車体加工・改造・カスタム技術者のサポート
事業概要


改造車/特殊車輌

  車枠応力測定試験
  排気ガス試験
  JIS D4606ヘッドレスト試験
  内装材難燃性試験
  構造変更申請


車体加工例

  ALTO・LA


機能性/加工部品

  推進軸加工
  サスペンション用コイルスプリング


並行輸入車用機能部品

  FM周波数変換器



CS22S ALTO・LA

● 概要
平成4年式スズキ・アルトCS22Sで後部をカットしたセミオープンタイプの車両を製作しました。
車検も切れて捨てることになっていた車でしたが、簡単でもインパクトの強いものを作り、検査合格車にして公道走行を楽しもうというコンセプトを打ち上げました。


今回加工のベースとなったのは、平成4年式スズキ・アルト CS22S型です。4枚ドアです。
最初の構想としては屋根を全部切除してオープンカーにしようという計画でした。
フロントガラスもなくしてしまおうとも考えていました。

平成4年式 スズキ・アルト CS22S


まだまだ調子よく動いている車なので、ただ加工してみるだけのお試し車にするのは少々もったいない話です。
せっかく製作するのだからナンバーを正規につけて公道を走れる車にして楽しみたいものです。
それでこの構想が可能かどうか調査から始めました。

まず習慣として新しい車両に挑戦する時はいつもお世話になっている検査官に相談します。
普段扱っている車両は業務に使用される車ですので、認可が確実に得られる加工である必要があります。加工する分野が安全にかかわる技術基準にかかるものであると認可が大変難しくなるものがあるので、その確認をするためです。
しかし、今回の車両はいわば自分たちの趣味の車です。まったく同じことをするのですが気分的にいつもとちょっと違います。
それでこの車両を認可していただくにあたって、お世話になっている軽自動車検査協会の検査官に相談しました。
しかし、軽自動車の分野で計画した内容の車体の加工をする相談案件はほとんどなかったということで、全国の軽自動車検査協会を統括する本部へ問い合わせをしてほしいということでした。
そこで今回の構想を本部の検査官へ話したところ、今までこんな相談はほとんどなく、前例がないので検討するからしばらく時間をほしいということでした。
一週間ほどたって電話がきました。「屋根とBピラーをカットすると、三点式シートベルトの取り付けボルト穴の移動が必要になるので、シート/シートベルト取付装置の技術基準への適合試験が必要、後部シートのシートベルトについては二点式が標準仕様車のため、その適合については問題ない、車枠の加工についてはモノコックボディーの切断につきそちらで出していただける車枠応力試験書の提出をしていただければ可能だ」という回答をいただくことができました。
車枠応力試験なら業務ですので問題ありませんが、「シート/シートベルト取付装置の技術基準」への適合確認に対応する強度試験は現在開発中ですので、試験成績書の提出はまだ行うことができません。
そこで、センターピラーから後ろを切除してセミオープンカーにするという妥協点を取りました。

だいたい決まりました。すぐにカットして大まかな形にします。マスキングテープを貼って切断位置を決めてからエアソーを使って屋根から切っていきます。カットを終えるまでたった10分です。
15年以上雨風から守ってくれたルーフや窓ガラスがたった10分でクズになってしまいました。
人生の縮図を感じてしばし感傷的になります。

カット直後

モノコックボディーは一部分がなくなってしまうと強度がまったくなくなってしまいます。特に屋根のレールがなくなってしまったので、荷台部分の位置を保持できなくなってしまい、後部ドアの隙間がなくなってガツンガツンと音をたててしまいます。とても走行できるレベルの強さではありません。
そこで箱構造を確保して車体としての強さを確保するよう、各所に補強を入れていきます。
後部のドアも強度確保のため、開かなくしてボディーの一部として内側から溶接してしまいました。
水の進入による錆防止のためにシーリングした後、補強を入れた部分に鉄板でカバーを作り、自動車の内装用の難燃基準に適合しているレザー素材でくるんでフタをしていきます。
後部ドアの取っ手も必要なくなったので鉄板で凹みの形にフタを作り、溶接して平らにしていきます。




作業途中で、遊び心でロールバーもどきを製作しました。



SUS304ステンレスパイプでの製作です。これに用いた溶接法はTIG溶接です。
ちなみに、この車両の製作にあたって用いた溶接方法は、10%が半自動MIG溶接、90%がTIG溶接です。
TIG溶接は半自動溶接にくらべていくらか手間がかかりますが、熟練作業者は非常に綺麗な溶接面に仕上げることができ、強度も非常に高いものができます。熱のかかり方がMIG溶接ほど急激でないことから材料の強度変化、熱による焼きの入りという面からも有利なようです。
今回のステンレスを用いたロールバー製作も加工者がTIG溶接作業に熟練している方ですので、特殊鋼であるステンレス材の溶接も難なくこなします。仕上がりも素晴らしく、大変美しいビードが出た高品位溶接の製品になりました。
このロールバーは、幌をつけるために設置するもので、車体の強度にはわずかしか貢献していません。車枠の強度測定もこのロールバーなしで測定されていますが、それでも車枠に定められている強度の約二倍強を確保できています。
非常に簡単に取り付けるできる構造になっています。一品製作ものですが、まるでこういう製品があったかのようなロールバーになっています。

今回の車体の加工は特に珍しい作業でもなかったので、そんなにたくさんの写真を撮っていなかったのが悔やまれるところです。
カットと端部の処理が終わったら、内装の仕上げ(シートの張り替え、内装材の張り替え、幌の製作依頼など)、外装の仕上げ(全塗装、ステンレス材によるサイドスカートの製作、etc)と進んでいきます。シート屋さんや塗装屋さんとの連携です。
後部の荷台にはフェイクウッドモールの飾りなどもつけてみました。
カプチーノの中古ホイールも手に入りました。アルミ特有の白サビのようなものがたくさんついて見栄えがよくなかったので、塗装しました。
びっくりするほど格好のいいホイールに仕上がりました。アルミホイールの塗装、おすすめです。



色はかねてより気に入っていたGT−R純正色のチタンシルバーです。
元はアルミニウムの銀色です。中古だったので非常に汚い色になっていたものを塗装しました。



車両の事前審査(改造申請です)は、いつもの業務なのでかなり前に問題なく審査が通っていましたので、構造変更検査を予約した日に群馬県の軽自動車検査場に持ち込みます。
検査官からは「おっ、とうとうきたね〜」と和やかに声をかけてもらえます。

通常の継続車検の流れをこなし、いよいよ構造変更の検査を受けます。



左の写真が寸法測定、右が軸重測定の風景です。
当然ポイントは押さえてあるので検査に落ちる部分は皆無です。
こうした事例を扱ったことがないと言っていた検査官の話が本当か疑わしくなるほど非常にスムーズに検査が進みます。事前審査で説明書類をいいものがつくれた成果だと改めて嬉しくなります。



10分から15分程度で無事に検査はパスし、コース外に出て車検証発行を待ちます。



検査が終わった後、検査官の方々も珍しいから記念にとか言いながら写真を撮っていました。




ついに車検証発行とナンバー交付です。
車体の形状には幌型、型式の記入欄には「E-CS22S改」と記入があります。
備考欄にも、「改造自動車 : 車枠及び車体」との記入があります。


これでナンバーもつきました。正規改造車へと生まれ変わりました。
ピックアップトラックのような格好になり、アルトのトラックということで、「ALTO・LA」(アルトラ)と名づけました。
末尾のLAは、アメリカ西海岸のさわやかなロスのイメージです。





芸文社発行の月刊誌 「カスタムCAR」の取材をいただいた時の写真です。非常に綺麗な場所が近くにあったのでアルトラのサンドベージュ色が秋の枯れ木立の中でちょうどいい具合にとけこみます。
かスタムCAR 2008年1月号に掲載していただきました。



ALTOLAの製作者として写真をとるというので、編集者の方にカメラマンが撮影している脇で撮っていただきました。
左がこのHPの管理者 三星です。右がカスタムビルダーの久世さんです。アルトラの製作者でもあり、車両の持ち主です。
車検にいたるまでの手続きや試験などは私が行いましたが、彼のアイデア、協力と技術がなければこのプロジェクトは世に出ることはありませんでした。


このように、法律に沿った自動車製作を行うことによって正規に認可を取得した改造車としてナンバーをつけることが可能です。
カスタムの分野にも様々ありますが、車体に加工をしながら合法として公道走行できる正規認可の改造車はあまり出てこないのが実状のようです。しかし、法律に沿った仕方で改造を行っても、意外とここまで大丈夫なんだと驚かれるほど思い切った加工も可能だったりします。
正規に認可を取得するのは手間も費用もかかるものですが、ショップのオリジナルカー製作/販売や業務に使用される用途の車両は正規認可ができないと大きな責任問題に発展したりする場合があります。
また、信用をアップさせられる効果も考えられます。
ご協力できる分野やご相談があれば下記へご連絡ください。


連絡方法
電話・Fax・E-mailからご連絡をお願いします。
改造内容、改造車輌をいくつかの角度から撮影した写真の添付、構想段階の完成予想図などもあると大変助かります。
(お送りいただいた情報については機密として扱います。許可なく公開したりすることは絶対にありません。)
ご連絡をいただきしだい、ご希望の連絡方法でご連絡いたします。
執拗な売り込み・営業電話を何度もするようなことは絶対にありません。
お電話をいただく場合は和やかな対応を心がけております。安心してお尋ねください

電話 090-5820-6873  担当・三星
TEL/Fax  027-382-3296
E-mail
メリオス有限責任組合 群馬事務所:三星 oms_pcs@amail.plala.or.jp


お急ぎの方は、090-5820-6873 三星までご連絡ください。出張多数につきお急ぎの場合は上の携帯番号へどうぞ
作業や移動などの関係で電話を取れない場合もあります。つながらない場合は少し時間を変えてお試しください。
当社は改造車製作はお引き受けしておりません。
ご自分で製作したい車両の特殊な部品のご相談や改造認可を取得するための手助けを行うことに特化しております。




Copyright (C) メリオス有限責任事業組合i. All Rights Reserved.