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化学なんて大嫌い!という人のための 風変わりなヒント
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 第40号(2013.3.31発行)



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   化学なんて大嫌い!という人のための
              風変わりなヒント  第40号
                  2013年3月31日発行

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 <目次>
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 1.一風変わった化学の授業
       〜 オスミウムについて

 2.化学をつくった人たち
    〜 ※今回は都合によりお休みさせて頂きます。

 3.あとがき
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  1.一風変わった化学の授業
        〜 オスミウムについて 〜
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  今回はオスミウム(Os)を取り上げます。

  身近な元素というわけではないのですが、特徴的な性質をもつ金属元
 素だったので、今回選んでみました。



 オスミウムの性質と概要
 ────────────

  オスミウムは、1803年にイギリス人のテナントによって、白金鉱
 の中からイリジウムと共に発見されました(※)。

  ギリシア語のosme(臭い)にちなんで命名されていますが、これは
 (四酸化オスミウム:OsO4)の強い臭いが特徴的だったからと言われ
 ています。

 (※)不純物を含む白金を王水に溶かしたときに残る残渣は、当時グラ
    ファイト(黒鉛)であるとしてそれ以上の探求が行われていなか
    ったのですが、テナントはこれを注意深く調べたところ、グラフ
    ァイトとは別物であることを見出しました。

    この残渣を酸とアルカリで繰り返し処理することによって、彼は
    オスミウムとイリジウム(Ir)の2つの金属元素を発見するこ
    ととなりました。


  オスミウムは主に白金鉱中にイリジウムの合金として存在し、南アフ
 リカ、カナダおよびロシアのウラル地方が主な産地です。


  製法としては、白金鉱やニッケル精錬の際に得られる「白金族混合物」
 を王水で処理した後に、残渣からロジウムを除去し、その残留物からオ
 スミウムとルテニウムを四酸化物の形で分離した後、いくつかの工程を
 経てオスミウムの単体を得ることができます。


  単体は青白色で、硬くて脆いという性質があります。
  また比重が22.6であり、物質中では最も重い部類に入るのが目を
 引きます。


  白金族元素の中では最も酸化されやすく、微粉状のオスミウムは空気
 中でも一部酸化されて四酸化オスミウムの臭気を発します。
 (なお、塊状のものでも200℃以上で酸化が始まります)。


  オスミウムとその合金は硬度が高く、摩耗および腐食に対する耐性が
 きわめて優れていることから、万年筆のペン先、長寿命のレコード針の
 先端、精密時計のベアリングなどによく用いられていました。
 (現在でも一部で用いられているものがあると思います)。


  また、水素添加やアンモニア合成などの反応の触媒としても使用され
 ています。



 四酸化オスミウムについて
 ─────────────

  オスミウムは1価から8価までの原子価の化合物が知られていますが、
 最も有名なオスミウム化合物としては、すでに名前が出てきた四酸化オ
 スミウム(OsO4)があります。

  四酸化オスミウムは、融点が40℃、沸点が130℃であり、揮発し
 やすい化合物で、オスミウムの加熱による酸化や、他のオスミウム化合
 物に硝酸を作用させることで得られます。


  この化合物はオスミウム化合物の中で最も重要な化合物ですが、毒性
 がきわめて高いのも特徴のひとつです。

  金属オスミウムや二酸化オスミウム(OsO2)は無害なのに対し、
 四酸化オスミウムは、目を冒して重度の結膜炎を引き起こしたり、頭痛
 や呼吸器の炎症を起こしたりしますので、扱いには注意が必要となりま
 す。

  また四酸化オスミウムは有機合成において、炭素−炭素二重結合をシ
 スジオールに酸化する際の酸化剤として、また生物組織を顕微鏡観察す
 る際には着色剤としても用いられています。


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  2.化学をつくった人たち
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  ※申しわけありませんが、今回は都合によりお休みさせて頂きます。


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  3.あとがき
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  明日から4月ということで、また新年度(新学期)が始まりますね。

  新しい学校や学年に進むときに感じる、期待と不安が入り交じった気
 持ちを思い出させてくれる時期です。

  春の訪れはいつもいいものだなぁ、と思います。


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  ※参考文献はこちらにまとめてあります。興味がありましたらどうぞ。
   → http://www13.plala.or.jp/chem-hint/reference.html


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  ◇◇ 化学なんて大嫌い!という人のための          
                     風変わりなヒント ◇◇
  ・発行者 後藤 幹裕
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