[院長ご挨拶] ★主のご降誕のお喜びを申し上げます!

 皆さま、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか?
お祈りによって共同体を支えていただき心から感謝申し上げます。
お陰様で喜びのうちに共同体一同今年もご降誕祭を迎えることが出来ました。

 アメリカでの昨年の連合会総会に引き続き、今年9月にはローマで全世界の女子ベネディクト会員が110名も集まる会議がありました。

 この集まりのために「自国の特徴ある典礼の用具を持参するように」、との指示がありましたが私は困惑しました。
日本の典礼は、厳粛かつ静粛だから、他国のような民族衣装や楽器を奏でることもないし、どうしようかと。
結局ローマへは何も持たずに出発しました。
さらにミサの中で戸惑ったことは、平和の挨拶を交わす時、何度も何度も抱擁の挨拶をしなければならず、ぎこちない思いをしながら、日本の典礼をなつかしく思うのでした。

けれどもアフリカのシスターが衣装を着け太鼓を持ち歌う時、リズムに乗った表情はシスターにピッタリ調和して喜びが伝わってきました。
インドのシスターも民族衣装とインド独特の化粧をして踊り、賛美する姿に私は魅了されました。他国の異なる様式で典礼を祝うことによって、違いがあっていいのだと確信しました。

ことばも文化も肌の色も典礼も人も。そもそも日常の色々な出来事、感情の延長線上にその国の文化があり、典礼が生まれるのです。
ミサの中で、アフリカやインドのように感情を表現できるとすれば、おそらく信仰生活と日常が遊離していると悩むことは無いと思うのです。

多様性を受け入れることは容易なことではありませんが、とかく同じものでなければ同じ心でない、と思い込みがちな私の狭い心を開かせてくれる体験でした。
                                   院長 上田若子

[ 院長ご挨拶 ]