メインページのコンテンツへ移動
 
  1. PaO2と酸素飽和度
  2. 交感神経の走行と解剖
  3. 局所麻酔薬の基礎知識 〜リドカイン lidocain〜
  4. 降圧薬の使い方
  5. 多汗症について
  6. ジギタリス製剤の基礎知識
  7. IVH必勝法〜鎖骨下静脈編〜
  8. 心室肥大(Ventricular Hypertorophy)
  9. NSAIDsによるCOX-2阻害について
  10. アスピリン

1-10|11-20|21-30

31-40|41-50|51-

研修医宿題

局所麻酔薬の基礎知識

山田 圭吾

リドカインは各種の様式(浸潤・伝導・硬膜外・表面・脊髄)の局所麻酔に現在最も多く利用されている薬剤である。局所麻酔薬はその化学構造によってアミド型とエステル型に大別されるが、リドカインはアミド型の代表的な薬剤である。アミド型は肝で分解され腎から排泄されるもので、分解はエステル型よりも遅くなる。一般にpKaは低く、作用発現は速くなっている。また、アレルギー反応はエステル方に比べて極めてまれにしか見られない。

 リドカインはキシロカインゼリー、キシロカインスプレーに代表されるように、臨床的に表面麻酔薬として用いられる唯一の薬剤でもある。リドカインの効力は、同量のプロカイン(ノボカイン)の約2倍にも及ぶ。また、リドカインはプロカインとともに抗不整脈薬として静注投与されることもある。

 リドカインも多くの局所麻酔薬と同様に、全身の中毒症状を生じることがある。このため使用量および最大使用量を十分注意し、必要最小限にとどめる。注入時に血管内に針先がないことを確認し、患者と会話をしながら緩徐に注入する。全身性中毒症状は主に中枢神経系と心血管系に出現する。ショックが見られた場合は直ちに投与を中止し酸素投与などの適切な処置を行う。悪性高熱の場合はダントロレンNaの静注などを要し、中枢神経系の振戦や痙攣などにはジアゼパム(セルシン)などの投与を行う。

以下にリドカインの適応・用法・用量を記載する。

塩酸リドカイン lidocaine hydrochloride

【商品名】 キシロカイン(xylocaine)
【適応症】

0.5%・1%・2%注:硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔

1%・2%注:表面麻酔

液・眼科用液・スプレー・ゼリー・ビスカス:表面麻酔

3%注(高比重):脊椎麻酔(腰椎麻酔)

【用法用量】

〈注射〉硬膜外・伝達:1回15〜200mg

浸潤:1回10〜200mg

表面:適量塗布または噴霧

脊椎:1回40〜100mg

〈液〉1回80〜200mg

(眼科用〉1〜5滴

〈ゼリー〉尿道麻酔:(男子)200〜300mg,(女子)60〜100mg

気管内:適量

〈スプレー〉8〜40mg

(ビスカス〉1回100〜300mg 1日1〜3回

基準最高用量 1回200mg(硬膜外・伝達・浸潤)

【特徴】

悪性高熱が現れることがある

金属を侵す可能性があるため 長時間金属器具(カニューレ、注射針)に接触させない

脊椎麻酔には高比重の3%注射液を使用する

参考文献

標準薬理学 第五版      
今日の治療薬 2002      
STEP 麻酔科


September 10, 2002

新着情報教授挨拶 | スタッフ紹介学会情報業績集学生教材アクセス

診療科紹介研修医の先生へ研修医宿題京都肺癌をなおす会リンク