金祝の恵みに

金祝の恵
2010年2月10日 聖堂にて

---- シスターポリナ天野和子 ----

 室蘭は例年にない積雪の多い年で、日々除雪に追われながら誓願50年のめぐみの過ぎし年月を思い出しておりました。
 53年前の入会時、空知夕張の除雪に奮戦した日々が重ねられ、それからの1年1年の歩みの中に神様の暖かい守りと共同体の姉妹の支えを心に深く感じております。

  日本の修練院の1期生として、色々な体験、経験の日々、いつも神の語りかけに耳を傾ける努力をしながら自分の道を歩む多い日のある事に気付き、神様への助けを願いつつ今日も歩んでおります。

 振り返りますと初期の夕張で、大自然とかかわりながらの祈りと働きの日々、
生まれて始めての豚、鶏との触れ合い、畑仕事など10年の年月が流れ、
続いて室蘭の地での教育事業、特に幼児教育40年のかかわりの中で沢山の事を子どもたちから学び、心が暖かく豊かに広がった事を楽しく思い出します。

 子どもたちの素直さ、感性の素晴らしさを通し育つ子どもたちの心を見ながら、
自分自身の神への信仰の貧しさを反省させられる日々でした。

 私が娘の頃、祖母とお茶を共にした時、美しい和菓子をいただき、祖母から「きれいな彩と型、甘さが舌に心地よく美味しかったでしょう」と言われましたが、私はゆとりなく食べてしまいました。
 その時の祖母の言葉が今でも耳に残っております。
「心して見、味わわないから何も心に残らないでしょう。
作った方の心を大切に何事にも心して見、味わい、心して聞くものです」

この言葉は修道生活に入ってとても貴重な言葉として心に響いております。

 日々の姉妹とのかかわりの中で、心して見、心して聞き共感する事を通して日々神の言葉との出会い、信仰を持って主の言葉を味わいその食卓に与かって主と共に生きる喜びを感謝したいと思います。

 金祝の前、3泊4日で函館のトラピスト修道院で静けさの中、修道士の皆様と共に祈り心豊かに黙想をする機会をいただきました。

   金祝当日2月10日聖スコラスチカの祭日に4人の神父様の共同司式で10時から歌ミサを捧げてくださり、その中で心をこめて「あなたのお約束に従って私を支えてながらえさせ、私の望みについて恥じる事のないようにしたまえ」と主への奉献を新たな心でお捧げ致しました。

 神様の愛の中でこれからの残された命を1日1日大切に丁寧に共同体の姉妹方と共に生きて参りたいと存じます。

 終わりになりましたがオブレート会の皆様お一人お一人の上に常に神様の豊かなお恵みが注がれ幸いな日々でありますようお祈り申し上げます。

金祝の恵み
奉献の交唱