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◇コラム
『コラム3 山澤損について』
昨年の暮れから始まった養神館の講座も、最近では養神館以外の流派の人も加わり、受講者も二十人に手が届くようになりました。私にとっては初めての体験であり一回一回が全身全霊を込めた真剣勝負でした。だんだん口コミで仲間も増え、評判もよく女性の参加者もあり、和気藹々とした場になってまいりました。

 この数年の間には、さまざまなことがありました。人間の裏側を垣間見るような残念な出来事を目の当たりにしたこともあります。しかしながら、今回の出会いはそれらを補って余りあるすばらしいものでした。

 困難に出会うと一瞬損をしたように思いがちですが、後になって得をする場合が時としてあります。
このようなことを易経では、山澤損といいます。
 新井白蛾師の「易学小セン」を見てみると、「山澤損 貴賎位を正するの象 奢りを損〆マコトを存するの意。この卦は本と減省とて物の損失の卦なれども今日の人には却てヨシトス.後に利徳を得るか又は誉在るか何にも末のヨシキ有とす。親子兄弟などにつき損あるべし。然れども仁義の損は大益とする。急にするるは成らず。徐徐とするる成就すべし。一度にて調いがたきは二度も三度もかかれば必ず成る。」又欄外の注釈に「人欲を損〆マコト〔難しい字です。意味は誠と同じでしょうか。〕を存し己がおおいに損〆人の不足を恵む。吉也。」
 つまり仁義を全うすることや我欲を捨て、自己犠牲の精神で人のために尽くすことは吉と言う事でしょう。未熟な私には大変難しいことですが、志だけは高く保って生涯をまっとうしたく思います。

                      

                                            河野義勝 

                                            2005年4月8日

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