筋肉痛発生のメカニズム
|
従来、筋肉痛は運動により筋肉内に乳酸が蓄積して痛みが発生すると思われて来ました。しかし、乳酸は運動を終了して数十分の消え去ると言う事が解ってきました。
通常、乳酸が消失した運動の翌日等から筋肉痛は発生します。そのことから乳酸は筋肉痛に関係ないということがわかります。
では、筋肉痛はどのように発生するかというと、筋肉は運動することによって、目には見えない程の小さな傷(微細損傷)が起きます。身体はこの損傷を治す為の反応を起こします。この反応を炎症と言います。
損傷部分に白血球等が集まってきて炎症が進行し、徐々に治り始める段階で、セロトニン・ヒスタミン・ブラジキニンと言った発痛物質が発生します。これらの発痛物質は損傷の修復の為の反応の際に発生するもので、これらの物質が徐々に増えてくると痛みを感じるようになる。
最新の運動生理学ではこの様に考えられています。
|
筋肉痛を早く解消するには
|
筋肉痛を早く治すには、筋肉から発痛物質を素早く取り除くことが必要です。その為には血液の流れを促して発痛物質を洗い流す必要があります。
しかし、運動をすると筋肉は緊張し硬くなります。筋肉が緊張することで周囲の血管を圧迫して血流が滞ってしまい、この事によって、筋肉痛の回復が更に遅れてしまいます。
では、具体的にどうしたら良いのかというと、ストレッチングと温めることです。
筋肉をゆっくり収縮と伸張を繰り返すことで筋肉がポンプの様に働き血流を促します。 また、温める事により血流を促すとともに筋肉の緊張を和らげ、粘弾性を低下させる事が出来ます。それによって発痛物質を素早く取り除くことができます。
|
アイシングとクールダウンはまったくの別物
|
アイシングとは、負傷した部位を急激に冷やすことにより、周囲の組織を収縮させ患部の腫れを抑えたり、神経を麻痺させて痛みを和らげること目的としています。
クールダウンとは、運動によって熱を持った筋肉や早くなった脈拍を徐々に元の(安静)状態へ徐々に戻してやることを目的としています。
つまり、アイシングは明確なケガに対して、クールダウンはケガにまで至らない疲労に対して行うべきものです。
車で例えると、故障した車のエンジンを切り、これ以上、故障部位を増やさないというのがアイシングであり、走行後、急にエンジンを切ってしまうと、冷却液の循環も止まってしまい熱が籠ってしまいエンジンを痛めてしまいます。 走行直後エンジンを切らずアイドリングを行い冷却液を循環させエンジンを冷やしてやるのがクールダウンです。
また、激しい運動をすると、筋肉は酸素を借金した状態(酸素借)になるため、激しい運動後、ゆっくりと歩くなど心拍数を高めに維持することで酸素を借金している筋肉に酸素を供給する必要があります。
|
温めることによって発現するヒートショックプロテイン
|
今、ヒートショックプロテイン(HSP)というものが、注目されています。これは、熱刺激等のストレスにより、発現・増加するタンパク質で、これ自体が筋肉を構成するというものではありませんが、筋肉を構成するタンパク質を正しく折り畳み(配列・フォールディング)正常な機能を獲得するために働きます。
ラジオ波による、深部加温はヒートショックプロテインの発現に非常に有効であると思われます。
さらにラジオ波は深部加温と同時にストレッチングを行うことができというメリットがあります。
|