たぬきマンアメリカ激闘編の巻


第5回NEW YORK,NEW YORK



大盛況の述章堂バトルクリーク路上篆刻支店は閉店して、次の日市長達と分かれて一路ニューヨークに向かう事になった。
たぬきマンはニューヨークは大好きな街で、もともとジャズを聞きによく通った事がある。
今回も本命はニューヨークで(バトルクリークの皆さんごめんなさい!)デトロイトで国内線に乗り換えてニューヨークまで1時間ぐらい。快適な空の旅でラ.ガーディア空港に着いた。
デトロイトから来るとニューヨークメッツのホームグラウンド、シェイスタジアムの上を通る。
着陸姿勢に入っているのでかなり低空飛行で、ちょうどデイゲームをやっていて球場は満員だった。


ニューヨークに入るのに国際線はニュー.アークかJ.F.ケネディ−空港に着くので、最初に飛行機の窓から見る景色はマンハッタンの摩天楼だ。
この景色も初めてきた時には感激もので、あ〜!ニューヨークに来た!とわくわくするのだが、ラ.ガーディア空港はまた違った面持ちがある。
一番良い事はマンハッタンに近い事で、車で30分もあればマンハッタンに入れる。


今回は同行に1人のトモダチをつれてきた。タジマと言い市役所の職員だけれど、たぬきマンと同い年で昔は警察にいて心理捜査官を目指した経歴のあるヘンなやつだ。
いつもは中間管理職の悲哀さを体全体ににじませて、家族や金のため必死に自分を殺して役所人間を演じている。
地味な生き方をしているのでジミータジマと言っているが、ココロの中は暴風雨で、些細な事ですぐカッ!となり、飲みながら何も言わずにテーブルを思いきり叩いた事は数知れず。


もともと行動派で若い時一人でパリに行ったり、スキューバーダイヴィングは世界中の海を潜っている。
どうも日本にいると自分を出せずに正当な評価をされていないらしい処はたぬきマンと似ていて
外国にいったとたんに顔が変わり、ジミータジマが日系三世のヒロタジマに変身するから面白いものだ。


今回も成田を出る前は背中を丸めてへコヘコ歩いていたが、ゲートを通ったその瞬間から、目は輝き、背中は伸びて口から英語がほとばしり出てきた。


バトルまで2人で来たので、しょうがないニューヨークも案内してやろうと、路上篆刻の鞄持ちをさせる。


「たぬきマン、ニューヨークってすごいかな!?」
「なにが?」
「だって5番街にはエイズ患者が寝て物乞いしてるし、ちょっと暗いところじゃ、すぐ強盗にあうんだろ?」
「なんだヒロタジマ、ニューヨーク初めてか。そうだ、そのとうり!
セントラルパークは昼間でもオンナは2人連れじゃないと犯されるし
地下鉄にいたってはナイフや拳銃でうたれて、あっというまに死んじゃうから気をつけろよ」
ヒロタジマ、完全にびびった。


そんなわけないんだけど、ニューヨークの日本人のイメージは大体こんなものだ。
でもたしかに1970年代から90年過ぎにかけてホントに危ない街だった。
通りひとつ向こうに行こうとして、危なくてイエローキャブ(タクシー)を呼んだ事もあった。
今はアメリカの景気が良くなって失業者がいなくなり、強盗やるよりチャンと勤めた方がいいから大分ましになった。
かつて悪の巣窟だった42丁目も売春婦やポルノショップなど再開発でいなくなり、
今ではワーナーブラザースのショップがありポケモンのドデカイ看板がかかっている。


クイーンズボロブリッジをぬけてマンハッタンに入る。
最初ホテルにチェックインする前にメトロポリタン美術館にいきたかったので、クルマを向けてもらう。

メトロポリタン美術館は人でいっぱいだった。
ちょうどこの時はエジプト展の特集をやっていて、いろんな人種がごったがえしている。
階段の下の広場にはホットドックの屋台が何件か出ていて盛況だ。
たぬきマンもホットドックを買って階段に座って食べ出した。


ニューヨークで田舎者に見られないようにする3箇条を教えましょう。
その1。荷物はかならず足にからめておくこと。(ひったくりや置き引きに注意。デイパックを前にしょっている人もいます。)
その2。服装のT.P.Oを徹底させること。(最高級の店に行く時にはそれなりの格好を。Tシャツでハーフドーググッドマンやティファニーに行けば買い物はできるけれどそれなりの扱いしか受けないからね)
その3。カーネギーデリでパストラミサンドイッチを1人前頼んでこれでお腹いっぱいになるかなと店員に聞かない事。
特に「その3」は大事で、もうちょっと回が進むと出てくるけれどお楽しみに。

メトロポリタン美術館は広大で、素晴らしい収集品がある。本気で見るととても1日じゃ回りきれない。
外国の美術館に行くといつも感じる事だけれど、ファンゴッホでもゴーギャンでもミケランジェロでもホントに近くで見られる。
警備員はいるが、見ている分には何も言わないし、たぬきマンはファンゴッホの、尋常でない油絵の具のもりあがり方と、筆使いをはじめて文字どおり10センチの近さで目の前で見て感激した。
日本に来た時見に行ったら、絵の前から5mのところに綱が張ってあってその前に警備員が4人いて、とても鑑賞する雰囲気では無かった。
国民性の違いや警備の都合もあるのだろうが素晴らしいかどうかは近くでゆっくり見て初めて分かるので、未来まで絶対残したい、という気持ちは感動しないと湧いてこないものだ。
日本で芸術に対して無関心な人たちが多いのは、そんなところが根本なのかも知れない。
次回はいよいよニューヨークナイトツアーの巻だ!面白いぞ!

アメリカ豆知識
ニューヨークは安全になった!
もちろん日本のようには行かないが今回夜中に(am2:00すぎ)女性の2人連れが歩いていたり、デリに入っているのをよく見かけた。最初は信じられなかった。前にいった時は朝まで遊んでいたが、夜そとに出た時の緊張感は、どんなに飲んでも酔わなかった事で証明できる。景気が良いっていいことだ!

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