統合失調症・精神分裂病は「二大内因性精神病」の1つと呼ばれる(もう1つは躁うつ病)。
■統合失調症・精神分裂病・分裂病■
『精神病の定義』
現実と非現実を区別するための能力に障害が発生し、通常の状態で認識できることが不可能になり、場合によっては幻覚や妄想で混乱してしまう病態のことで、精神病の代表格的なもの。
『統合失調症・精神分裂病の定義』
多くの場合、思春期から30歳で発症し、幻覚や妄想が出現するために人格欠陥(人柄に変化が生じ、無関心な精神状態になること)を残す病態のことで、後々社会生活に支障を来す。
『基本症状の4種類』
「association(観念連合障害)」「affect(感情障害)」「autism(自閉性)」「ambivalence(両価性)」
- 「観念連合障害」:支離滅裂…思考内容のまとまりのなさ/連合弛緩…連想のゆるみ
- 「感情障害」:感情の起伏がなくなる/感情が不安定になる/物事への無関心
- 「自閉性」:自分だけの世界に閉じこもる。
- 「両価性」:同一の対象(親や恋人など)への愛情と憎悪が混同している。
『一級症状』
- 自分の考えていることが声として聞こえる。
- 自分の話をしている複数の声が聞こえる。
- 自分の行動を常に指摘する声が聞こえる。
- 自分の体に発信装置や盗聴器が仕掛けられていると感じる。
- 自分の考えていることが他人に読まれていると感じる。
- 自分の考えていることが奪われているとか、他人に強制されていると感じる。
- 自分の感情や意思が他人に支配されていると感じる。
- 自分へのいやがらせであるという関連付けや意味付けを様々な物事に対して感じる。
「典型的な症状の一部です」
統合失調症・精神分裂病・分裂病の中核に位置する様々な症状について。
■統合失調症・精神分裂病・分裂病の主観症状■
『自我障害』
- 「離人症」:初期症状では、自分で体験していることが他人によって経験させられているという感覚に支配される。
- 「影響体験」:電波・催眠術などによって自分の感情・考え・行動などが支配されているため、自分のものではないと感じる。一種の妄想的な性質も持っており、思考干渉・思考奪取・思考吹入・思考伝播などがある。
- 「統合性障害」:自分の人格に対する統一性の欠如が見られる。
『妄想』
妄想や分裂病の場合、自分は病気であるという自覚がなくなり、自分の考えが正しいという強い思い込みのため、考え方を訂正することが不可能になる。その多くは様々な被害妄想として表れる。
- 関係妄想:他人の言動と行動が、すべて自分に関係があると思い込んでいる。
- 注察妄想:人が集まっている場所では、そのすべての人が自分を観察していると思い込んでいる。
- 迫害妄想:自分が他人や組織によって、調査・追跡・攻撃・迫害されていると思い込んでいる。
- 被毒妄想:毒物が自分の食物に入っているとか、他人が毒を混入したと思い込んでいる。
- 影響妄想:自分が他人の催眠術によって操られていると思い込んでいる。
- 嫉妬妄想:恋愛関係上の被害妄想で、根拠もなく相手が不倫をしていると思い込んでいる。
- 好訴妄想:他人が自分の法的権利を侵害したと思い込んで法的に訴える。
- 心気妄想:自分が訴えている内容の中に、とても奇妙なことが多く含まれている。
- 宗教妄想:自分が神や預言者の生まれ変わりだと思い込んでいる。
- 憑依妄想:神や悪魔が自分のすべてを支配していると思い込んでいる。
- 血統妄想:自分が天皇や王様の子孫だと思い込んでいる。
- 変身妄想:自分が動物や植物に変身したと思い込んでいる。
- 発明妄想:自分が非常にすばらしいものを発見したと思い込んでいる。
- 恋愛妄想:自分がだれかに愛されていると思い込んでいる。
『分裂病の場合』
原因や発生理由などについての理解が困難である一時妄想がある。
- 「妄想気分」:ばく然的な気分を感じているが、その気分を明確に限定することができない状態。
- 「妄想知覚」:ある物事に対して自分と深く関係があると思い込んでいる状態。
『例1』:道路に落ちているゴミは、自分に対するいやがらせだ。
『例2』:車やバイクのライトが点灯しているのは、自分に対するいやがらせだ。
- 「妄想着想」:何の前触れもなく突然強い思い込みをしてしまう状態。
『例1』:自分は神だ。自分は神になった。
『例2』:自分は英雄だ。自分は英雄になった。
『幻覚』
「妄想」と「幻覚」には密接な関係があり、他人から見た場合、独り言を話しているように見えても自分である本人は「幻覚」への対応を行っている。
- 「幻聴」:統合失調症・精神分裂病の中で最も報告が多い。囁き・問いかけ・罵り・脅しなどが聞こえる。
- 「幻触」:身体感覚に関する症状。根拠もなく電波・電気・磁気・放射線などに影響を受けていると思い込んでいる。重度の場合、たたかれる・焼かれる・刺される・斬られる・撃たれる・身体をバラバラにされるなどのように思い込む内容も過激になっていく。
- 「幻臭」:被害妄想に近い症状で、毒などの混入を疑って匂いをかぎ分け続ける。
- 「幻視」:分裂病ではほとんど見られない。
「統合失調症・精神分裂病の中でも幻覚への対応がとても重要になる」
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