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  1. Respiratory Index (その2)
  2. Respiratory Index (その3)
  3. 肺動脈閉塞試験
  4. 抗悪性腫瘍剤の血管外漏出時の対策
  5. 頻脈発作の治療
  6. 局所麻酔薬の基礎知識(その2)
  7. 酸素マスク
  8. PT・APTT
  9. カテコールアミン
  10. 不眠薬・睡眠薬の使い方

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研修医宿題

Respiratory index(RI)

石井 亘 

肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)とは、吸気時の酸素が肺胞上皮細胞で動脈中に入り込んだときにどれくらいのロスをしているかを表したものである。また、Respiratory index(RI)とは、生命活動を行う人体に必要な動脈血中酸素濃度(PaO2)100mmHgを得るためにどれだけの酸素をロスしているかを指標として表したものである。これは、前回本間先生、原田先生にレポートしていただきました。

 PaO2は、FiO2、肺胞換気量、シャント率、換気血流比等の影響を受けるために、異なったFiO2におけるPaO2の値を比較し呼吸管理の評価を行うことは、臨床を行う上であまり理論的なのもではない。

 そのために異なった値のFiO2におけるPaO2に対するRIの値を指標にすることが推奨されている。つまりRIの減少は肺胞での換気の改善を示し、増加は肺胞換気の増悪を示している。この値は、呼吸機能が問題となる肺切除を行う患者にとって、術前と術後の呼吸機能を評価するのに特に重要である。ここで、RIを導き出す算式は、以下の通りである。

RI=P(A-a)O2/PaO2

 つまりRIが術後に上昇しているということは、吸気での酸素が動脈に取り込まれるまでに距離ができてしまうということである。この理由として、手術や麻酔による侵襲によって、術後サードスペースから水分が肺胞上皮に流入してきて起こることがあると考えられる。これにより術後、特に肺機能がもともと悪かった患者や特に肺を切除する患者にとってRIを参考にして術後の水分バランスを管理することができる。

August 4, 2003

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