[国際会議参加] 女子ベネディクト会 国際会議に参加して

Sr.マリア・ベダ 岡 由美子

 この9月に女子ベネディクト会員のために4年毎に開かれる会議があり、私は院長に秘書として同行させていただきました。

 所はローマの聖アンセルモ神学院で、文字通り5大陸から110名余りの禁域内で生活する会員と私のように禁域外に出て行ける会員が集いました。


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 多様性、自由、開かれた心といったベネディクト会的霊性が感じられ、神様への感謝と賛美が自ずと出てくる雰囲気の貴重なかつ楽しい体験でした。
主に西欧のシスターたちは昔のままの修道服で、中には長いベールにピンを5・6個もつけていて、しかも暑い中を活発に動きまわっていて感嘆した位です。

 会議は『希望のあかし人』というテーマで、西語と仏語による2つの基調講演、アフリカやベトナム等からの4人のパネラーの話、 そして全世界の男女ベネディクト会の総まとめをされているノトカー・ウォルフ総長様の話もあり、講話の都度、各テーブルでそれについての討議があり、 実に中身の濃いものでした。

  各講話は修道共同生活の体験を分かちながら、戦争、多種の災害、飢餓、その他苦悩に満ち満ちた現代社会の中で、 いかにして神に希望を置くことができるのか、またそのあかし人になるとはどういうことなのかという内容でした。

人間社会のこの悲惨さをすぐ解決する方策はどこにもありません。
けれども修道者として神に全てを捧げる約束をした私たちは、聖書と聖ベネディクトの戒律(特に序・4・7・19・31・53・72各章)に従い、 かつその中に豊かな希望の種を見つけながら、世界の中でキリストの十字架を担っている男女の人々、子供達と共に生き、 社会と教会への奉仕を通して神の救いの協力者となることが強調されました。

ベルギーのシスターの講話の中の「私たちは修道院の囲いの中に、救いを求めている人を何人受け入れているでしょうか」 という問いかけが心に深く残っています。

またウォルフ総長様は「教会も修道院も力を持つのではなく奉仕すること、人々にへり下ること、変容する苦しみを受け入れることが希望に繋がる」 と言われ、これはまさにキリストの生き方であり、希望のあかし人とは福音を生きることだと納得しました。

 異なる文化、生活習慣を持つ会員達が、戒律を基にあれほど互いに睦み会い奉献生活を共に賛美することができたのは、 まさに聖霊の働きではなかったかと思います。

  そして私たちの生き方、存在が福音を告げるものであるならば、私たちはオブレート会員であろうと修道者であろうと 「希望のあかし人」と言われるのではないでしょうか。

真にそうなれますように、神様のお助けを願いながら、日々努力していきたいと思います。

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