目次 自己紹介 野宿 イワナ釣り 掲示板 画像釣行 一休み 計画・立案 ひとりごと ビデオ集 毛ばり作り 失敗・敗退 リンク 写真缶




もののけの    





ひとりごと



熊の被害


くまだな


がさがさ


極端


確認結果


複雑な思い

素敵な出会い

惨敗

どっか〜〜ん

温泉のお話

新婚旅行

カミング アウト

喉が渇いた

雨どい

爆! 進めない

静かな時間

釣り師の記録

先人達の記録

イワナ釣り昨今
new
昔話
new
昔話2
new





熊の被害




ここ数年 熊の被害が 新聞・テレビで報道されています

熊の被害は今に始まった事ではなく 昔から起こっていた事ですが
里に降りて来ての被害は最近の現象でしょうか

諸説言われていますが 私は「新世代熊」の出現が大きいと感じます
昔は 「マタギ」衆が山に入り 熊を求めて生活していましたが

「マタギ」の激減により 人を恐れなくなった熊の 新しい世代の出現です

時代の流れで当然なのですが 人にも熊にも不運な時代に成りました
人にとっても 熊にとってもいい関係でいられないものでしょうか


私はここ10年程 熊には逢っていません
会ってからの対処を考えるより 会わない対処を考えた方が現実的です

山の頂点に君臨する熊でも 食べ物リストに人間は入っていません
山での事故は 不幸な 「出会い頭」的な事故ばかりです

人間の存在を大いにアピールし 時には「爆竹」など鳴らしながら
私は山に入ります

人間の存在に気付いた熊は 危険を感じ逃げる行動に出ます
当然 私からは見えませんし 私自身気付きません
しかし これがお互いの距離感を保ち 無用な出会いを避けていると信じています

山や森は彼らの住処で 彼らの持ち物です
お邪魔しているのは 私たち人間で 熊が居るのは当たり前の事です

熊の五感に訴えるように 「音」・「臭い」・「光」などなど
人間の知恵で 不幸な出会いを避けたいものです

山に入れば熊は 直ぐ横にいる
当然の事ではないでしょうか









熊棚・・・くまだな




熊棚 あまり聞き慣れない言葉です

熊が棚に入って 並んでいる訳ではなく


木に登った熊が 食べ物である 「木の実」等を 枝ごと手繰り寄せ
折れた枝を自分の周りに捨てるのですが
体重の重い 熊はその位置から あまり動きません

捨てられた枝が だんだんと重なり合って
いつしか鳥の巣のような形状になり 熊棚の完成です

山歩き・谷歩きで たまには空を見 たまには木を見
偶然にも 熊棚を見つけられれば ラッキー!


あなたは 間違いなく熊の縄張り内に居ます (^O^)♪










がさがさ




またまた 熊の話ですが

山での熊の歩き方って 知ってます?

笹薮を掻き分けたり 斜面を登ったりと・・・・
大きな体で 「がさがさ」 「ドスン」 「バキバキ」・・?

野生の熊です 足音などはたてません
静かに 静かに 歩きます

笹薮なども 私などは「ガサガサ」 「バキバキ」 音を立てながら行きますが
彼らは 一切音を立てません



「スー」 と笹を抜けて来るのです


相手の事を知る・・・大事です










極端




以前聞いた話ですが

1年の天候は 必ず最終的に「帳尻」を 合わせてくる

雨季に雨が少なければ 夏の大雨があり
雨季に雨が多ければ 夏の日照りが起き

年間の降水量を合わせに 雨が降る・・・


最近 あまりにも極端過ぎない?

以前は 毎年毎年 「洪水」 「浸水」 「氾濫」 「災害」等
無かったような気がするのは 私だけでしょうか?

何年かの周期で来るのは分かりますが
ここ数年は 毎年です

地球温暖化は こう言う所にも現れるのでしょうか・・・










確認結果




数年前から 感じていたが  どうも最近季節がおかしい?

季節が 「ずれている」 感がする
それを 確かめたく 今回同じ渓に時期をずらし再渓

昨年の入渓時期 一昨年の入渓時期 その前の入渓時期
資料や記憶を元に考えるが どうもずれる・・・

会う人 会う人話を聞くが皆答えは同じ
「去年より田植えが2週間遅いよ」
「紅葉の時期が遅いね・・」


明らかに季節がずれている
東京では4月に雪が降り 季節が狂いだしている

当然 イワナの遡上も狂い出している
8月の盛夏を過ぎれば 通常遡上の開始だが
今回8月過ぎに入渓しても イワナが居ない・・・?

それを確認したく 1月遅れて 9月の末に再度 入渓となった
結果 イワナは居た

10月になれば 全国的に禁漁期に入り 実質釣りは出来ない事に成る
10月末まで釣らせろと 言っているのではなく

自然の季節がずれている事が問題だ
2週間という 僅かな時間だが 確実にずれている

釣り師から見た 小さな事だが


嫌な予感がする










複雑な思い






これは 私が毎年お世話になっている 宿での事です

気の良い女将さんが こう話しながら持って来た


「これね 残り物で悪いんだけど 食べて・・・・」

「今日ね 宿に来たお客さんが釣ったらしいんだけど・・・ねえ・・
どうしても 自分で釣った物が食べたいって事で焼いたんだけど」
「・・・・・」


女将さんの顔を見れば その先は言わなくても分かるよ・・


それで 私達の部屋へ持ってきたのがこれです



体長10pあるでしょうか?

女将さんは イワナと共に生きて来た様な人で
毎年私達が 源流奥深く釣りに行ってる事も知っている人です

このイワナ 食べてお腹の足しに成りますか?

何故 わざわざ私達の部屋へ持ってきたのか?
2匹ばかりの小さなイワナ ゴミとして処分した方が 手間は掛かりません


私なりの解釈ですが

やはり女将さんには 捨てられなかったのでしょう・・・・
せめて 誰かに食べて貰いたかったのでは ないでしょうか?

女将さんのイワナに対する気持ちが 感じ取れます


このイワナを釣った人は どんな気分で食べたのでしょうか?
残り物と言う事は 他に何匹か居たのでしょう

さして美味くもないイワナを食べ ビール片手にほろ酔い気分かな?


皆さんは どう感じられるでしょうか


釣り雑誌やHP等で 様々なキャンペーンを見かけます
リリースから始まり 渓でのゴミ 更には森林開発まで・・・

とても良い事であり 賛同もします が ・・・??

何か 釣り師の「エゴ」を感じるのは 私だけでしょうか

「私はイワナを釣るけど 貴方はダメね!」 的に聞こえるのは・・・


源流や渓流での釣りを 皆辞めましょう!!

とは 誰も言わないですよね・・釣り師なら



本当にイワナを愛し 自然を愛しているのなら 渓を荒らす釣りなどは

辞めるべきです!



口では 自然を愛してると言う 私などは完全な偽善者でしょう


何をいい歳して 青臭い等と言われそうですが
私の正直な気持ちです


ここで 上記のイワナの画像ですが 私には何も言えません

私も 初めの頃は 数釣りに明け暮れ 大きさなどはさして気にしない
釣りを 何年か過ごしました

そんな 私に何が言えるのでしょうか?

昔はいいけど 今はダメ とでも?

大きいのはいいけど 小さいのは ダメ! とでも?



釣りは 職漁師でも無い限り 無用な殺生で
リリースをしようが何をしようが 趣味の遊びの為の殺生であり
その事を 忘れずにいたいものです


小さなイワナを釣り 持って帰ることが 何か重大な犯罪のごとき
極悪 非道的な事を・・・

 私には言えません


私に出来るのは 小さなことです

渓で落ちてるゴミを見つければ そっとザックに仕舞い
可能な限りのリリース それ位しか出来ません

数々の殺生のせめてもの罪滅ぼしです



本当に大事なイワナなら 釣りは辞めるべきです!


私的には これからもイワナの殺生は続くでしょう
釣りに行く以上 何をどうしても イワナを殺すのには変わりありません


魚を傷つけに行く・・・それが釣りではないでしょうか?










素敵な出会い




先に開催された 伊勢丹での「青森物産展」
黒石から 「津軽・こみせ」さんが出展された

不思議な御縁と言うのでしょうか また
偶然の出会いも重なり 本当に不思議な出会いでした

思い起こせば 九州生まれの私は イワナ釣りも手伝ってか
足を向けるのは 北へ 北へと通う日々

ピンポイント的に釣り歩く 旅の釣り人は
その山域や地域の河川を知ってはいるものの
その地域での地元の人との交流は ほとんど無かった

イワナ釣りに行って 釣りをし ただ帰るだけの釣りに
いつしか わびしさを感じ始めていた頃

インターネットとの出会い
我が家にパソコンなる物がやってきた

興味半分 無料のホームページスペースを借り開設
ふとしたきっかけから 青森の人と知り合いになれた
釣りとは関係の無いところで知り合ったのだが
今思えば それが良かったのかもしれない

知り合いが知り合いを呼び
友が友を呼び

いつしか 大勢の友人に出会えた

私にとって かけがえの無い宝物となり
素晴らしい出会いに感謝!

私にとって 縁の無かったひととの出会いもあり
新しい出会いに 感激している

不思議な出会いに 少し戸惑っている
私自身が・・・・

可愛い!











惨敗




今から十数年前 時代は昭和の終わりの頃
ある事がきっかけと成り 源流へ行く 今の釣りスタイルになった

当時の私は いわゆる 「渓流釣り」で 日帰りのつりしか知らなかった
本や雑誌などで たまに見かける 源流釣りも
当時の私には 無縁の物であり
奥地の源流へ行かなくても それなりに数が釣れていた

いつものように 「夜討ち朝駆け」で釣り場に着き
夜明け前に川へ入ると言う 普通の渓流釣り

その日私は 何の情報も無いまま とある沢へ向かった
普段と変わらない釣りでしたが
昼過ぎに事件は起こった・・・

4.5mの竿に 長さいっぱいの1号の道糸
ハリスは0.8号と 当時の標準的な仕掛け

納竿少し前 小さなポイントに餌を送り込むと

「ゴツン!」 と いかにも大物のあたり

それまでの私の記録は31.3pと 尺と呼べるかどうか
微妙なサイズ?

しかし その時のあたりは 今までに感じたことの無い
強烈なあたり

瞬時に針合わせをし 竿を立てるが1秒と持たず 糸を切られる・・

その直後に上流へと逃げる 見た事も無い丸太棒の様な魚影・・


イワナ釣りに関しては それなりに自信や経験が在ったが
今自分が直面したこの場面は いったい・・・?



場所から言っても イワナ以外には考えにくく
50cmをはるかに越える魚影・・・


「居るんだ!」


今まで 大イワナ等は昔の話で 今の時代に居るわけない!
と 自分なりに思っていたことが


「居るんだ!!」


「大イワナは 今も居るんだ!」


インターネットなども 今ほど普及しておらず
情報などさほど 無かった時代

民宿や宿などに 飾られたイワナの「魚拓」は どれもこれも 昔の事で
茶色く色あせた 時代物ばかりで 昔の事と思っていたが

昭和も終わり 平成になろうとしているこの時代に
「大イワナは いた!」


糸を切られ 大イワナを逃がした悔しさはあるが それ以上に
この瞬間 今まさに逃がしたイワナが 大イワナだった事に

また
今の時代に 大イワナが居る! という事に
何だか判らないが 嬉しさがこみ上げて来た


「そうか この沢の上流・・・か」

「今まで さほど気にもしていなかったが 源流か」

「この川の上流 更なる源流とは どんな所なんだろう?」

「大イワナが乱舞する 夢の楽園があるのかも知れない・・」


「よし! 行ってみよう!」


「来年 又ここに来て 更なる源流へ行ってみよう!」



この時 私は源流オタクへと変わったのです


2007/04/18 (水) 19:22:58









どっか〜〜ん!




昨年の痛恨の悔しさから 禁漁期間に
沢登に関して 片っ端から本、参考書を読み漁った

また同時に 登山、ロッククライミング、フリークライミング
果ては 南極大陸横断の冒険書まで購入し 読み続けた

全てが全て イワナ釣りに当てはまる事では無いが
大いに参考になり 感心し 勉強させられた

今では ほとんど 覚えてないが・・・o(^-^o)



さて リベンジとばかりに 去年逃がしたあの沢にやってきた

同じ時期に 同じシツエーションで沢に入った

ただ あの時と違うのは
真新しいザックに 装備一式を詰め込んで 最初の一滴
この沢の源流を目指すべく 買い込んだ数々の品

それに
試行錯誤の結果 一番良いと感じた釣りの仕掛け

この仕掛けは 今でも私の中では 基本中の基本です

基本的には提灯釣りですが 場所に応じて作り変えます
長さは 5.1mの竿に 3号の道糸を1〜2m
2号のハリスを20p 針はとにかくでかい物

この仕掛けでは 糸が切れることはまず無く
無理をすれば 竿が折れるでしょう・・


本や参考書で 知識だけはあるが
渓での過ごし方や夜の恐怖 熊の恐怖・・・数え上げたら切が無い

一抹の不安は当然あったが それ以上に

「大イワナに逢いたい!」

「夢にまで見た源流に行きたい!」

と あとは行けば何とか成るっちゃ!


今思えば 未熟な技術と幼稚な装備でよく行ったもんだ〜!


沢を登り 見覚えのある場所にたどり着いた

あのとき逃がした大イワナは 今この場所に居るのか?

慎重に餌を流すが あたりは無く
「やっぱりな〜」
「世の中そんなに 甘くないよな」

いささか 気が抜けた感じだが 私にはまだ目的がある

今までは 時間を気にして 引き返していたが 今回は違う

「戻らないんだ!」

未知の源流部へ 一歩一歩進んだ
イワナは元気に出てきて 順調に進んだ


「どっか〜〜〜ん!」

まさに どっか〜んである!

それは いきなりやってきた


ちいさな 本当にちいさなポイントで 奴は来た

餌を送り込んだ途端 竿ごと吸い込まれた・・・
今までとは明らかに違う この手応え

「でた!」

「とうとう 出たぞ!」

力任せに竿を立て直す

・・・・・

・・・・・


昨年は 1秒と持たず切れた糸

・・・・

・・・・


「切れない!」

「あれだけ 家で試した糸だ 切れるはずが無い!」


畳3畳程のポイントで 奴は必死に抵抗している


水中に突き刺さった糸

その後に弓なりに曲がった竿


突き刺さった糸を通して 手に! 腕に! 全身に! 感じる この手応え!!


川底に沈んでいる大きな流木に根掛かりした
そんな感じがしばらく続いた

・・・・

幾分 弱ったかな?


3号の糸に全てをたくし 竿を立てた


!!!


それまで底に沈んでいた奴が 姿を現した

「うわ!」


「蛇だ!」


そこには 今まで 見た事も無い
あまりにもでかい 大イワナ

水中をクネクネと まるで蛇のような 異様な姿を見た途端

私の中で 時間が止まった



今まで聞こえていた 鳥の声 水の音 全ての音が消え
時間が完全に止まった!


・・・・


何を思い 何を考えていたか?
今でも 思い浮かばない


ただただ 無我夢中で大イワナに対峙していた


どれ位の時が過ぎたのか


水面に姿を現した大イワナ

糸 竿共に切れる事無く 折れる事無く 耐えている!


水面で大きく空気を吸わせ そのままズルズルと陸に引き上げ
あっけない幕切れとなった


糸をつかみ イワナを抱きかかえた途端
ヘナヘナトと座り込んだのを覚えている


昨年逃がした あの大イワナが 今
私の腕の中にいる・・・


宿に張ってあった 魚拓・・・・

今 ここに居る・・・


それまで 尺岩魚に大きさを感じていたが

・・・・・

全然 話にならない


尺岩魚などとは比較にならない 大人と子供




「これが イワナ釣りか・・」

「これが 本当のイワナ釣りか・・」


本当の意味で イワナ釣りに出逢えた瞬間でした



後日 この時の大イワナを計ったところ 47pでした

翌年 我が奥様もここで 同サイズ 47pを上げています

また 数年後 3人で入渓した際
私を除く 2人に同サイズが釣れています


この沢は 今でも健在で 大事にしている沢です


2007/04/19 (木) 14:50:14 記









温泉のお話




とある 温泉で支配人さんから聞いた話

仕事で長期滞在した温泉宿で仲良くなり
思わぬ 裏話を聞きました

約1ヶ月の滞在とあり 宿の方とも親しくさせて頂いた

私が湯に入っている時にちょうど 湯の成分を計りに支配人さんが来た

あれこれ 話をしている内にこんな事を聞いた


「ここの湯はね 良いんですよ!」

「?」

「ここと 下とでは違うんですか?」


「ええ 違うんです」


不思議に思い あれこれと尋ねると
温泉に付いてのご講義が始まり 私は湯に漬かりながら
即席講義を拝聴した・・・(*^O^*)


長くなるので かいつまんで言うと



まず 温泉は源泉に近いほど良いらしい
・・これは 私も知っている・・


次に毎分の噴出量が 日によって違うらしい
・・これは 初耳・・


さらに 季節や天候により 噴出量が違うとの事
・・おお さすが支配人!・・


で 先程の話ですが
何故 この湯が良いのか?

同じ敷地内に入れる湯は 5箇所程あるが・・・?

あれこれ 答えを言うが どれも外れ・・



そして 答えですが

「誰も 入らないからです」

「??」


意味が判りません・・・


ここからは 私も聞いていて 感心しました


ここは 源泉が敷地内にあり 一軒宿で温泉はどれも同じです
ですが ここの湯は小高い丘の上にある 露天風呂です

皆さん 寒い思いをしてまで この湯に入りに来ないんです
誰も入らないので 源泉の濃度がそのままなのです

人が入ると 入るほど源泉は薄くなっていきます
湯の噴出量によっても違うのですが
薄くなった源泉が元の濃度にまで戻るのは それなりに時間が掛かります

私どもお客様商売で こう言うことは 言ってはいけないのですが
誰も 入らない温泉が 一番良い温泉なのです

とある山の奥にある 源泉100%の宿では
利益より「湯」を守る と言うことで
日帰り客の入浴を禁止にしました

お泊りになった お客様にだけ  本当の源泉を味わって
頂こうと 言うことらしいです


私共も 源泉100% 掛流し 五つ星の湯として
日帰り入浴は規制させて 頂いて下ります・・




言われてみれば その通りで
支配人さんのお湯を大事にされている事が 伝わります


確かに ここの湯は 今までに無いお湯でした

後日 私は奥様を連れて泊まりに行った位ですから

その時に 奥様が言われてました

「私ね こんな湯入ったことが無い・・・
今まで入った何処の湯よりも良いよ!」



ここは宣伝はしていないのですが
各方面から泊まりに来られているようです

本当にここ 良いですよ!


2007/04/19 (木) 17:39:01 記









新婚旅行




今から 二十数年前 私は世帯を持った訳ですが
当時 彼女は 「趣味らしい 趣味はなく」
これ幸いにと イワナ釣りへと 誘い出した・・・

しかも 黒部  一級の渓に

初めての渓流釣りとあって 優しくサービス


釣りそのものは いいのですが  問題は 高巻きに 川の横断


高さ20m程の高巻きに入り事件は起こった


若干の草付ではあるが 立ち木も有り それ程難しくはない!
と・・・・
思ったのは 私の勝手で

何とか10m程登ったが そこから先へ行けない
進むも困難・戻るも困難
崖の途中で立ち往生してしまった

先行してしている私から見れば  あと一歩なんだけどな〜・・
その一歩が出ない・・・

立ち木にしがみ付いてる 彼女だが
時間と共に 手が震えだし 力が尽き始め
顔が泣き顔へと変わってゆく
・・・・

これは いかん!


彼女の真上に回りこみ 背中のザックを力任せに つかみ
強引に 横へと 渡し切った

今から 二十数年前の事



新婚旅行が奥様の 渓流デビューである m(_ _)m


2007/06/27 (水) 19:00:24 









カミング アウト




源流参りの途中 食事も済ませ
のんびりと 星空なんか見ちゃったりしてしている時に

奥様の 突然の カミング・アウト!?



「私ね もう何十年も イワナ釣りしてるでしょ・・
山での 野宿も何度も 何度も経験してるでしょ・・・

私ね 一人でも 山から 戻れるよ!
火も起こせるし テントも張れるし 滝だって登れるし・・

だから 何かあっても 一人でも 帰れるよ!」


・・・・・・


う〜〜〜ん・・・・



これは 私に保険を掛けて  山に埋める気か?


一人でね・・・・・



手前味噌ですが 我が奥様

奥様釣り師!  頼もしいお言葉です!


元水泳部と言うのも 手伝ってか
水に濡れる事も苦にならず?

ダムでの泳ぎの横断も 付いて来る・・・・

考えて見れば なかなか居ないですよね 奥様で・・・



これからも よろしく!

頑張れ! 奥様源流師! (^O^)♪



2007/06/28 (木) 19:03:56 記









喉が渇いた




ある方と プチ源流へ御一緒した時の話

彼女は 釣りが初めてとの事で 日帰りで優しい沢を選んだ

初めて竿を持たれたので 釣果の方は・・・・
だが 予想もしなかった事で 事件は起きた

大自然に触れ 満足された様子に ホット一息



「あの〜すいません 喉が渇いたんですが・・」
「どこかに 水の飲める場所は 有りませんか?」

一見 ごく普通の会話の様に聞こえるが
ここは 原始の森  足元には 生まれたばかりの「水」が
轟々と 流れている


「水なら 手ですくって この川の水が飲めますよ!」
と 私・・・


「えっ!  川の水を飲むんですか?
だって 川の中には 虫がいるでしょう? 石だってあるし!」
・・・・・


たまらず 奥様も 援護射撃?

「川の水って とっても美味しいんですよ!
冷たくって 街では味わえない 美味しさですよ!」


しかし 彼女の耳には届かず

「 川の水なんて とても飲めません!」


これにて 終了!


何とか 側壁の 清水を飲んで 頂いたが


車に戻り 途中の自動販売機で 美味しそうに
「ペットボトルのお茶」を 飲んでおられました


このHPの自己紹介の欄にも 書いて在りますが
私は 唯一の条件として

「川の水が 飲める場所で釣りをしたい!」

街では 汚れた水を ろ過して
錆びた配水管を通り お世辞にも
「美味しい」とは 言えない水

人の手を通り ペット詰めにされた お茶や水


生まれたての水より  人の手を通った水しか飲めない?

何か 本末転倒している気がするのは?


本来 イワナが生息している川は
水が飲める 綺麗な流れです

川の水が飲めないのならば
それは イワナの住める川ではありません

そこに生息する魚は イワナの姿をした 別の魚では?


私は これからも 水の飲める川で 釣りをしたいのです



2007/06/30 (土) 15:26:23 記









雨どい




よく 用水路でイワナが釣れると 聞きますが
私の場合は 沢は沢でも  まるで雨どいの様な沢

はたして これが沢と呼べるかどうか?
岩清水を少し太らせた様な流れ・・・・

「雨どい」と呼んだ方が 分かり易い感じの流れ


今から十数年前 小さな沢を詰めていると
次第に 沢は痩せて行き みるみる水が無くなっていった


せっかくだから もう少し行って見ようと なおも沢を詰めると
1枚岩の大きな滑滝に出た

岩肌を サラサラと水が流れるその先に・・・・


身を隠す物など 何も無い 滑滝(水深5センチ程)の中ほどに
半分鳥の餌食と成った ゆうに50pを越える大イワナが
息絶えているのを見た


雨後の増水で登って来たのか
イワナと川幅が同じぐらいの 小さな小さな沢

こんな 雨どいの様な 沢にも イワナは登るのか!?


これだから 沢釣りは 辞められません!



2007/07/13 (金) 17:31:57 記









爆! 進めない?



数年前 大規模な川の源流へ向かっていた時の話

久しぶりの登山道を アップアップに成りながらも登っていた時
後に続く奥様の一言に 笑い転げた・・・


大汗をかきながら 真剣な表情で彼女が言った

「 あのさ 私頑張って歩いてるんだけど 前に進まないんだよね?
おかしいな? おかしいな? 足がさ・・ 前に出ないんだよね!」


一瞬! ドキッとしたが 直ぐに事態がわかった

奥様の山歩きの癖で 下を向いて歩く癖がある・・
逆に私は 能天気な性格か 上を向いて歩く癖がある

登山道とは言え 当然急な登りもある訳で
体感的に傾斜角度30度以上の 胸突き八丁場の真っ只中に居る

下を向いて歩く彼女には 疲労困憊も手伝ってか?
急な登りに入った事が分からず? 真剣に体の不調を訴えた!


「そりゃ 当然だよ! こんな急傾斜で簡単に進めたら怖いよ!」
ほとんど 階段か はしごを登っている様なもんだし!」


少し安心した様子で 奥様の一言・・・

「そうだよね そうだよ! 急な登りだもんね!
私ね さっきからいくら頑張っても 前に進まないから・・・
おかしいなと思っていたんだ!・・・・」

話を最後まで聞かないうちに 私は我慢できずに大笑いした!
真剣な表情で訴えかけるので なお更おかしくて 笑が止まらない

遥か眼下に流れを見ながら 誰も居ない登山道で
大笑いが続いた・・・・



2007/07/27 (金) 19:15:33 記









静かな時間







駅前にある 小さな喫茶店

年配の女将さんが一人で切り盛りする 喫茶店です


或る時 こんな話を うかがいました

「私ね 新潟の山奥で生まれ そこで育ったんです・・・
娘時代にね そこが嫌で嫌でたまらなかったの
いつかは ここを出るんだって 決めてたの

だって 一年の半分は雪の中なのよ・・・
人生の半分 損をしてるの


それでね 学校を出て 街に出たの
そこで 四国出身の人と出会ったの

四国なら雪が無くていいと 思ったのね
すぐに 結婚しちゃった・・・


子供が出来て 幸せに暮らしていたの・・四国で


いつしか子供たちは独立して それぞれ家庭を持ち
皆元気に過ごしていたの


それがね お父さんが亡くなって
私 一人で四国で暮らしていたんだけど

娘がね 言うのよ


お母さん 一人じゃ心細いでしょ
こっちに来て孫の面倒でも観てよ!・・・って


わたし 独りで居ることに 心細くは無いんだけどね
一年考えて やっぱり来ちゃった (*^O^*)


あれほど嫌がっていた雪のある街に

因果な物ね・・・


娘がさ 山形の人と一緒になって 山形に住んで
孫の世話で 私まで山形に移り住んで


雪かき?


朝の5時からしてますよ!」



誰も居ない 店内に女将さんの笑い声が響いた



年末 大晦日
深々と降る雪の中 静かに時が過ぎてゆく 午後でした



2007/07/30 (月) 12:48:02 記









釣り師の記録




暇を見つけては 釣りに係わる本や雑誌など ながめていますが
源流や源流域での釣りの極めて少ないことか・・

単純に・純粋に釣り師の遡行記等はほとんど見当たらない

「釣り」という性質上 ここで大きいのが釣れました!
などど 事細かに場所の説明など 公言する方はいないでしょうが

釣り師から見た 沢の遡行や谷の具合 当然魚の有無など
皆無に近い気がします

同じフィールドの山屋さんや沢屋さんの遡行記ばかりが 目立ちます

当然ながら 個人の目的や背景など諸事情は有ると思いますが
少し残念な気がします

山屋さんや沢屋さんが釣りをするのがいけないと 言うのではありません
私としては同じ遊び場ですし 大いに結構な事だと思っています

ただ その事が釣り雑誌や本に堂々と載っている事が

「・・・・・少し違うかな?・・・・」

と 思えるのです


彼らの目的は 沢などの完全遡行であり 魚釣りが目的ではありません
遡行の途中で 少しだけ竿を出すのと

釣りながら遡行するのとでは大きな違いで

必然的に装備にも違いが出てきます


山の本や雑誌などに出てくるのであれば 何の異論もありませんが
釣りの本の紙面上に 山屋さんが釣った魚を見ても

「・・・・・?」


不思議な違和感を感じます



2007/09/29 (土) 17:54:42 記









先人達の記録




山形県は朝日村 また朝日村界隈さらに 朝日連峰

情報元が曖昧なので正確さには欠けますが (^O^)♪

この界隈の「さわ」を 歩き尽した人が居るそうです・・・


この話は2〜3年前に聞いたのですが
憧れと尊敬とお馬鹿!の入り乱れた気持ちで聞きました


この方 何でも役所勤めをしながら 趣味の沢登りを続け
定年後の半生を地元の沢登りや沢名の記録に挑まれたとか

なんでも この地域に存在する「沢」の数3000余数
その全てを記録に残すために歩いたとの事です

その魂の地図と言いましょうか
彼が一人で地道に遡行し続けた沢の記録が地図として 残されていたそうです

が その貴重な地図も1枚配り 又1枚配りで とうとう無くなってしまったとの事
残っていれば 私も1枚是非頂きたい地図ですが・・


地図以前に この地を巡り登り尽くした彼の偉業
まったく持って 頭が下がります

私には 何が残せるのかな・・




2007/10/01 (月) 18:58:05 記









イワナ釣り昨今




HPの運営に伴い 様々な方からご質問・相談があり
出来うる限り真剣にお答えしていますが
似た様な質問が重なり これは? と思いここに記す事にしました

内容的には
「イワナが釣れない・数匹しか釣れない」
「何かいい仕掛けが ありますか?」 などなど

当然ですが 釣れない事へのご質問です


これからイワナ釣りを始める方 すでに何年か経験している方へ
イワナの歴史などと大看板を うたう気はありませんが
現状置かれているイワナ釣りを記したいと思います


私がイワナ釣りを初めた三十数年前
雨の中 渓に立てばイワナの入れ食いなんて事は
ごく普通の事でした

竿を出せば 簡単にイワナが釣れるのですから
一日釣れば 相当数釣れます
当時リリースなどと言う言葉も無く 当然のように持ち帰り
数の多さを自慢げに見せた物でした

当時イワナは 「幻の魚」と言われていましたが
現在の釣れないイワナとは意味合いが違い
山の奥に出掛けて行く 困難な釣りから 当然釣り人口も少なく
わざわざ山の奥まで行って釣らない=知名度が低い

イワナを知る機会が 少なかったからの為です


振り返って思えば この当時すでに イワナ釣りは変わりつつ
あった事でしょう

道路地図を頼りに 東北・北陸を釣り歩いた時期で
比較的どこの渓流でも釣れていたイワナ釣りは
私達世代が ギリギリ最期の様な気がします


渓流に於いてイワナの数が減ったのも確実で
責任の一部を痛切に感じてもいます

また 電源開発を始め治水管理・治山管理・護岸整備など
自然破壊が進み 渓魚達にとって辛い時期が続きました

「良いか悪いか?・必要か不必要か?」
事情や背景が様々あり 当事者でもない私が
意義・異論を唱える気はありません 事実経過として書き留めています


下流部に生息する ヤマメやアマゴなどは 生存が脅かされ
比較的早くから 養殖・増殖の研究がなされていました

一時は尺ヤマメなどは 遠い昔の出来事で 
当時は絶望的・壊滅的な所まで 追い詰められましたが
養殖技術の進歩で 放流魚が増え 今に至っています

当時 釣り雑誌に書かれていた記事ですが
今でも鮮明に覚えております

「小さなヤマメばかりで 釣りと呼べる物ではない・・
が今後 この放流により昔の様に ヤマメが釣れる事を願う・・・
いま放された稚魚の 何パーセントかが数年後には大きくなり
各地で尺ヤマメが釣れ出すだろう・・・」

時代はまだ昭和の時代だったと 記憶しております
二十数年を経て
彼の予想は今 現実となっています


私の住む町でも 以前はどぶ川と呼ばれ悪臭を放っていた川が
ほとんどでしたが 現在その面影は無くなり
見た目 綺麗な川に成りましたが
汚れる以前に生息していた動植物が自然復帰するはずも無く
人工的に作られた川が そこにあります
決して自然が残されているのではなく
一度壊された自然を 人の手により奇麗にされた 見せ掛けだけの場所です

高級割烹などの入り口にある 「箱庭」を見て
自然が残されている! と思う人はいない はずですが
現在の渓流においても 同じ事が言えます



上流に住むイワナにとっても不毛の時代で
養殖の研究・技術が遅く また難しい事もあり 激減したのも事実です

ですが 技術の進歩により ヤマメに遅れること数年で
イワナも本格的に放流される様になりました


時同じくして 駅前の小さな釣具店が姿を消し
大型釣具店が登場し 新しい釣具なども大々的に紹介され
ルアーやフライなどが大いに流行りだした時期でもあります

また 自然保護や環境意識が高まり
「自然ブーム」「渓流ブーム」など 各地で広まり

真新しい最新のファッションで 同じ川に何人もの釣り人が
立ち並び 竿を出す光景が見られました

次から次へとやってくる釣り客に答えようと
漁協は次から次へと放流を繰り返したのです

そこで 重大な事件が起りました

イワナの固有種です

平成の今の時代でさえも イワナは厳格に識別されていません

代表的なイワナに
ニッコウイワナ・ヤマトイワナ・エゾイワナ・ゴギなどがそれですが
さらに 地域や河川で特有の固体種が存在します

その河川・同一河川で捕獲されたイワナから繁殖・増殖させたイワナなら
問題ないのですが 一部の地域では
繁殖業者から購入したイワナを そのまま川に放流する事態が起き
どこの生まれか分からない 産地不明なイワナが放流され
その河川特有の純潔イワナは壊滅的に姿を消しました

これにより 混血種のオバケイワナが出現する事と成ります


更に季節により移動をするイワナゆえに
ダムの出現や堰堤の存在で 川は分断され
鮭・鱒類に属するイワナの回帰本能はそれ以上 川を登れない
産卵期に安全な場所で産卵できない事態が起るのです

不安定な場所での産卵は 一度大水が出れば流されたり
他の魚のえさとなり 悪循環は続く事となります

地域住民や各漁協の頭の下がる様なご苦労の末
激減の一途にあったイワナは増えつつありますが
周りの環境は大きく様変わりしました

以前ヤマメとアマゴが混在して釣れる川がありました
これは自然界では あっては成らない事です
静岡の一部では混在するとの話を聞いた事が在りますが
東北地方での混在は ありえない事です
とても大雑把ですが
西日本=アマゴ 東日本=ヤマメ
西日本=サツキマス 東日本=サクラマス
サツキマス・サクラマスともに アマゴ・ヤマメの降海型
イワナの降海型はアメマス


話を本題に戻しますが
イワナ釣りは昔から 深山幽谷と言われます様に
深い山の中での釣りになり 独特な釣りでもあります

何時間も 時には何日も歩き回る釣りです

釣り人口も比較的少なかった三十数年前でさえ
電車を乗り継ぎ 日に数本のバスを利用して山の奥を目指しました



数年に一度NHKで放送される 「まぼろしの魚 イワナ釣り」 の特番

当時イワナ釣りなど知名度は無く
今風に言えば「秘境探検隊」的な取り扱いで
わくわくしながら 観ていたのを覚えています

ところが昨今 放流イワナの激増で
イワナ自体が身近な存在と成りつつ有り 一般的な釣りに近い
存在となり これはこれで良い事ですが
私はこれらのイワナを釣りたいとは思いません

このHP自己紹介の欄に書いて在りますが
「水の飲める場所で釣りたい」

私は様々な思いを込めて こう書きました


太古の昔から繰り返され脈脈と受け継がれてきたイワナは川の最上流域に生息し
彼らが生活している水域は 山から・地層から流れ出した
生まれたばかりの水で囲まれ 純度100%の水です
私達人間が飲んで何の支障があるのでしょうか
これ以上の美味しい水はないと 私は思っています


返せば 川の最上流ですら その川の水が飲めない
現実が今 ここにあります

車から降りて 直ぐにでもイワナ釣りは出来ますが
水が飲めない場所に居るイワナは
容姿はイワナでも 本来のイワナではありません
人の手で育ち放された 養殖イワナです

時代の流れと共に 大きく変ったイワナ釣り

ただ単に イワナを釣りたいのであれば
私は管理釣り場をお勧めします

濡れる事も無く 危ない事も無く
いつでも身近にイワナ釣りが出来ます


残念ながら私には 渓流に放流されたイワナを釣るのと
管理釣り場で釣る事との 違いが分かりません


イワナ釣りは3K(キツイ・キタナイ・キケン)の極まりで
本当に岩魚釣りが好きでなければ 続かない事だと思っています

歩いて歩いて 歩き疲れ 滝が出てくればよじ登り
崖が出てくれば 迂回し 苦労して苦労して
やっと巡り合えたイワナに
感激し 感動し 感謝する釣りだと信じています


誤解の無いように 何度も言いますが
これから始めようとする方に 水を差す気は毛頭ありませんし
また 源流至高主義でもありません

楽しい遊びであり 楽しい時間であり
言うまでも無く どこで釣ろうと個人の自由であり
趣味・趣向の問題です

ただ 過去から現在まで 毎年のように釣り人の死亡事故が起きており
他の釣りでは考えられない釣りであり 独特のスタイルです

まるでイワナに取り付かれた様に山の奥に消えて行く・・・


イワナ釣りとはそう言うものなのです


頑張って山を越えて行った御褒美にきっとイワナは出てきてくれます
人間の存在など知らないイワナは
流されたえさには ちゅうちょ無く食いつき
棒切れにひもを結んだだけの仕掛けにも掛かります

一日釣って 十匹以下なんて事は イワナ釣りとは言えません


難しい事など さほどありません
本当の意味で 本気でイワナ釣りがしたいのであれば
本来 イワナが居る場所に行けば良いのです
ただ 残念なことに 本来のイワナは時代と共に
山の奥へと年々追い込まれています

分かり易く説明しますと
釣れないと言われる方が竿を出しているその場所は30数年前なら
確実に天然イワナが釣れ いい釣りが出来た場所です
ただし その場所に行くために 相当苦労をして行った場所です

現在のような 林道の整備・延長など無く
また 川沿いに道など無い時代の事で何日も・何時間も掛けて歩いて行った場所です
それが 今では林道の延長などで車でスイスイ行ける様になった場所なのです

それこそ 明治時代以前などは 素晴らしい秘境であった場所です



残念な事に現在のイワナ釣りは 私が始めた当時より
確実に 数倍難しい釣りだと感じます

釣れないと 悩んでいる皆さんが 現在釣りをしている場所は
過去に於いて イワナが釣れた場所であり
私が実際に釣っていた場所でもありますが 残念ながら過去の釣り場であり
イワナの自然生息・自然繁殖が出来なくなった場所です


一度の放流で何千匹〜何万匹と放され
それに群がる釣り人が 連日連夜やってきます

放された魚のほとんどは釣り切られる事でしょう
人間の存在や怖さを知り 生き残った魚を
あの手この手で激戦区の中なんとか 釣ろうと言うのですから
難しくて当然だと思いますが・・・・

道路開発の影響も多分にあり 車での移動・現地までの乗りつけ
など 随分と楽になりましたが
それに比例して イワナの姿が消えた川が増えました


放流イワナの増加に伴い 私は更に山の奥へと釣り地を求めました

それは 本来のイワナ釣りがしたく その為の選択であり
釣れない場所を過去の場所と切り捨て
新天地を求めたに過ぎません

私は釣り師で 山屋さんではありませんので
山が好きで 奥地を求めたのでは無い事です

私の様な釣りの下手な者にとっては 今の渓流では釣れません
イワナの影を追っている内に いつしか
山の奥へと 入り込んでいったのです



人間の匂いが届かない場所で
太古の昔より 今でも野生のイワナは生きつづけています

その為のご質問・御相談でしたら
微力ながら 応援させて頂きます



事実誤認・思い違いなどありましたら 御指摘下さい

2008/07/08 (火) 19:43:05 記









昔話




今から二十数年前に ある山域で拝見した郷土資料・・実話です

時代は江戸中期
川沿いを奥へと入り込んだ 森のお話で
今では道路が整備され 遠い昔の出来事


藩御用達の森 直轄の森
とてもよい木が取れたのでしょう
それを守る為に 近くに村を作り大事に木が育てられました

今でも豪雪地帯の場所です
当時の様子がどんな物だったのか 想像が付きます


ある年 村人の一人がこの森の木を勝手に切った事が
この郷土資料に残されています

働き盛りの若いこの青年は
大事に この地と森を守っていましたが
病気がちな母親の世話をも看ていました

今日の様な病院や医療体制が有る訳でもなく
薬などはとても高額で簡単に買える物ではありません

青年は母親に薬を飲ませたい 一心で
切ってはいけない木を数本切り倒し
それを薬に換えて母親へ飲ませました


当然 後日この事はばれる事になるのですが
それを覚悟で切り倒したとの事です

私は この郷土史を読み進みながら
「大岡裁き・村人の直訴・水戸黄門」などと
勝手に期待していたのですが

実際は 皆への見せしめ

惨殺さらし首
一家は皆 打ち首

親戚筋は皆 島流し

当時の判決資料です


この地に限らず 私が楽しくイワナ釣りをして居る場所では
昔の悲しいお話が 各地に沢山あります

わずかな時間で良いですから
その土地の歴史に触れて見て下さい

イワナが育った土地の歴史に


ゴミを捨てて帰る事など出来ないはずです


2008/08/09 (土) 10:02:01記








昔話 2




私と同世代 昭和のお話です

雪深い里の集落よりも なおも山深い場所
数世帯が生活されてた場所

昭和も中頃 日本列島改造論や好景気に沸く時代
バブル時代の少し前のお話です


都会と呼ばれる街に住む私が
過ごして来た学生時代の頃のお話です


山深く 滅多に人などやって来ない場所で
幼い頃は親と当然のように過ごしますが

小学生に上がる頃には少し事情が変わってきます


雪の無い時期はいいのですが
雪が一度降り出すと 豪雪地帯の場所ですから
想像を絶する量の雪が降ります

学校へ行くのに遭難する恐れが有る様な場所です


学校と言っても田舎の事 里山に有る分校ですが
そこへ通うのにも山の奥地からでは遭難します

雪が降ると電柱が埋もれて 足元の下に埋まっている・・


学校では校舎の近くに寄宿舎を作り
通えない子はそこで生活して 学校へ通う

私は知りませんでした
同世代でこの事実を・・・


彼らは親元から離れ そこで集団生活を送るのです

小さな子供たちが学校帰りに寄り道をして
コロッケを一つ買って仲良く分けながら食べます

ほほえましい光景ですが・・・

この買い食いの事が 里に住む地元の親たちには
めざわりにうつったのでしょうか?

いわれの無い「差別」が子供たちを苦しめるのです


「引揚者・孤児・」


部落の子とは話しちゃダメ!
口をきいちゃダメなどなど・・・


明るく振舞うも 子供たちの事
夜になれば 親が恋しいと泣く 低学年の子供を
上級生が小さな手を握り なだめる日々

共に生活をし 時には厳しく 時には温かく迎える寮母

・・・・・



旅の釣り人がふらっと立ち寄った地で
イワナ釣りをしている地での事です


私は 自分の父親の事・母親の事を
どれだけ知っているでしょうか

あまりにも 知らない事が多すぎます



イワナ釣りにしても
どれだけ その地の事を知っているでしょうか?


彼らが育ち 守り はぐくんだ思いの詰まった地を


ふらっとやってくる釣り人に笑顔で迎えてくれる
その裏に隠された想いを


以前ゴミが投げ込まれた畑にこんな看板を見ました

「あんたの いらん物は わしもいらん!」




間違ってもゴミなど捨ててこないで!

2008/08/09 (土) 11:54:04記







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