川越市剣道連盟 居合道部

◆サイトマップ   ◆お問い合わせ

>>雑記帳 > 日本刀に関連すること > 鍔について

◆刀外装 (拵) に使われる金具について

刀の外装 (拵) に付属する金属部品、例えば鍔・目貫・縁・頭などを 「刀装具」、あるいは 「金具」 などと呼ぶことがあります。 またその中でも特に、一作 (一揃い) で製作された目貫 (めぬき) ・笄 (こうがい) ・小柄 (こづか) は 「三所物 (みところもの) 」 と呼ばれ、美術的価値の高いものも多数存在します。

金物写真

 左は拵に使用される金具の例です。
  上段左〜 鍔 (つば) 目貫
  下段左〜 縁 (ふち) 鐺 (こじり) 栗型 (くりがた)

 居合に使用される刀の拵はあまり多くの金物が使われず、
 栗型・鐺は角 (水牛の角を加工形成したもの) とし、
 鍔・目貫・縁頭のみ金具が付属する事が多いと思います。
 その中でも馴染みが深いのは、 「鍔」 ではないでしょうか。

◆鍔

鍔は刀身と柄の間に取り付けられたものであり、日本刀の外装 (拵) だけではなく、西洋の刀剣にも類似した部品/部位を見ることができます。 敵の攻撃から柄を握る手を保護するといった以外に、握った手が滑って刀身側に移動するのを防ぐ目的もあるようです。
日本刀では刀・脇差・短刀のいずれの拵にも、鍔が付属するものが多く見られます。

太刀から打刀へ変化していった頃、刀匠や甲冑師が鉄を鍛えて製作した 「刀匠鍔」 「甲冑師鍔」 が使用されるようになりました。 特徴としては径が大きく薄く、鍛えの良い鉄地に小透かしを施した素朴でシンプルで味わいの深いものが多く存在します。
後世になると鉄地でも動植物や紋様などを透かしたもの、外周に鉄以外の金属を被せたもの (覆輪) 、象嵌 (ぞうがん) を施したものなども見られます。 材質も鉄以外の金属、例えば素銅 (すあか・純度の高い銅) ・赤銅 (しゃくどう=銅と金の合金) など使用されるようになり、また実用目的ばかりではなく鑑賞用として製作されるものもありました。

刀装具、なかでも鍔は多くの方が研究をされており、出版物も多く流通しています。
もし興味がありましたらそれら出版物を手にとってみたり、あるいは刀剣展に出品されているものを鑑賞するのも良いかもしれません。

< 余談 >

短刀の合口拵や、仕込杖といった特殊な拵には鍔は付属していません。
太刀・打刀の拵には鍔が付属するのが一般的ですが、戦国時代の武将として高名な上杉謙信の愛刀には、鍔のない 「合口拵」 のものがあります。 「上杉拵」 とも呼ばれるこの拵、数振が現存するとのこと。 私自身もどこかの刀剣展で見たことがありましたが…それが何処だったのか、どのような展示であったのかを思い出せないでいます。

◆居合に使用される鍔と、 ”鍔鳴り”

鍔写真

 左の写真は 「鉄地に梅花 (桜花) 透かし」 の鍔で、
 どちらも江戸時代に製作されたものになります。

 左の鍔は鑑賞目的に、20年ほど前に入手したものです。
 直径は80ミリ程で、大刀用の鍔に分類される大きさです。
 右の鍔は居合用として購入し、直径は70ミリ程度。
 脇差用に分類される大きさかも知れません。
 居合の稽古ではあまり径の大きい鍔は使用されず、直径
 65〜70ミリ程の鍔を使用することが多いように思います。

鍔にはいくつか (1〜3箇所) の穴が開いています。
鍔の中央に開けられた穴は刀身の茎 (なかご) が通るもので、 「茎孔 (なかごあな) 」 と呼ばれます。 また上記の写真で茎孔の左隣にあるのは 「小柄櫃孔 (こづかびつあな) 」 。 写真にはありませんが、茎孔を挟んで小柄櫃孔と反対側に 「笄櫃孔 (こうがいびつあな) 」 があることもあります。

刀を振る際などに鍔ががたつく不具合を、 「鍔鳴り」 といいます。 「鍔鳴り」 がする要因はいくつか考えられますが、その中でも多いのが 「茎孔と刀身の間に隙間が生じていること」 であるように思います。 茎孔と刀身の間に隙間が生じてがたつく場合、茎孔の刃側と棟側に展延性のある金属 (主に銅) を埋め込み隙間をなくすのが、正しい対処法になります。これを 「責金 (せめがね)」 と呼んでいます。
責金をせず、鍔鳴りがする状態で刀を使い続けていると、茎と茎孔とが干渉して傷つき、酷くなると茎の刃側がへこんだ様に変形したり、削れてしまったりすることもあります。
「茎千両 (なかごせんりょう) 」 という言葉の通り、茎の状態は刀の価値にも影響します。 茎を損傷する鍔鳴りがしたまま、刀を稽古に使用することはお薦めできません。

鍔鳴りがすると、切羽 (せっぱ) と鍔のあいだなどに紙・布等を挟む方もいます。 はばき〜切羽〜鍔〜切羽〜縁、のあいだの隙間を減らして摩擦力を高め、鍔の移動=鍔鳴りの原因を抑えようとする方法なのかと思います。 一見、有効な対処法にも思えますが、その実は刀身抜けにも繋がる危険な方法です。
切羽と鍔のあいだなどに物を挟めば、その厚み分だけ刀身は浅く柄に刺さることになります。 当然、茎と柄内部との摩擦力も小さくなり、刀身はより抜けやすくなります。
また物を挟んで 「はばき〜切羽〜鍔〜切羽〜縁」 のあいだの隙間を減らすということは、目釘に常時せん断力がかかる状態になっている、ということになります。 そのまま刀身に衝撃が加われば、目釘は過剰なせん断力によって折れ、さらに刀身抜けを起こしやすくなります。

演武前、目釘とともに鍔のがたつきの有無などについても点検を指示されることがあります。
もし鍔鳴りが見つかった場合には、安全のため、専門の職方に対処してもらうことが大切です。

◆ 目 次 ◆

表紙 (トップページ)

居合道について

川越市剣道連盟居合道部

 居合道部のあゆみ

 活動報告

年間行事予定

雑記帳

リンク


◆ 稽古会について ◆  

◆日 時◆
毎週土曜日
19時30分〜20時30分
(年末年始・GW・川越まつり期間中を除く)
 
◆場 所◆
川越武道館
埼玉県川越市郭町2-30-1

 

アクセスマップは >>こちら
お問い合わせは >>こちら

◆このページのトップへ  ◆トップページ

◆トップページ  ◆居合道について  ◆川越市剣道連盟居合道部  ◆年間行事予定  ◆雑記帳  ◆リンク

川越市剣道連盟 居合道部
Copyright(C) 2015 Kawagoeshi Kendourenmei Iaidou-bu  All rights reserved.