研修医宿題
頻脈発作の治療
福井 花央
1. 洞性頻拍
運動、興奮、貧血、発熱、甲状腺機能亢進症などが原因.
→原因確認のうえで必要であれば精神安定剤、β遮断薬(プロプラノロール)
2. 上室性頻拍(発作性上室性頻拍PSVT)
(1)迷走神経刺激
頚動脈洞マッサージ(Czermark操作):頚動脈洞を片側ずつ1回10秒以内圧迫する.これを2-3回試みる
怒責法(Valsalva法):最大吸気時に息こらえをする
Ashner操作:両目を閉じて瞼の上から両眼球を指で圧迫
(2)薬物療法
Ca拮抗薬:ベラパミル(ワソラン)5-10mgを静脈注射
代謝製剤:アデノシン三リン酸二ナトリウム(アデホス)5-10mgを静脈注射
ジギタリス製剤、?歛群、?歟群
(3)直流電気ショック療法
再発予防:薬物療法、カテーテルアブレーション法、ペースメーカー植え込み
3. 心室性頻拍(発作性心室性頻拍PVT)(迷走神経刺激は無効)
意識があるとき
直流電気ショック療法
初回100J、無効なら200J、300J、400Jと増加
意識がないとき
(1)リドカイン
50mgを静脈注射
停止しなければ5分ごとに50mg追加、3mg/kgをこえないように
停止すれば1-4mg/minの持続点滴
(2)プロカインアミド:リドカイン無効のとき
停止するまで50mg/minで静脈注射、1000mgをこえないように
停止すれば1-3mg/minで持続点滴
(3)電気的除細動 リドカイン、プロカインアミドともに無効のとき
再発予防:薬物療法、外科治療、カテーテルアブレーション法、植え込み型除細動器
参考文献;内科学(朝倉書店)
当直医マニュアル(医歯薬出版株式会社)
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Mar 30, 2004
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