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◇コラム | ||||||||||||||||
『闇乃あけぼの・読書要語について』 | ||||||||||||||||
先日、新井白蛾師の「闇乃あけぼの」が古本屋より届きました。新井白蛾師の随筆集で、当時の人をたぶらかす迷信について、厳しい批判の目で論評を加えた白蛾師の渾身の作です。この本の冒頭に記載された読書要語は、私たち武道の修行者にとっても心に留めておきたい内容ですのでここに紹介いたします。 「凡人始めより書を読まんとおもふ志のなき人に於いては聖人と共に居るとも化して道に入事なし。これ脈の耐えたる病人に同じ少しにても書を好む志の立より始まる。 凡書を読めば、かならず先ず自分お才知慢心を忘れ心のひづみなく気を平らかにおのれが邪知了簡は箱にをさめて出さず読む書面を一段くり返しくり返し深く味わひその書中をしへの本意をとく得会、心の底に止め聖教人の道を知りて、人と成るのいふ事を第一に通明すべし、何ほど書を読みても、草々の看をなし、早合点する人には、何ほどの金言名句ををしへ示すとも諺にいふ夢に饅頭食いたるがごとし。身に切ならず。何の益なし。 世上にてだれだれは器用発明、多能怜悧などと美称する筈の人を見るに大抵十に六七までは、邪知の先ばしるものにて、正知なるは少なし。ゆえに事を遂げて全ふ成就するひ人はなきもの也。みな素人劫威の間に合いなり。此等はおのれとおのれが才を恃む故、何の役にもたたぬなり。鈍く不器用なる人の気根よく、精出するものには、却って勇有知ある者まま是あり。右のごとき発明人を指してうちつけにいへばきっと馬鹿なり。むかしよりかたりもの山師などといふ人に痴鈍はなし。然して終つまりは極々の知拙漢なり。至愚ともいふ他みな是に準じてしるべし。」 これは学問をし書を読むときの心構えですが、このことは武道を学ぶ上でも大切なことではないでしょうか。此処で教えていることは「1:志を立てること。2:心のひづみなく、気を平らにして、邪知を捨てること。3:馬鹿に成りきって者を極めること。」ですが私もこの精神を忘れずに精進していきたいと思います。 河野義勝 2005年6月5日 注:本ホームページの掲示板への書籍その他の商品の広告宣伝を目的とした参加は、 |
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