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  1. Respiratory Index (その2)
  2. Respiratory Index (その3)
  3. 肺動脈閉塞試験
  4. 抗悪性腫瘍剤の血管外漏出時の対策
  5. 頻脈発作の治療
  6. 局所麻酔薬の基礎知識(その2)
  7. 酸素マスク
  8. PT・APTT
  9. カテコールアミン
  10. 不眠薬・睡眠薬の使い方

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研修医宿題

Respiratory index(RI)とは(基礎扁)

本間 幸恵

肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)とは吸い込んだ空気中の酸素が肺胞上皮細胞で動脈中に入り込んだとき、どれだけロスしているかを表したものであり、Respiratory index(RI)とは人間に必要な動脈血中酸素濃度(PaO2)100mmHgを得る為にどれだけの酸素を損しているかの指標であることは前回原田先生のレポートで述べていただいた。

 身近な例をあげてみよう

 私(本間)は100円なくては生活していけないため、毎日島田先生からお小遣いをいただいて生活している。ところがお小遣いは直接ではなく伊藤先生の手を介して毎日渡されている。

という状況を仮定する。この場合の私はPaO2であり、島田先生がPAO2である。

 このとき、伊藤先生が中間手数料として毎日20円取っていってしまわれると私は暮らしていくことが出来ない。従って島田先生は120円払わなくてはいけなくなってしまう。

 この場合の伊藤先生がA-aDO2である。このときのRIは0.2である。

 伊藤先生が50円取っていってしまわれたらどうなるか。島田先生の支出は150円になってしまう。

 このときのRIは0.5である。RIの動きとしてはたったの0.3かもしれないが伊藤先生の儲けはなんと2.5倍、そして島田先生の懐もおおいに痛むことになる。

 このようにRIの変化は生体の酸素の供給を鋭敏に反映しており、術後の病態生理を把握するのに欠かせない指標といえる。

 では、術後RIが上昇するのはどんなことが考えられるか

 A-aDO2が大きくなる理由の1つに吸い込んだ空気中の酸素が動脈中に入るまでの距離が遠い場合があげられる。つまり、肺胞上皮細胞が水分を含んで分厚くなっているときである。これには手術侵襲によって放出されるADHやサイトカインによるもの、水分のインアウトバランスの崩れなど様々な原因が考えられる。術後水分バランスを考えていく上でもおおいに有効であるといえる。

August 24, 2002

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