交通事故のムチ打ち症でお悩みの皆様へ
首の痛みが辛い方は、首に厚手のタオル(バスタオルなど)を巻いて、腕を軽く椅子の手すりに置く、或いは三角巾などで腕を吊るようにして腕の重みを取り除いてあげててみて下さい。
このように、腕の重みを取り除くだけで劇的に痛みが軽減することがあります。
俗に言うムチ打ち(ムチ打ち症)は、頸部捻挫あるいは頸椎捻挫と言って身体に強い衝撃を受けた事で、 ムチがしなるように頸椎が揺さぶられ、頭を支える首の筋肉や靭帯を痛めることからムチ打ちと呼ばれます。
筋肉や靭帯といった軟部組織の損傷で、骨には問題がないため、レントゲンで異常を確認することができず、 病状の判断は本人による痛みの訴えによるところが多く、しばしば仮病を疑われることもあります。
しかし、適切な治療が行われず、本当に首の痛み、頭痛や吐き気、めまい、手の痺れ等の症状に悩んでいる人が大勢います。
何故、いつまでも痛みが続くのか?
事故直後は、当然、痛めた筋肉や靭帯などが痛いのですが、その痛めた筋肉や靭帯で重たい頭を支えることで、さらに負担が増えてしまいます。
そのため、首に頸椎・カラー(ムチ打ちの人がよく首に巻いている厚いヤツ)などを巻いて頭を支えます。
そして、安静にすることで、痛めた筋肉や靭帯が修復されるのを待つのですが……
安静にすることで、痛めた筋肉や靭帯は徐々に修復されてきますが、同時に頭を支えるための筋力がどんどん低下していきます。
そうして、せっかく痛めた筋肉や靭帯が治っても、頭を支えるという重要な役目を果たせなくなった首の筋肉は、頭の重みに耐えらずに痛みが発生してきます。
もう一つ、重要なことがあります。
腕は、胸鎖関節(赤い○で囲まれた部分)一か所で身体に繋がっています。
右の図の赤矢印で示すように、腕は重力で下方向に重みが掛かっています。
そのため、青の矢印で示すように、首の筋肉が腕の重みで引っ張られることで、緊張が強くなります。
ムチ打ちの痛みを楽にするには、首に掛かる、頭の重みと腕の重み、この二つの負担を取り除くことが重要であり、多くの場合、これで痛みは軽減されます。
事故直後は、装具やテーピングなどを用いて、頭と腕の重みを取り除き、首の筋肉の負担を軽くすることで痛みを軽減し、そして、これだけでは、肝心の頭や腕を支える筋力が低下することで、新たな痛みの原因を作ってしまうので、
同時に、首の筋肉と腕を支える筋肉を鍛える体操を行います。
ムチ打ちの治療で、一番重要なのは、日常の生活では、頸にかかる負担を極力減らすことと、出来るだけ早い時期から、頭を支える首の筋肉と、腕を支える肩の筋肉の運動を行い、筋力の低下を予防し、筋力を強化していくことです。
こうすることで、多くの場合、辛い首の痛み、頭痛や吐き気といったムチ打ちの症状から解放されます。
当院では、テーピングなどを用いて極力、頸にかかる負担を取り除くと同時に、頸周囲の筋力をアイソメトリクス運動によって頸に負担をかけることなく強化していきます。
ムチ打ちでお悩みの方は、一度、当院にご相談下さい!
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