たぬきマンアメリカ激闘編の巻


第3回CLEOPATRA'S DREAM



デトロイトからバトルクリークに行くには、カラマズーという小さい空港に飛んで
それから車で30分位だ。
バトルクリークもカラマズーもインディアン用語が残っていて、
もうその上はカナダだから、大分田舎には間違い無い。
だからカラマズーに行く飛行機はホントにエアバスで、片側2列のセスナみたいな飛行機だ。
速度が遅いらしくなかなか飛び立たない。
日本人など乗っていない。
国際線と違って気楽なものだ。席はがらがらだし、”ただ”の酒をさんざん飲んだ後であっという間に寝てしまった。
気がつくとスチュワード(男です)がたぬきマンをおこしている。
「え?ワットハプンド?ナンデエシュカ?あ〜着いたのかサンキュー」1時間足らずで着いてしまった。
カラマズーの空港は小さくて、映画「ぽッぽや」に出てきた駅位の大きさだ。
まだ酔っぱらっていて顔も赤く、まるでアル中状態で空港を出る。
クルマをチャーターしてバトルクリークを目指す。ちょうど紅葉のシーズンで道路のまわりの木々が綺麗に色ずいている。
何年か前にイタリアのミラノにいった時、コモ湖というスイスの国境に近い高級リゾート地を訪れた。
ちょうど今ぐらいの季節で湖のまわりにあるプラタナスが紅葉していて道が落ち葉でいっぱいだった。
その時、あ〜!外国に来たんだな〜!としみじみ思った。
日本の秋の景色と少し違ってどこか異国の匂いがする。
パック旅行が大嫌いで二十歳の頃から一人で外国をふらふらしていた時期があったけれど、
いつもこういう気持ちになりたくて「旅」を続けてきたのかも知れない。

さてここで皆さんがいった事も見た事も無いバトルクリークについて一言
ミシガン州の北にある人口5万人(だとおもった)位の小さな町で、シリアル食品で有名なケロッグの工場があって、ほとんどケロッグの関係の仕事で成り立っている町である。
だから不潔な飲み屋街などどこをさがしても無くて、キリスト教的誠実さで生活しているきれいな町だ。
いったいここの若者は、週末になったらいったいどこに行くのだろ、と思わず心配してしまうたぬきマンであった。
たぬきマンがここで生まれたら、高校出たらすぐデトロイトにいって遊びまくる生活に溺れるような気がする。
さて車はバトルクリークで一番良いホテルについた(といっても、1軒しかないけれど)。マッカムリプラザというなかなか格調のあるホテルだ。
明日が路上篆刻パフォーマンスの本番なので、今日は早く寝るつもりで部屋に入った。
窓から外を見るとケロッグの工場がいくつか見えるだけで、その向こうに広大な大地が広がっているが、他になにも無い。赤ちょうちんなど下がっていない。
人もほとんど歩いていない。
げ!凄い所に来てしまった!外で夕飯を食べる事は諦めて、ホテルの最上階にあるレストランに行く事にする。
結構込んでいて少し待ってから、テーブルについた。
しばらくぶりにアメリカに来たのでステーキを注文する。
たぬきマンはアメリカの固いステーキがわりあいと好きだ。
ニューヨークにギャラハーズというステーキハウスがあって、そこのT-ボーンステーキは巨大だけど、
噛んでいると味があってなかなか旨くて良く食べに言った経験がある。
日本のステーキは、松坂牛や神戸牛などの高級霜降り肉を最高とする風潮があるけれど
いわば作られた肉で、それはそれで大変な苦労と努力をして飼育するのだろうが、アメリカの肉は牛本来の野生の味がする。
付け合わせはポテトのサワークリーム添。
出てきて驚いた。で、でっけー!
80年代にアメリカ人がぶくぶくと太りはじめてから、自分の肉体をコントロールできないのは恥だ!と言うブームが巻き起こり、
JOGやワークアウト、エアロビなどあ!というまにアメリカを席巻した。
おかげで大統領もそのプロフィールに1日何H走る、と書いているぐらいである。
90年代に入ると食事の見直しが始まりホントにアメリカ人は食べなくなった。
レストランでもアメリカンヌーベルキュイジーニが始まり、世界の料理を取り入れながらヘルシーでノンカロリーが合い言葉になった。
だから巨大なステーキなどもうどこをさがしても無いのかと思っていたが、で、デッケー!
厚さ3センチ、大きさは両手を広げた大きさよりもまだ大きい!
他のテーブルを見ても皿の上に巨大料理が乗っていて、みんな当り前のようにパクついている。
そうか、きっとバトルクリークの人たちが大食いなんだな。まさか今のアメリカでこれはないよな。と思ったのだが、、、。

アメリカ豆知識
バトルクリークは、その昔渓谷をはさんで、インディアンと白人が戦った事から名前がつけられた(らしい)。
驚いたことにインターネットが、民間のレベルではまだ少ししかつながっていない。
アメリカだからみんながすいすいインターネットを楽しんでいると思っていたが、
リズム感のないアフリカ系アメリカ人が(ナント人種に配慮した言葉でしょう)いるように、
アメリカだからと、思い込みをするのは間違いのようだ。
アメリカは広い!

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