日本活性化の為のアイディア集3
3.税問題での問題提起●交際費の官民格差について政治家,官庁等の交際費と、民間の交際費に対する課税に大きな矛盾が存するので、これを指摘しておきたい。 民間法人等の交際費は一部軽重はあるものの必ず課税され、資本金5,000万円以上の企業には全く経費と認められていない。 一方、政治家等が運営する政治団体は、法人や人格無き社団等に課税する法人税でも個人に課税する所得税のいずれからも納税義務を課せられていない。 政治資金規正法にいう会計帳簿を備え、収入及び支出を記載・報告すれば、法人税や所得税とは無縁なゾーンで自己増殖を許されている。 どうも、政治団体の収入は寄付等であり、収益事業を行っていないので、 公益法人等と同じく納税義務は課せないという解釈のようだ。 だが、収入についてはともかく、支出のうち政治活動に必然的に伴う事務所維持費,交通費,広告・宣伝費等々はともかく、政治家同士が会食したりする費用は政治活動に必然的に伴う費用ではなく、これは一般に言う交際費であるから、この部分については区分して課税すべきであると考える。 次に、交際費課税の問題でもっと大きな課税上の欠陥は、首長の交際費である。 大は日本の首相から知事、市町村長、議長の交際費の課税の取り扱いである。 民間法人役員が交際費ワクとして定額支給される場合は、当該役員の給与又は賞与と認定される事明白である。 一方、首相や知事等の一定ワクの交際費につき給与等として課税された事は寡聞にして聞かない。 首相や知事の交際費が職務関連性から公的交際費として妥当か、本人の個人的利益を計るものは無いかなど国税局マルサの調査が行われたとも聞かない。 会社等の経費のうち一般的な経費と交際費が非常に厳しく区分されているのに対し、これは一体どういうことであろうか。 首相、知事等の交際費ワクも、この職務に必然的なものは当然一般予算に計上すべきであり、きちんと会計上明らかにすべきであろう。 こういう事をキチンとしていないから、政治家の官僚抱え込み接待、官々接待など恥ずべき公費接待王国になった遠因があるといえる。 どんな放蕩をしようが、接待をしようが、その人自身の財産、収入からであるならば誰も苦言しない。 それは全て納税というスクリーンを通過するわけだから。 民間側にのみ義務を課し、納税された税を収入とする立場の人達がこんな不明瞭な支出体系を構築・許容してきた事には、いかに組織を守り、強くするためとは言え、悲しみもて同情を禁じ得ない。 ●建物等の耐用年数を改め日本企業にスピードと活力を!円安が続いて、輸出関連企業を中心に少しでも景況感が変わることが期待されたが、技術力、販売力など非価格競争力で世界的な地位を築いている一部の先進企業を除けば、多数の中小企業はこのチャンスを生かしきれてはいないようだ。 一時的に円安でも、いつどのように変わるか分からないので、腰の据わった製造・輸出計画を立てようがないというのが現状であろう。 国内の経済も見通し難・・・・・・。 財政投資を中心に随時景気対策は打たれてはいるが、むしろだんだん構造的な不況に陥りつつあるという感が強まっている。 このような時には、景気回復の牽引役として重要な設備投資の気運は起こりようがない。 資金繰り的にも製品販路的にも、とてもそれどころではないというのが一般企業であろう。 もちろん、こんな時法人税の減額云々の将来計画も、その耳には届かない。 来月、来々月の資金繰りや受け取った手形が期日に決済されるかどうかなどなど・・・・・・ さてこのような時ではあるが、税のことで是非実現させておきたいことがある。 「建物の耐用年数」のことであります。 日本の建物は、その気候風土(雨が多く湿度が高いため木造建物を中心に腐食しやすい)と、経済の高成長で経済的利用効率、デザイン機能性等々から都市部を中心に、法定耐用年数より短い期間で取壊されるものも少なくない。 法律上、各構造に応じたそれぞれの耐用年数は、物理的にはもちろん首肯されるわけであるが、リスクが多く、もはや長期的・安定的な製品などありえないグローバルコンペティション時代には、プレイヤーの足かせとなる経済音痴の遺構でしかない。 時を捕らえたタイムリーな製品企画とスピードフルな製造,出荷体制の構築,及び後発の類似品の出現で価格競争に陥り、収益が見込めなくなれば速やかな競争戦線からの離脱、という一連の行動がシステマチックに行われてはじめて、企業は存続しうるほど、各分野の競争は高次元な段階に至りつつある。 現下の我国の建物及び機械設備の耐用年数では、もはや収益が見込めなく、撤退すべき製品製造工場の建物、機械設備が未償却のまま残ることとなる。 もちろんこれらが市場で簿価に近い価額で売却できるのならば、なんら問題は生じないのだが、現実市場では魅力の無い製品の製造設備など誰も見向きもしない。 これを税との関係で見ると、その製品が先行者利潤を得ている間は、過少な償却で過大な利潤計上となり、利益が見込めなくなり製造をストップする時には大きな簿価が残り、撤去・売却すれば大きな損出が発生、実現する。 現下の超競争経済では投下資本は利益の見込める短い期間に速やかに費用計上・回収し、次なる競争に備えることが至上命題であり、このような体制下で始めてチャレンジフルな企業群を生むことができる。 目先の国家税収の増減(もちろん、そのことも大切ではある)に目を奪われ、あちらで5000億減税したのだから、こちらで3000億の税収増が図れるよう各種税細項目の基準を見直すという作業を延々とやっている人々が、無自覚にも、我国の活力を潜在化させて長い時間が経っている。 ●起業家を育む税制資本主義経済の活力の根幹は、シュンペーターの指摘のとおり、多数のイノベーターによる、より良く、安い、新しい製品・サービスの終わりなき創出であろう。 次々と新しい商品・サービスが創出され、それらが相響し、より高次・高加工度のものが生まれていく。 このような活力ある社会・経済構造に向かっていくにためには、税制においてもそれを支えるような大改革が必要である。 今日までの日本の税制はどんどん大きくなる経済に寄生していれば良かったので、まるで知恵を使っていなかったといえば言い過ぎであろうか、でも経過からいえばそれを否定できない。 それは日本国民全体が、地価という怪物の成長に寄生していたことを否定できないのと同じである。 これから提案する積立て納税の制度を創出するならば、これはきっと世界初であるから、今日までの日本の評価、すなわち精巧で故障の少ないものを造る能力に対する以上に、その自我の確立、自治能力を世界の人々から評価されることになるであろう。 今日までの税は、別の出口から受け取るということはあっても、収めた税そのものをお返ししましょうという発想はなかった。 たとえ、起業に大成功し、たくさんの利益を計上・納税しても、後年何らかのアクシデントから赤字、倒産してしまったならば、その時点で、その企業相応の負債が積みあがっているであろうし、資産の処分は安値売却となるので会社の財産はもちろん、社長個人の全財産を処分しても足りないのが一般的でしょう。 もしもここまで読んで、社長が会社の負債のために個人財産全てを失うなど?と思われる方は上場企業や、著名企業に関しての知識しかないことを認識いただきたい。 日本の企業数の大部分を構成する中小企業においては、会社の借り入れには、社長個人やその家族の連帯保証が100%あたりまえの厳しい現実であることを知ってください。 このような状況での起業は、一歩ふみはずせば谷底へまっしぐらの冬山登りと同じで、出来る人は限られてくるし、それなりの訓練もなくやる人はアホーである。 今日セーフティネットという言葉が盛んであるが、これは何も金融業界や官庁の専有物ではない。 リスクも大きいが成功したあかつきには一般社会への貢献も大きい民間ベンチャーにこそセーフティネットは必要です。 そこでなのですが、サラリーマンにせよ、個人事業者にせよ、起業にせよ、その人が納税した税金(例えば過去10年程度)につき、その人が破産、倒産した場合には、その累積納税額の3分の1又は5分の1を返却することを、税制体系へ組み込むことを提案します。 このような税制にすれば国民の起業家魂は大きく花開き、世界に貢献することでしょう。 アメリカのベンチャーキャピタルエンジェルをうらやましがるより、そういう方々を生みださせる土壌を造らねばならないと思っています。 |
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