店主は山岳サイクリング研究会のツーリング派として、かつて旅人や里人が牛馬とともに通った昔の峠道を自転車と共に辿る旅を楽しんできました。特に西上州と呼ばれる群馬南西部は、西は長野（信州）の佐久へ、南は埼玉（武州）の秩父へと至る山また山の地で、国境や郡境を越える大きな峠、近隣の里を結ぶ小さな峠が数多く残り、峠越えツーリストには魅力溢れる場所でした。
　やがて、時の流れと共に西上州にも自動車が通れる道路が延び、昔の峠道は人々から忘れられ荒廃の一途を辿りつつありました。しかしながら、いにしえの道がの消えていくのを座視するのは堪え難く、この８年来、山間にかろうじて残っている峠道を再生、整備する「道普請」をひとつの遊び、楽しみとして同好の志とともに続けています。歴史ある峠道を山旅の場として何とか残していけないものかと思い、地元関係者、上野村の協力を得て道の手入れをしているものです。他所者が年数回作業するだけでどれだけの事ができるのかわかりませんが、雨にも風にも負けず、村の人の話をよく聞き、あきらめず、愉しむことを忘れずに続けていきたいと考えています。

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