>>雑記帳 > 日本刀に関連すること > 刀剣の名義変更手続について
◆刀剣の名義変更手続とは
新たに刀剣を所持するきっかけには、購入・譲渡・相続・発見、など様々なケースが考えられます。 近年では新たに発見される刀剣 (未登録の刀剣) もだいぶ少なくなり、ほとんどは 「銃砲刀剣類登録証」 が交付されているものと思います。
さて、私が所持する刀剣の 「銃砲刀剣類登録証」 の裏面には、次のような記載があります。
『注 意
…中略…
銃砲又は刀剣類を譲り受け、若しくは相続により取得し、又はこれらの貸付け若しくは
保管の委託をした場合には、二十日以内にその旨を登録の事務を行った都道府県の教育
委員会に届け出なければならない。
…中略…
以上の各事項に違反した場合は、法により懲役又は罰金の刑に処せられる』
いくつか挙げられている注意事項の一つ、所持者変更に伴う届出 (以降、 『名義変更手続』 ) の部分になります。
刀剣店で刀剣を購入する場合、名義変更手続に必要な届出書 (後述) も併せて用意してくれることが多く、手続を失念することは少ないかと思います。 他方、個人売買・譲渡、相続などでは、名義変更手続まで完了していないケースもあるようです。
「名義変更手続」自体は難しいものではありませんので、ここではその方法を記します。
< 余 談 >
戦後、刀剣の登録所持制度が始まったのは昭和26年。 当時、登録の事務を行ったのは 「文化財保護委員会」 でした。
私もこの 「文化財保護委員会」 の登録証が付属した刀剣を所持していたことがあります。 文化財保護委員会の登録証は現行のものよりもサイズが小さく、パウチ加工もされておらず、また裏面の注意書も無かったと記憶しています。
文化財保護委員会の登録証が付属する刀剣のうち、昭和26年に登録されたものを 「大名登録」 と呼ぶことがあります。 刀剣の登録所持制度が始まった当初は登録数も少なく、旧華族 (=元の大名) を中心に登録を依頼して制度を続けてきた経緯によるもののようです。
◆名義変更手続と届出書
先ほど取り上げた名義変更手続に関する注意事項を要約すれば、下記のようになります。
・届出者は新所持者
・所持開始から20日以内に届出する
・届出先は登録事務を行った都道府県の教育委員会
・届出を怠ると懲役または罰金に処せられる
新たに刀剣を所持することになったら、20日以内に名義変更手続を行わなければなりません。 まずは 「銃砲刀剣類登録証」 の記載から、登録の事務を行った教育委員会を確認します。
多くの都道府県では届出書の提出先はその教育委員会になりますが、一部ではこれが異なる場合もあります。 教育委員会に問い合わせるなど、あらかじめ確認しておけば間違いありません。
提出先が確認出来たら、届出書を作成します。 届出書、といっても難しいものではなくハガキ一枚に十分納まる内容です。 雛形のPDFを下記に掲載しますので、ご利用ください。
刀剣所有者変更届 (PDFファイル)
※用紙サイズを 「ハガキ」 に設定し、ハガキ裏面に印刷してご利用いただけます。
記入が完了した届出書を提出先に送付すれば、手続は完了です。
新たに刀剣を所持する際には、名義変更手続を忘れることがないようご注意いただければと思います。