ソロモン七十二柱の魔王
72 Solomon of DEVILS
まずソロモンとは人の名前である。古代イスラエル王国の王であり、真偽はどうあれ魔術王として知られている。
まあ詳しくは別項でやるとして、ソロモン王は悪魔を使役していたという伝承があり、それが72柱の魔王である。
総称する呼び名は様々で、72体、72匹、72人の悪魔、精霊などともいう。ちなみにソロモン王の時代では精霊と悪魔は同義だったそうだ。
いずれも軍団を従える強力な存在で、その彼らを使役できるということは、その配下の軍団も使役できるということである。また彼らとその軍団はソロモン王により、真鍮(青銅とも)の小瓶に閉じ込められていたそうだ。ぎゅうぎゅう詰めだったろうに・・・ソロモンの壷、ソロモンの小瓶などと呼ばれるこれは、湖に沈められたが後に何も知らない者の手に渡り、封印を解かれ解放されたという。
この72の魔王だが文献によって、顔触れや名前が違ってたり、あげくは名称が違うが同一のがいたりでややこしい。
ここではゲーティアに記されているものを中心に、残りを補足する形でやろうと思います。
1.バアル | 2.アガレス | 3.ヴァサーゴ | 4.ガミジン(サミジナ) | 5.マルバス | 6.ヴァルファーレ | 7.アモン | 8.バルバトス |
9.パイモン | 10.ブエル | 11.グシオン | 12.シトリー | 13.べレス | 14.レライエ | 15.エリゴール | 16.ゼパール |
17.ボティス | 18.バシン | 19.サレオス | 20.プルソン | 21.マラクス | 22.イポス | 23.アイム | 24.ナベリウス |
25.グラシャラボラス | 26.ブネ | 27.ロノウェ | 28.ベリス | 29.アスタロト | 30.フォルネウス | 31.フォラス | 32.アスモデウス |
33.ガープ | 34.フルフル | 35.マルコキアス | 36.ストラス | 37.フェニックス | 38.ハルファス | 39.マルファス | 40.ラウム |
41.フォカロル | 42.ヴェパール | 43.サブノック | 44.シャックス | 45.ウィネ | 46.ビフロンズ | 47.ウヴァル | 48.ハーゲンティ |
49.クローセル | 50.フルカス | 51.バラム | 52.アロセス | 53.カイム | 54.ムールムール | 55.オロバス | 56.ゴモリー |
57.オセ | 58.アミー | 59.オリアス | 60.ヴァプラ | 61.ザガン | 62.ヴォラク | 63.アンドラス | 64.フラロウス |
65.アンドレアルフス | 66.キマリアス | 67.アムドゥシアス | 68.ベリアル | 69.デカラビア | 70.セエレ | 71.ダンタリオン | 72.アンドロマリウス |
72の意味
では、この72という数字の意味を説明しましょう。
キリスト系の神の名ヤハウェ・・・
軽々しく口にしてはいけないということで、YHWHと表記し神聖四文字(テトラグラマトン)と言います。
そしてこの四文字を並び替えて出来る組み合わせをセムハメフォラシュと呼び、その組み合わせが72になります。
また、神と地上を結ぶヤコブの梯子に照応する72人の天使の名前にも関連付けられており、それに対応したのが72の魔王ではないかといわれる。
また占星術で、十二宮図を各々5度の円弧で6分割し(占星術において「フェイス」と呼ばれるもの)、360÷5=72の区画になり、それが各魔王の支配領域(といえばいいのか?)、となり魔王の数が72になるという説もある。
とはいえ、支配領域云々となると5でなく、10で割って36として相応する魔王を昼夜で変える方式が一般的。
ちなみに魔王に打ってある番号は白羊宮の0°を起点とした、時計回り順の支配領域である。
蛇足ですが72という数字は人間の脈拍数や、春分点歳差(春分点は72年で約1度ほど東から西にずれる。つまり約2100年ごとに春分点のかかる星座が変わる、現在の春分点は魚座・・・もうすぐ水瓶になる、んでよかったかな?)に結びつくそうです。
またメタトロンも72の異名を持ってます。
他にも中国に端を発する七十二候という暦もあり、また陰暦の1年360日は、五行の5で割ると、72となるので縁起の良い数字とされていたとか。