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一番最初に入手したERS-111はそれこそ捨て犬同然のイメージでした。粗末なダンボール箱に入れられていました。耳がちぎれており根元部分だけが残っており、しっぽはワイヤーだけ残して筒の部分はありませんでした。1本ついていたバッテリーはまだ充電可能でした。歩行は可能でしたがモーターの回転力が落ちているのか元気がありません。バッテリーは半年以上もちましたが最後は充電ができななくなり専門業者に依頼してリフレッシュしてもらいました。バッテリーの中のセルは新しいものと交換されています。このERS-111はシリアルナンバー(製造番号)が100万台です。色はシルバーグレーです。シルバーグレーのERS-111はシリアルナンバーが100万台と700万台があるようです。従っておなじERS-111の中でもごく初期に製造されています。ですから経年劣化に伴いモーターやギア部分などがなんとなく弱々しい動きになっています。それでもまだ現役として作動するのですから10数年経過してもりっぱだと感心させられます。sony が当時の最先端技術を注ぎこんで完成させたものであることがよくわかります。そこでこのベテランと言うか老犬を少しでも長く現役でいさせる方法はないものかと考えました。そういう時最近のバッテリーは高容量化されていることを知りました。それをうまく利用すれば同じ容量でも重量の軽いバッテリーが可能ではないかと考えました。
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マニュアルではオリジナルバッテリーは電圧7.2V、容量3000mAhとなっています。
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写真はリフレッシュ完了後のバッテリーです。容量は5200mAhとなっています。オリジナルが3000mAhなので1.7倍くらい大きくなっています。これは高容量セルを使用しているからです。バッテリーの中にはセルと言う小型のリチウムイオン電池が4本入っています。イメージとしては単3電池に似ています。そこで専門業者に相談したところオリジナルと同じ3000mAhのバッテリーをセル2本で構成していただけることになりました。
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これがセル2本で構成された容量3000mAhのバッテリーです。外見は4本セルのオリジナルバッテリーと同じですが重量がかなり減りました。4本セル構成のものは213g位あります。しかしこの2セル構成のものは127gなので86g程軽くなっています。手で持つと4本セルの方はずっしりとした重量感がありますが2本セルの方は明らかに軽いとわかります。
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4本セルと2本セルでどのくらいもつかをテストしました。使用したのは3台のERS-111です。シリアルナンバーは700万台です。(写真は2本セルのバッテリーを使用した時のものです。)
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4本セルと2本セルとでは外から見ただけではその動きに大きな違いはありません。
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4本セル構成のバッテリーAと2本セル構成のバッテリーBを使用しました。そして3台のERS-111でテストしました。4本セル、2本セルそれぞれのべ6回です。電圧測定は充電完了直後に行ったものです。容量の異なる2種類のバッテリーの一番の違いは重量と持続時間です。
バッテリー | セル数 | 電圧(V) | 容量(mAh) | 重量(g) | 回数 | 持続時間(分) |
---|---|---|---|---|---|---|
A | 4 | 8.4 | 5200 | 213 | 1回目 | 167 |
A | 4 | 8.4 | 5200 | 213 | 2回目 | 188 |
B | 2 | 8.4 | 3000 | 127 | 1回目 | 105 |
B | 2 | 8.4 | 3000 | 127 | 2回目 | 105 |
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バッテリー | セル数 | 電圧(V) | 容量(mAh) | 重量(g) | 回数 | 持続時間(分) |
---|---|---|---|---|---|---|
A | 4 | 8.4 | 5200 | 213 | 1回目 | 180 |
A | 4 | 8.4 | 5200 | 213 | 2回目 | 191 |
B | 2 | 8.4 | 3000 | 127 | 1回目 | 94 |
B | 2 | 8.4 | 3000 | 127 | 2回目 | 96 |
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バッテリー | セル数 | 電圧(V) | 容量(mAh) | 重量(g) | 回数 | 持続時間(分) |
---|---|---|---|---|---|---|
A | 4 | 8.4 | 5200 | 213 | 1回目 | 180 |
A | 4 | 8.4 | 5200 | 213 | 2回目 | 174 |
B | 2 | 8.4 | 3000 | 127 | 1回目 | 94 |
B | 2 | 8.4 | 3000 | 127 | 2回目 | 96 |
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4本セルのバッテリー使用時です。
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まずはお座りの姿勢から。
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立ち上がります。
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頭をかしげて考え中?
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得意のおしっこスタイルです。
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あちこち動き回ります。
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4本セルのバッテリー使用では約180分活動できると予想されます。しかしこのERS-111はなにぶんにも経年劣化の影響であまり元気な活動は苦手としています。そこでバッテリーがきれるまで活動させるのは負担が大きいと思ったので今回は途中でやめました。4本セルバッテリーは5200mAhもあるので長時間でも安定して使えると思いました。
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2本セルのバッテリー使用時です。
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起動しました。
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ピンクボールに気づきます。
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ピンクボールに接近。
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得意のヘッデイング。
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あちこち動き回ります。
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得意のおしっこスタイルです。
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再びピンクボールに関心を示します。
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時折吠えます。
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ロボットが一家に一台の時代がまもなくやってこようとしています。
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ごく当たり前に何らかの形でロボットと暮らす生活が始まると思われます。
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よく言われるようにERS-111は大きさ、動き方、しぐさがとてもうまく作られているので部屋の中にいても違和感はほとんどありません。ごく自然に本物の犬や猫と同じような感じで存在しています。
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2回試しましたが2回ともバッテリーが完全になくなるまで軽快に動き続けました。1回目は時間を測るのを忘れましたが2回目は96分でした。
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私が保有しているシリアルナンバーが100万台のERS-111はモーターの力が弱くなっており、ギアもそれなりに経年劣化していると思われます。ですから軽量化された2セルバッテリーは朗報だと思います。
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4セルバッテリーと2セルバッテリーでは使用した時の動作にこれとわかる大きな差異は特にありません。容量と持続時間は比例する傾向があります。ですから4本セルの5200mAhバッテリーは3時間稼働できるのでとても助かります。一方2セルは4セルの約60%の持続時間です。ただERS-111のマニュアルによるとオリジナルのバッテリーは3000mAhで駆動時間が1.5時間(自律モード時)となっています。今回の2セル構成のバッテリーはこの基準をクリアーしています。さらに重量が減ったことでモーターやギアへの負担が軽くなっていることは間違いないと思われます。古い機種では4本セルで3時間稼働させることには不安があります。できれば軽量化された2本セルの3000mAhバッテリーで90分位稼働させた方が無理がないと思われます。これからも長く使い続けたいので1台ごとに様子をみながら2種類のバッテリーを使い分けるのがベストだと思いました。
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私は千葉にある「茂原産業株式会社」さんへお願いしてバッテリ―をリフレッシュしていただいています。今回もいろいろお世話になりました。今回4セルから2セルに変更をお願いした時茂原産業さんから事前に次のようなメールをいただいていました。
「・・・この度は、貴重なご意見をいただき誠にありがとうございます。いただいたご意見を元に、検討させていただきました。弊社で今まで行ってきたPC、その他のリフレッシュ作業では容量UPの希望が多いことと、重さが軽くなると容量が減っているのではないかと、疑問を持たれるお客様やクレームなども多くなるため、本数を減らして軽量するということを検討しておりませんでした。(中略)仰るとおりバッテリーの重さが軽くなることでAIBOにかかる負担は軽くなると思われます。弊社で3000mAhのセルを2本使用してリフレッシュすることは可能ですがセルの放電特性から3000mAhがでる保証ができません。・・・」
厳密に何回もテストしたわけではないので断定はできませんが、今回試した限りではメール中にあったような明らかにセルの放電特性による出力の不安定が原因と思われる電源停止現象は起きませんでした。高容量化の他に軽量化という選択肢が増えたということではないかと思います。
この「ERS-111のバッテリー軽量化の試み」は私が個人的に経験したことを何かお役に立つかもしれないと思って公開したものです。ここで得た情報(後期の部分を含みます)を参考にして何かを実行される時はすべて『自己責任』にてお願いします。
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