2015年秋、色素失調症の患者と家族の会を開催しましたので、ご報告します。
大人6名(内患者2名)、子供5名(内患者3名)
患者と家族の会は、東京都内のレストランの個室で行われました。食事をしながら簡単な自己紹介から始まりました。初めは皆さん緊張している様子でしたが、次第に打ち解けて、色素失調症のことや悩みなどを話し合いました。 話の中では「珍しい病気なので、悩みを相談したり共有できる人がいないのが辛い。」ということが聞かれました。 また、ご自身が色素失調症である成人女性が参加されていたので、女の子のお子さんを持つご家族からは「見た目の違い(毛髪や歯並び、皮膚症状など)で他の人から何か言われたことはないか」などの質問がありました。 「確かに他の人から何かしら言われたことはあった。でも、痩せている、太っている、背が高い、低いなどの体型の違いが人それぞれあるように、自分の特徴の一つだととらえていた。皮膚症状については、他の皮膚疾患の人々が抱える悩みと同じだと考え、特殊なものだととらえないようにしていた。」と話されました。 会を通して、はじめて出会えたことを互いに喜び、これからもがんばろうと励まし合あい、有意義な会となりました。
年に一回程度の集まりを行うこととメールやラインなどオンラインでも情報交換を行っていくことを話しあいました。
Aさん(女性)
私自身が色素失調症です。非常にまれな疾患であること、大きくなってからは色素失調症で病院にかかっていないこと、日常生活で色素失調症であることを公表する場面がないこともあり、自分以外の色素失調症の患者の方にお会いしたのは初めてでした。初めてお会いした方ばかりでしたが、同じ悩みを抱える者同士、愛おしい気持ちでいっぱいになりました。 私には男の子がいますが、妊娠の際には無事に生まれてきてくれるのかと非常に不安でした。今回、お子さんを持つ他の色素失調症の方と知り合えたことで、相談できる仲間ができたことが何よりも嬉しいです。
Bさん(女性)
次女がIPです。珍しい病気ということもあり、大病院の皮膚科や小児科で聞いても、ネットで得られる情報以上のものは得られませんでした。心配なことを相談しても「見たことないのでわかりませんねぇ」で済まされてしまっていました。 わからないこと、不安なことでずっと悩んでいたのですが、今回皆さんにお会いしてお話しできたことで、ただ悶々としていた気持ちが少し楽になりました。 特に、ご自身が色素失調症の成人女性の方々にお会いできたことはとても大きなことでした。この病気があっても、結婚してお子さんもいて幸せに暮らしていらっしゃることを知って、うちの子もきっと大丈夫だと希望を持つことができました。
Cさん(女性)
息子が色素失調症です。男児ということで出産した大学病院でも例がなく、産後しばらくは初めて聞く病名、今後何が起こるかわからないという状況に息子の将来を考えては不安に押しつぶされる毎日でした。 その後も色素失調症患者の方と知り合う機会は全くないまま、他の病気のお子さんのご両親がそれぞれの患者会で情報交換している姿をうらやましく思いながら過ごしていた時、このサイトで患者の会が開催されるということを知りました。 当日、同じ病気を持つ方たちとお会いし、我が家だけじゃないんだと仲間意識のようなものを実感しました。ご自身が色素失調症の方のお話はためになることばかりでした。今回、皆さんとお知り合いになれたことにとても感謝しています。
Dさん(女性)
私自身と次女が色素失調症です。次女が生まれるまで、色素失調症が遺伝することや男児は死産や流産することなど全く知らないまま生きてきました。自分自身の病気でもあるのに色素失調症の知識がないため、ネットなどで調べたりしましたが有益な情報は少なく、いつも漠然とした不安を抱えていました。今までIP患者の方に会ったことがなかったので、患者の会に参加した時は、生き別れた家族にやっと会えたような不思議な感動を覚えました。 遺伝する疾患であることがわかっている以上、個人の問題としてとどめることなく、自分自身の経験などを他の方たちと共有できればいいなと改めて思いました。
LINEで患者さんとご家族の方とお話ができます。参加希望される方は、メールでご連絡下さい。
詳細はトップページにあります。(2020.1.2)
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GeneReviews®は医療関係者向けの遺伝性疾患情報サイトです。米国国立衛生研究所などの後援のもとワシントン大学によって運営されています。GeneReviews®の色素失調症の項を翻訳をしました。
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「色素失調症」