差しをするための道具で、縁起の良い「打出の小槌」 を模った、真鍮製のものが多く流通しています。

拵の柄から刀身を抜く (柄を分解する) のはそれほど難しくありません。
まず、柄に刺している目釘を目釘抜きで抜き、その状態で刀を鞘から抜きます。 次に左手で柄のうち先端に近いほう握り、刃を向側に向けて刀を立てます。 その状態で左手の拳 (親指の付根) を右拳でトントン…と叩くと、反動で刀身が柄から抜けてきます。

よく 「刀を振っても柄から刀身が抜けないのは、目釘穴に目釘を刺しているからだ」 と説明する方がいらっしゃいます。 確かに刀身が柄から抜けないようにするため、目釘の役割は大変大きいのですが、この説明だけでは内容が不十分です。
 @茎と柄内部との間に働く摩擦力
 A目釘に働くせん断力
この2つの力で刀身の抜けを防止しているのです。

刀身の茎を良く見ると、鑢 (やすり) が掛けられた跡が見られます。 これは 「鑢目 (やすりめ) 」 と呼ばれ、刀匠が作刀する際の最終工程で付けられたものです。
鑢目はもともと茎の形状を整えるため、銘切り (めいぎり : 刀の作者名や作刀の時期を茎に刻む作業) に先立ってセンやヤスリを掛けたものと言われています。 ただざらざらとしたその表面の仕上げから、副次的に茎と柄内部との摩擦力を増し刀身を抜けにくくする効果を生んでいるとも言われています。

もし茎と柄内部との間に僅かでも隙間がある場合、茎と柄内部との間の摩擦力が働かない=刀身が抜けやすい状態になります。 この状態で刀を振ってしまうと、刀身にかかる力が目釘に集中し、目釘折れ〜刀身抜けに繋がる恐れがあります。

周囲の安全確保のため、稽古や演武の前に目釘の点検をするのは当然のことですが、平素から茎と柄の間に隙間やガタツキが無いかを確認しておくことも肝要です。 また、この隙間・ガタツキが見つかった場合にはその刀の使用を止め、専門の職方による柄の修理または作り直しをする必要があります。

・目釘

目釘には竹が使用されますが、どのような竹でも良い訳ではありません。 目釘には 「煤竹 (すすたけ) 」を使用します。

目釘写真

 左の写真は煤竹を割ったものです。
 煤竹は古い茅葺屋根の民家の屋根裏や天井に使用されて
 いた竹で、100年・200年といった長い期間、囲炉裏の煙に
 燻され続けたことで表面は褐色に、内部も茶色に変色して
 います。

 囲炉裏の煙に燻されながら、長い年月を掛けて枯れた
 煤竹は、通常の竹材とは比較にならないほど頑強で、粘りや
 弾力に富み、目釘の材料としては最適のものとなっています。
その一方で、都市化や住宅様式の変化に伴うかやぶき屋根の激減により、煤竹は手に入りにくく高価な竹材となってしまいました。 写真の煤竹も、知り合いの刀剣研磨師から譲って貰った、大変貴重なものです。

目釘の作成は、可能であれば鞘師に依頼するのが最良の方法であると思います。
もし自分で作成するのであれば、糸鋸で煤竹を切り出し、ノギスで寸法を当たりながら刃物や鑢で形を整えていくことになります。 作成の際に注意するのは、僅かに竹の表皮を残すこと。 また柄の目釘穴に目釘を刺す際には、この表皮を残した部分を柄頭側に向けるようにしてください。 煤竹の表皮は材の中でも特に硬く、また竹の繊維は表皮側がより密になっています。 こちらを柄頭側に向けることにより、目釘はより折れにくくなるとされています。

煤竹が手に入りにくくなったため、通常の竹材を煤竹に似せて染めた 「染煤竹」 が多数流通するようになりました。 ある大手ホームセンターでは、染色した孟宗竹を 「煤竹」 として販売しているの見かけたことがあります。 孟宗竹は竹材の中でも強さは高くありませんから、この竹材から作った目釘を使用することは大変危険です。
また、武道具店で 「真剣用」 として販売されている目釘にも、孟宗竹で作られたものを見かけたことがあります。 興味本位で購入し煤竹で作られたものと比べたこともありましたが、強さは煤竹に全く及ばないものでした。

無論、料理用の菜箸を目釘に転用するなどということは言語道断の行為であり、 居合道の修業者として大いに恥ずべきものであることは言うまでもありません。

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