研修医宿題
血栓症と抗凝固療法
加藤 拓
<血栓症の病態>
<血栓症の治療>
(1)
Heparin
アンチトロンビンIII(AT-III)に作用し、トロンビンなどの活性型凝固因子を不活性化する。
※アンチトロンビンIII欠乏状態では効かない!
(2)
Warfarin
Vit.Kと競合し、Vit.K依存性凝固因子(II, VII, IX, X)の合成阻害
→抗凝固
(3)
Aspirin・ticlopidine・dipyridamole
血小板凝集を阻害
→抗血小板
(4)
Urokinase
ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ
→血栓溶解
プラスミノーゲン→プラスミンの反応を促進
※フィブリン親和性に乏しい(血栓症に用いるには大量投与が必要)
※prourokinaseは血栓特異性あり
(5)
tPA
組織型プラスミノーゲンアクチベータ
プラスミノーゲン→プラスミンの反応を促進
血栓に特異的に結合する
<Case Report>
32歳男性。
両側転移性肺腫瘍術後、一旦抜管するも呼吸状態悪く、Xp上、右下葉無気肺も認め再挿管となった。BFによる喀痰吸引を持続していたが呼吸状態悪化。
造影CTで左肺動脈に血栓を認めため、肺動脈造影、及び、経カテーテル的に左肺動脈から、tPA(クリアクター)160,000単位を投与した。その後,経カテーテル的に血栓除去術を行い,術後PA造影で末梢までPAが造影される事を確認した.(max FDP:56.9)同日よりウロキナーゼ 24万単位・ヘパリン12000単位(翌日24000に増量)・バイアスピリン 200mgを開始した。
ヘパリン投与にも関わらずj、ACTの延長を認めず、AT IIIが低値であったことから、AT III製剤を使用した.
Angiography 4日後、血流シンチにて左肺血流は全般に低下しており、
残存血栓に対しtPA 120万単位を全身投与(max FDP:147.6)した。
25POD現在も挿管管理中であるが、ABGA上徐々に改善を認めており、覚醒・自発呼吸にshiftしていく予定
Nov 29, 2004
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