店主の一考察 VOL2


日干しについて
2015年9月2日
今回は寝具全般の「日干し」についての一考察です。

私たちプロはお客さまが「日干し」について誤解されているなーっと、常日頃感じていましたので今回はかなり役に立つことを記します。

そのチェックは極めて簡単です。天気の良い日に干してある寝具関係の物を外から眺めれば良いのですから。(笑)

先ず申し上げたいのは寝具はどんな物でも日干しすれば良い、というのは大きな間違えなのです。日干ししてかえってそのものをドンドン性能を劣化させてしまうものや、日干しする必要のないものなど寝具の素材によってさまざまなのです。

では具体的にご説明しましょう。

先ずドンドン日干しした方が良い寝具。綿わた中心のふとん。タオルケットなど。

日干ししない方が良い寝具、アクリル系統の毛布、純毛の毛布、マットレス、その他化学製品で出来ている寝具。次に日干ししても良いが最高1〜2時間までの寝具、羽毛、羊毛ふとんです。


解説をします。綿は組成が植物です。植物は芽を出した時から太陽とは仲良しです。また寝具に変化しても吸湿したものを発散させるには日光を必要とします。ですから干さなければいけません。

次に干しても良いが1〜2時間までの羽毛、羊毛は組成が鳥の羽根、そして羊の毛です。これは動物の毛です。私たちの毛髪も動物の毛、例えば海水浴などで日に晒すと髪は痛みます。要は各々、どのような毛でも若干の油っ気を含んでいます。これが人なら艶であり、寝具なら弾力の源なのですが、この大事な油っ気は太陽の紫外線でかなり失われてしまうのです。ですから長時間干してはいけません。あえて申せばカバーを付けたまま1時間も干せば十分です。それと大事なことは動物性の物は自分で吸湿したものは自分で発散する能力を持っていますので実は風通しの良いところでの日陰干しがベストなのです。

最後に日干ししない方が良いものはアクリル、化学繊維での組成のものなどは吸湿性ゼロなのですから、くどいようですが吸湿していないものをほす必要がないのと、太陽の熱で高温に弱い化学繊維はふんわり風味を失い固く変質してしまいます。まさに無駄なことをして品質を悪くしているということなのです。

例えばウール100%のセーターをご自分で洗って干す時、必ず日陰干しされるはずです。何故なのか、太陽光線に晒すことで早く風味を失い保温性のないフェルト状になるからではありませんか?ところがそれと同じ素材の羊毛ふとんはふとんと名がついたものはどんなものでも干してしまう習性がついてしまっている、ということではないでしょうか?


羊毛ふとんには敷くものが多いですが、必ずタグの品質表示を見てその素材を確認して干さないほうが良いのか、短時間なら干しても良いのか判断して下さい。特に固綿を芯にしている物は余り干さない方が良いです。その固綿は化学繊維100%なのですから。


ではVOL 3をお楽しみに。

これまでの「店主の一考察」はこちらです。