離婚給付等契約公正証書を作成するには |
離婚に際して双方が合意した養育費や慰謝料、財産分与など金銭支払の約束を公正証書で作成できます(離婚給付等契約公正証書)。 当公証役場で離婚の給付に関する公正証書を作成する際の手順は、次のとおりです。 1.当事者の間で、取り決める内容をよく話し合って合意する ・取り決める内容は、双方が納得できる内容にすることが大切です。 ・必要に応じて、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。 ・公正証書に記載する内容は、左欄外「確認事項のリスト」を参考にしてください。 公正証書には、双方が合意した内容を「契約」として記載します。 養育費、財産分与など、当事者間の約束内容がすべて決まっていなければ、作成することができません。 必ず双方の合意ができてから、公証役場にご依頼ください。2.合意内容が決まったら、公証役場へ依頼 ・二人が合意した内容を「確認事項のリスト」に記入して、公証役場へ事前送付 持参、郵送、コンビニからFAX、スマホで写真に撮ってメールで送るなど、方法は問いません。 ・公証人が内容を確認して文章化し、見積もりを算出して連絡します。 ・最終案が確定したら、作成日を予約します。 合意内容によって必要書類が異なるので、公証人から必要な書類をご案内します。 受付順に対応しますので、予約の混雑状況により2~3週間程度を要する場合があります。 3.作成当日 ・二人で一緒に来所(必要書類を持参) 離婚は重要な身分行為ですので、必ず二人で来所してください。 やむを得ない場合のみ、弁護士などを代理人とできますが、詳細な「委任状」が必要です。 ・公証人が双方に合意内容を確認し、その場で「公正証書」を作成 当日の所要時間は約1時間です(内容により前後する場合があります)。 |
必要書類 |
1.本人確認と家族関係の疎明資料 ①「顔写真付き公的身分証明書」と「認印」 運転免許証、マイナンバーカード、旅券、身体障害者手帳、在留カードが使えます。 ②「印鑑登録証明書」と「実印」 ※①~②のうち、どちらか一つの組合せを持参してください。 ③「戸籍謄本」 ・離婚届を提出前の場合→家族全員(夫婦と子)が載っている戸籍謄本1通 ・離婚届を提出済の場合→離婚日が載っている元夫・元妻の各自の戸籍謄本を1通ずつ 2.財産分与がある場合 ①家や土地を相手に譲渡するとき ・「不動産の登記簿謄本」と「固定資産税納税通知書(又は固定資産評価証明書)」 ・住宅ローン残債の負担を取り決める場合は、「ローン残債の分かる資料」 ・太陽光発電設備の名義を相手に変更する場合は、「設備IDが分かる資料」 ②自動車を相手に譲渡するとき ・「車検証」(コピーで可) 3.年金分割を記載する場合 ①「年金手帳」又は「基礎年金番号通知書」など ・双方の年金番号を公正証書に記載するため、各自の年金番号が分かる資料が必要です。 年金分割の制度は、左欄外のリンク「年金分割」の「離婚時の厚生年金の合意分割制度」をご確認ください。 |
費用の目安 |
公証人の手数料は、政令(公証人手数料令)で定められています。 離婚の公正証書では、養育費、慰謝料、財産分与の各手数料を算出して合算します。 ただし、養育費は、支払期間がどれだけ長くても10年までの金額のみを算定します。 例)子(3歳)1人に20歳まで(17年間)月3万円の養育費を支払う ・月3万円×12か月×10年まで=360万円(目的価額) |
不払いになったときは~(送達証明書・執行文) |
公正証書で取り決めた養育費などの金銭支払約束が守られない場合は、強制執行の申立ができます。
申立先は、相手方の住所地を管轄する地方裁判所です。
強制執行により相手方の給料や預貯金を差し押え、相手方の勤務先や預金先から受け取ることができるようになります。 詳しくは左欄外のリンク「強制執行」の「養育費に関する手続」(裁判所)をご確認ください。申し立てるときには、裁判所から、①「執行文」(強制執行ができる旨の証明文を記載した公正証書(正本))と、②送達証明書(相手が公正証書を受け取っていることの証明)の提出を求められます。 このため、裁判所に申し立てる前に、あらかじめ公証役場で①②の手続を済ませておく必要があります。 ①は、公証人が「執行文」を付記した公正証書の正本を作ってお渡しします。 ②は、公正証書の謄本を相手方に郵送し、相手方が受領したら証明書をお渡しできます。 これらの手続には、必要書類や費用が異なりますので、事前予約の際に公証役場にお尋ねください。 |