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自動車用プロペラシャフト加工

● 概要
エンジンが発生した動力をタイヤに伝えるために駆動軸が取り付けられます。
エンジンの交換・位置変更が必要な場合、ギヤボックス(変速機)のAT→MT変更の場合、車体の寸法を変更した場合など、問題になるのは駆動軸であるプロペラシャフトの長さです。
高速回転する推進軸は、振れや不釣り合いがあると大きな振動を発生する回転部品であり、共振による破壊の問題もクリヤしなければなりません。
また、動力伝達装置の変更は、重要保安部品として陸運局での審査対象となります。

このページでは、精密部品としての自動車用プロペラシャフトの延長/短縮加工、純正部品を用いた新規軸製作、動力伝達部品の認可を得るための強度計算を含むサポート業務をご案内いたします。
後輪駆動の高級車や高出力後輪駆動(FR)スポーツカーの改造で問題になるのが、エンジンからの出力をタイヤに伝える動力伝達の役目をはたす推進軸、プロペラシャフトです。
ホイールベースを延長するリムジン形状への改造ですと、延長した分の長さのシャフトを追加をする必要も出てきます。


(プロペラシャフトの加工必要事例)

● オートマチックミッションからマニュアルミッションに変更した際、ギヤボックス寸法の変化によるシャフト長さ変更。
● ストレッチリムジンなど、ホイールベース寸法を変更したことによって新規軸設置が必要になった。
● エンジンとギヤボックスを他社製に変更したことによってフランジ形状が変わったのでフランジ/ジョイント部分の付け替え作業が必要になった。
● エンジンを高出力のものに変更することによって標準装着部品では強度が足りないことがわかったので強度の高い軸への交換が必要になった。


こうした作業に必要となるプロペラシャフトは特注部品扱いとなりますが、プロペラシャフト製造メーカーは作業内容に合わせた推進軸を1本のみ製作などという少数注文は受けてくれることは非常に稀です。
大量生産をしているメーカー向けに数万本という本数をOEM製造している場合がほとんどだからです。
少数の注文依頼にこたえられる生産体制にはなっていないようです。
またヨークやジョイント部分などの単品部品は流通しないため、車両製作者の都合によるワンオフ・一品製作・特注製作などを受けてくれる推進軸部品製作会社は私の知る限り皆無のようです。
実際シャフト製造メーカーに何社もかけあってみたのですが、どの会社も回答は「大手自動車メーカーのOEM製造につき少数注文はお受けできません」というようなものでした。

しかし、現状はプロペラシャフトの加工はかなりの頻度で必要が出るので、特殊車両製作・加工を手がける方々がプロペラシャフトに関して困っておられる方が多いことをふまえ、このページを通してシャフト(自動車用推進軸)の加工のご依頼をお受けしております。

プロペラシャフトは非常に重要な機能部品です。
数千〜数万回転という非常に高速で回転する部品なので、わずかな偏芯、芯ブレ、重量バランスの狂いがシャフトの破壊、車体の低周波振動による異音、軸受けの破損などの不具合を招きます。高回転、高速度の車両ほど相当なレベルの精密な作業が必要です。
ここで提供する推進軸加工作業は、熟練した溶接技術職人が作業にあたりますので、加工したものでもかなりの程度安心して使用することができます。
(ただし、一品だけの特注製作加工品ですので、メーカー製品と同等な強度や耐久性は未知であり、絶対に安全とは言い切ることはできません。)
外径60〜80mm前後までのシャフト太さの普通車だけでなく、大型貨物車等の外径100mm以上の太いシャフトの加工にも対応可能(要相談)です。

また、鋼管・棒鋼などの機械構造用炭素鋼によるプロペラシャフト・ドライブシャフトの強度計算・資料作成が難しい方のために、強度計算書の作成を含む陸運局への改造申請もお受けいたします。
(強度計算書のみのご要望はご容赦ください。)
プロペラシャフト・ドライブシャフトの加工、変更には陸運局へ変更の申請と強度計算書の提出が必須です。

新素材使用による軸製作に伴う強度計算は、今までは鋼にしか適用できない計算書式が用いられてきましたが、鉄以外の材料数値の異なる素材(樹脂など)を用いたものについての計算を行うことができます。(ただし、各種係数の値が必要)


● 推進軸の特徴・抱える問題
推進軸は、プロペラシャフト,ドライブシャフトなどともよばれています。この部品は両端にミッション出口・デフへとつながるフランジ、ユニバーサルジョイント、センターベアリングなどの部品から構成されています。
動力を伝えるただの棒だと思われがちですが実際には大変重要な働きをしています。

どんなに精度の良い軸でも偏芯を全くゼロにすることはできません。
必ずわずかながら偏芯が生じ、回転遠心力によるアンバランスがあります。
自重によるたわみも生じます。
軸が抱える問題の一つに、軸の両端を支えて回転させて回転速度を上げていくとある回転数以上で急激にたわみが理論上無限大となり、変形したり破壊することがあります。
この回転数を「危険回転数」とよびます。
ほかの呼び方としては、「危険速度」、「振れ回り速度」、「ぱたつき速度」などとも呼ばれるようです。
回転数の低い機械に使われる軸にはこうした問題は起こりにくいものですが、高速回転する軸については大きな問題となってきます。

この危険速度の算出は、曲げ振動理論に基づくものです。
目的の部品が持つ固有振動数を求めることによって、その部品の共振のピークにあたる回転数を知ることができるものです。
共振が始まると振動によるエネルギーが大きく増幅されて破壊にまでいたることがあるので、動力伝達軸のようなねじりと高速回転を同時に受けるような部品は安全上の問題から破壊まで至らないよう安全を見込んで設計する必要があります。
通常、自動車用推進軸では回転の上がり下がりが緩やかであるため、危険回転域を速やかに通り越すことがしずらいということにより、第一次の危険回転速度が問題になります。
それで第一次振動点の七割以下の回転数の範囲で使用するよう法律で定められています。
特に自動車のような人間を乗せて走行する機械はシャフト破損=命にかかわる大事故に直結する重要部品ですので、こうした軸の振動に起因する破壊につながりかねない問題には慎重にならざるをえません。

エンジン・ミッション交換、ボディー加工といった大幅な改造を車両に加える場合、ミッション出口からデフの入り口までの長さ寸法が変化しますので、プロペラシャフトの長さを変更することは一番多いものかもしれません。
お問い合わせのほとんどがプロペラシャフトの長さ変更についてのお問い合わせです。


● 推進軸の設計・加工のポイント

● 危険回転数
上記にも書きましたが、シャフト本体の危険回転数を超えないようにするのは最も基本的な軸の検討項目です。
どんなものにもその物体が持つ固有の振動数がありますが、回転軸についてはその軸の固有振動数と回転数が近づくと、共振状態となり激しい振動が発生します。
共振が始まると振動エネルギーが何倍にも増幅されて、シャフトが急に破壊したり折れたりすることがあるようです。
縄とびの紐のように振り回されるようなイメージが一瞬にして起こります。
一次振動、二次振動などがありますが、非常に高回転の軸では共振点をすぐに通りすぎるので共振振動の影響は小さくてすみますが、自動車用プロペラシャフトの場合は軸の回転の上昇が比較的ゆっくりなので一次振動を問題にします。
法律では、一次振動に到達する危険回転数の70%以下の範囲内で使用することが定められています。
最高速度が比較的遅い車を改造ベースにする場合、惰力で走行する時(例えば坂道をニュートラルで高速で降坂する場合など)は危険回転数に接近する場合が考えられるので注意が必要です。
普通、タイヤが回転する速度の3倍から5倍程度の速度で軸が回転しています。回転バランスのくずれやシャフト本体の回転限界を超えると折れたり破損したりする可能性があります。

● 推進軸の交角
世界的にほとんどの標準車メーカーが推進軸の長さを変えるときには、推進軸の変更に伴う最大許容交角を6〜8度以内の角度とするように求めています。この基準値を守る必要があります。
メーカーの設計として、通常の積載時にほぼ一直線、つまり0度付近になるように配置するのが普通だということです。
一般的な十字継ぎ手を用いるユニバーサルジョイントは不等速のため、十字継ぎ手の使用方法に基づいて左右のジョイント角度を等角度にするか一直線に配置しないと起震力が発生し、異音や故障の原因になります。

● 推進軸の振動対策
推進軸の異音・振動は、ホールベースの延長・短縮などのシャフトの増設に起因する問題が多く、発生しやすいものです。
対策としては以下の事柄が考えられます。
手っ取り早い対策は交角を変えてみることです。ジョイント部分の起振力を抑えるということです。
センターベアリング部分にスペーサーを追加して交角を変更する、アクスルの角度調整シムを追加する、推進軸の組み合わせ長さを変えてみる、推進軸の動バランスをチェックし修正するなどの方法があります。
また、純正軸であってもメーカーの部品ごとの製造公差設定が大きいなどの事情で、芯が大きめにずれていて芯ブレを起こしていることが多々ありますので、チェックが必要です。


(加工例)

セルシオUCF31のホイールベースを1480mm延長する。
軸距の変更に伴い、駆動軸を新規に設け、純正  構造は二軸構成のところを四軸構成とする。



新規に設けた軸は610mmと870mmの構成とし、純正新品部品を用いて作成した。
乗用リムジンとしての構造変更申請のご依頼
(モノコックボディー加工のため、車体ひずみ試験、強度検討、構造変更申請まで含むご依頼)

06年8月 完成納品・10月初旬ナンバー取得



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トヨタ・アルテッツァ搭載3S型エンジン/ギヤボックスをサニートラックに載せ替えのため、寸足らずになったアルテッツァ用第二軸プロペラシャフトの寸法を延長し、デフ側フランジ部分をサニーに合わせて交換する。
上部がアルテッツァ用一軸・二軸、左がサニー用第二軸


← 完成品
アルテッツァ用第二軸を加工。デフ側に異径ジョイントを作成し、サニーのユニバーサルジョイントと交換した。
06年9月末 完成・納品 推進軸加工の改造申請書のご依頼


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トヨタ JZS160,161+JZZ80 MT載せ換えのための加工軸製作
トヨタ GZG50 ホイールベース延長加工のため、新規軸製作
トヨタ UCF31 ホイールベース延長加工のため、増設軸製作、認可申請
メルセデス・ベンツ Sクラス ホイールベース延長加工のため、増設軸製作、認可申請
ニッサン HS30 SR20型エンジン載せ換えのため、加工軸製作、認可申請

その他加工品は様々な車種があり、あげきれません。

●加工依頼

1,
加工したいプロペラシャフトを当社宛にお送り下さい。新品部品を使って加工したい場合や新品部品が必要な場合、こちらで純正部品を手配することもできます。(要車検証情報)
ご依頼の際には、使用予定の車の年式・型式をお知らせください。
エンジン加工のされていない標準エンジンならWEBカタログの諸元表でもおおまかな性能を調べることができます。
寸法延長の場合、危険回転数が大幅に低下するおそれがあるため、ご希望の場合は車両の情報をいただいてからそれに基づく計算をして安全を確保できることを確認してから具体的なお話を伺うようにしております。
まずは下記問い合わせフォームかメールにてお問い合わせください。


2,
加工については加工希望寸法図をお送り下さい。これがないと加工できません。
写真、またはおおまかな下絵に希望寸法を書き入れたものが必要です。
間違いを防ぐために必ずお願いしています。

3,
リムジン製作など、非常に長いボディー延長加工をすることがありますが、一本のドライブシャフトの長さは,エンジンが最高馬力を発生する最高回転数やトランスミッションの方式、シャフト外径など、様々なかかわる要因がありますが、最大で800mm程度に抑えたほうが無難です。

(計算上の危険回転数の限度が長くするほど低くなるため。高回転エンジンになるほどさらにシャフト長さ寸法を短くしないとクリヤできないものも多くあります。)
特に認可が必要な車両は加工前に計算上の要求をクリアしているかどうかの確認を行うことが必要です。

長いボディー延長の場合は、振動の問題からシャフトは2本以上に分割が必要になることが多くなります。
事前審査の際には、強度的に不利な方で計算されます。
片方の部品が強度を満足させていても、もう片方の部品が強度を満足させていなければ合格しません。
改造の場合、加工していない純正部品であっても強度検討の対象になることがあります。

4,
ご依頼本数によって変わりますが、加工に約三週間〜一ヶ月ほどかかります。
期間に余裕をもってご依頼ください。急がれても対応できません。


5,
大型車の太いシャフトの加工も可能ですが、費用は都度お見積もりになります。
以上の料金に往復の送料が加わります。
バランス修正についても、シャフトの形状や大きさにより大幅に変動する場合があります。
バランス修正のみのご依頼にも応じます。

6,
溶接作業者の資格証明書の写しなどを要求されることがあるようですが、こちらではご提供しておりません。

陸運局への改造申請のご依頼は、加工内容によって必要な書類が大幅に変わりますので、お見積もりになります。
推進軸の強度計算書の作成は当然できますが、計算書のみのご提供はできません。
申請作業とセットとさせていただきます。
ただし、加工前のご依頼にあたって、検討段階においての強度的なご相談には応じることができます。
鋼以外の新素材による軸の計算についてもご相談可能です。ただし、材料特有の係数がわかっていることが必要です。

新素材による軸加工は、残念ながら現在鋼管を使用したものしか加工できません。
ただし、アルミニウムを使用したプロペラシャフトは対応可能な場合があります。

7,
お支払いは、原則として振り込みでお願いします。
依頼者から加工品・図面の到着後、振り込みを確認してから加工作業に入りるか、または完成時入金確認語の発送になります。

もし依頼した内容と違うなどのご依頼主に過失のない場合は返品・返金に応じます。
お送りいただいた図面・寸法図が間違っていた場合は、当方に過失はないものとして返金はできません。
また、加工した品については保証をつけることはできませんのでご了承ください。
基本的に加工した時点でメーカー品の保証は受けられません。
最低限の安全を確保するために陸運局が要求する軸の危険回転数とねじり強度を計算して最低限の安全率以上であることを確認してからの加工作業をご提供していますが、その計算に基づく強度が確保できない場合はご依頼者様に連絡、了解を得るなどして可能な限り故障や破損などのリスクを減らす努力をしていますが、加工した品は一品のみの特注品です。
各種の強度試験/破壊試験等を実施して強度を確認することが商品の性格上不可能なので、メーカー同等の安全保証をつけることはできません。
よってこれ以上の責任をお受けすることはできません。


ご依頼主の信用と信頼に最大限応えるよう、誠意ある対応は心がけております。
また、ご連絡いただいた内容やお製作車両の秘密はお守りいたします。


お問い合わせ・ご依頼方法

電話・Fax・E-mail・下記に設けるお問い合わせリンクからご連絡をお願いします。
改造内容、改造車輌をいくつかの角度から撮影した写真の添付もあると大変助かります。
ご連絡をいただきしだい、ご希望の連絡方法でご連絡いたします。
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