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花凪だより

第六号 2005年5月23日

5回目の春です。
待ちに待った桜が嬉しいです。
5年目にして「花凪だより」は、やっと7回目になりました。
や、やっぱり少ないですね。今後、3カ月に1回を目指します。

当たり前のことが嬉しい

 その度に、「青天の霹靂!」と愕然としてきましたが、この度5回目の入院と、3回目の手術を経験してきました。7日間で退院すると宣言していましたが、10日目でやっと退院許可が下り、帰ってくることができました。5日間の絶食の辛かったこと。

 やっと、重湯を口にすることができた時の喜び。
一人でベットから下りて、歩けた時の何とも言えない感覚。
食べられること、歩けること、思い切り笑えること、人に思い遣ってもらえること。どれ一つをとっても、当たり前のことではなく、一つ一つが感謝すべきことなんだと改めて思ったというよりは、思い知らされたというのが正確なところです。
空腹を抱えながらも、個室だったので、久しぶりに一人になる時間が持てて、これまた久しぶりに反省をしたり、反問をしたり……。そんな時、ご利用者のNさんがお見舞いに来てくれました。

 開口一番、
「見舞いに行きたいと言っても、まだ具合が悪いから遠慮するようにみんな言うんだ。だけど、俺が具合悪かった時、あんた夜中に来てくれたよな。あの時涙出た。心配だからこそ会いたいんだよな」

 こう、一気に話した後、
「良かった、良かった。元気そうで良かった」
Nさんは、いつも心に響く名言を口にします。
でも、この言葉は、いつも以上に心に響くと同時に、私が間違っていたと反省させられました。
「心配だからこそ、会いたい。心配して、何が悪い」
そうか、そうだよね。人が人に対する原点だよね。Nさんが帰られた後、心をキュンとさせられながら、Nさんの言葉を反芻していました。
下宿人、スタッフ、家族をはじめ周りのたくさんの人達に、たくさん迷惑をかけ、心配をかけ、おまけに支えてもらいました。
「心配してくれて、ありがとう」
生きていくって、こういうことなのだということを実感しています。

 退院して1カ月が過ぎました。かなり元気になりました。

連休は、人混みを楽しもう!でした

 去年まで連休はお家でのんびりと…を楽しんでいましたが、今年の花凪は180度の大転換。
 5月3日は「ホテル ロイトン」で、ランチバイキング。その後、大通公園で野音のコンサートを楽しんだり、散歩をしたり。
 翌4日は、花凪ガーデンでジンギスカンパーティを楽しんだ後、千歳鶴の「酒ミュージアム」でお酒の試飲会。甘い、辛いと品評しながら3杯(一口、二口位の量ですが)も昼日中から飲んでいたのは、女性のKさんと男性のKさん。ほろ酔い気分で札幌ドームへ。が、当日はコンサドーレの試合で駐車場にも入れず。その代わり、車の中から「人混みを楽しもう !」。ドームから、人の出てくること、出てくること。Oさんは「こんなにたくさんの人を見たのは、我が人生で初めてのことです」とおっしゃっていました。
 仕上げは「羊ケ丘展望台」で、羊と札幌の街を眺めてきました。
 残念ながら、2日とも4人の下宿人が体調不良で参加できませんでしたが、7人の方が疲れも見せずに参加。楽しむことに貪欲な素晴らしい下宿人達に脱帽です。

♪「花凪の人々」連載、1年延びる♪

 昨年の7月から、医学書院の「訪問看護と介護」に連載させていただいてます「花凪の人々」。当初は、1年12回の予定でしたが、あと12回書かさせていただくことになりました。字数制限があって、締め切りがあって、満足に書き切れていないと毎回反省するのですが、初めてお目にかかる方に「毎回楽しく読んでいます」「面白いです」と声を掛けていただくと、調子に乗りやすい私は、途端に嬉しくなり、まあまあこれで良いのかななどと思ってしまうのです。
 プライバシーに配慮しながら、あと12回書くことを楽しませてもらおうと思っています。

♪何と!「花凪の人々」が本に!♪

 ひょんなことから、札幌の出版社の「かりん舎」から「花凪の人々」を出版したいというお話がありました。
「本にして、その印税で4号館を!」などと、冗談で話していたのですが、まさか現実の話になろうとは…。
 現在連載中のものを下敷きにして、それを膨らましたものになる予定ですが、年内中に書き上げ、来年出版していただけたらいいなと思っています。
 花凪下宿にかかわってくださった多くの会員の方についても、書かせていただきたいと思っています。是非協力の程お願いいたします。

地域密着型 花凪ホームヘルパー2級研修開講

 佐渡賛助会員の日本福祉介護教育センターと提携し、ホームへルパー2級養成研修(通信課程)を7月26日から開講することになりました。同封のチラシにありますように、週3回で夜間中心となります。講師は木村美和子、鈴木千絵、東淳三のスタッフが担当します。

 ヘルパーの仕事は家事援助全般から身体介護、医学的知識、福祉の制度等の幅広い知識・技術と共に、人間に対する深い理解も必要です。大変な仕事である割に世間一般のヘルパーの仕事に対する認知が低い気がしています。認知されるためには、ヘルパー自身が自らの仕事を自覚し、経験に学び、高める必要があると考えます。優秀な人材の発掘と育成がこれからはもっと必要になると思います。そのような思いを抱きながら、花凪ホームヘルパー講座は、数ではなく、質にこだわるべきという思いから上限15人の定員としました。

 寺子屋形式で、受講生・講師共に同じテーブルで学び、質問自由でその場でわからないことは解決していく講座にします。また、地域密着型ということで、同じ地域に住む顔見知りどうしで介護しあう形が生まれることも目指しています。

 会員の方、ご家族、お知り合いの方に受講したい方がいましたら、ご紹介ください。

会員往来

◎高畑訓子会員 17年4月1日付にて、「社会福祉法人厚生協会(新得町)」の「聴覚障害者養護老人ホーム」はじめ5施設の施設長に就任しました。激務ですが、持ち前の激パワーで乗り切ってください。

◎小野忍会員 現在、岩見沢の「医療法人萌佑会」法人本部長。5月14日に法人の「第4回看護の日」に招かれ、シンポジストとしてお話をさせていただきました(ちなみに座長は小野会員でした)。小野会員の心血注いだ老人保健施設も見学させていただきました。大きな施設なのに、とても温かでした。

◎清野光彦会員 理事を務める「NPO法人ちいさな手」の総会が5月27日に修了し、総会資料届く。高齢者と児童のデイサービス「たまて箱」の活動は多彩できめ細やか。地域密着を実践しています。

◎武部英治会員 やっと、インフルエンザ完治したとのこと。武部節復活。

*****あれ あれ***一言、二言*****
 のっけから、闘病記となってしまいましたが、健康第一を実感しました。会員のみなさまも、どうぞ身体に変調をきたしたら、即病院へ!をお勧めします。
 今、「薄皮をはぐように」の比喩、気に入っています。                   〈木村 美和子〉

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