意識と生命の関わり
   

生命と意識の関係はとても密接です。何故なら肉体が意識を失った状態のまま長時間が経過すれば、死に至るという結論が成り立つからです。でも医学が進歩した今日では、それはどこまでも物理的、原則的ということになります。
脳が生命を維持している事と、脳の機能が支障なく働くことは別であるようです。
意識が脳の機能と遮断されてしまったら、その肉体は経口で栄養を摂取することは出来ない、そうしたことからも、肉体の諸機関と意識の働きは密接に関わっていることがわかります。
たとえば、肉体が強健で、意志力もしっかりしている人であっても、意識を失い口から水分や食料を摂取することが出来ないという状態が続けば、肉体のダメージは進み、長時間にわたり適切な医療的措置が加えられなければ、生命の危機に関わるというわけです。
でも現実的には点滴などによる水分補給という適切な医療処置を受けることによって、長時間意識を失う事と死が直結することは考えられません。医学の進歩が生命の危機を救い延命を可能にしているということは事実です。
でも科学的な解明が奥深くまで続くと思われる意識に関しては、常識の範囲内で結論を導くのは拙速です。なぜなら、結論がついてしまえば、研究範囲に出来てしまうからです。とすれば未知の分野を開く進歩が止まってしまうことになります。

確かに脳が大きなダメージを受ければ意識も失われるという事があるのだと思います。でも、それは様々な階層の波動をキャッチするべき神経機能が働かないからという事かもしれません。意識の働きは脳の働き以上に人間の生命の根幹と結びついているという考えも成り立つのです。

意識はロボットでいえばロボットの機械的頭脳回路に電気を送るための信号であり、神経回路がスパークする作用を起こす源にある働きではないでしょうか。ロボットの場合は、そのオンオフを決めるのは人間です。でも人間にオンオフはありません。でも私たちが眠っているときは肉体意識はオフ状態です。でもそれは肉体内部の働きを妨げるものではありません。
そうしたことからも人間の生命原理の不可思議さがあります。意識は肉体だけの働きではなく、幽体霊体神体という複数の階層があることを考察する糸口がそこにはあるかも知れません。優秀な頭脳コンピューターを持つロボットも、人間のように無(空)からひらめきを生み出すことは出来ません。ないことも、驚異的な計算能力とデーターを詰め込んだパソコンと人間の頭脳の働きとの違いを探っていくところからも、人間機能の素晴らしさに対する感嘆が大きくなるのではないでしょうか。科学面の研究から、人間の可能性がより深く広く明らかになることを期待します。

最近は微弱な電気的刺激を利用した治療法の研究とか、そのほか電気的刺激による働きの応用が直接肉体の運動機能回復に用いられているとも聞きます。それは脳から発信される電気的回路のどこかが損傷し遮断されていることを医学的に外部から補おうとする試みのようです。
そのことからもわかることは、物質的なイメージが強い脳ですが、その働きは科学的なものであるということがわかります。そして考えられることは、電気的な強い刺激というよりは、波動という、とらえられないほど精細な働きが脳の働きと密接に関わっているということです。

脳は神経回路によって四肢と直結して、肉体を動かす運動命令信号をおくる働きをするとしても、私達が眠っている間は、その働きも中断しています。他方五臓六腑といわれる内臓器官の働きに休みはありません。眠っている間も働き続ける生命のプログラミングは、脳ではなく肉体の各機関の細胞が記憶しているのか、それとも意識の働きと関係しているのかは謎です。そうしたことからも、肉体と脳とそして意識の関係について、まだまだ未知の不可思議があると考えることができます。
そして私たちの意識と生命の根源はどこか深い叡智につながっているからこそ、精神と肉体という両面の働きが成り立っていると考える事ができます。

人間は誰もが生かされて生きているという考え方には科学的な根拠がある事になります。一方で私たちの肉体は心の持ち方や食生活など、生活全般にわたるバランスに影響をうけるということも知られています。
でもせっかく長生きしても認知症を発症してしまうのはみじめです。自分の身に置き換えれば、長生きもほどほどでいいという気持ちなります。でも自分の明日のことは判らないのが現実です。
なので、自分なりの対策として、本来肉体に備わっている免疫力や自然治癒力、自浄作用等が働きやすいように、肉体や精神を健全に保つように心がけることは大切という事になります。
意識の資質性ということでは、ことさら意識しなくても、私たちの肉体は目的行動を為し続けています。その意識と想念の働きはとても奥深そうですが、無意識に過ごしている感があります。でもさまざまな思考、行為は、それらをイメージする意識の働きと常に密接に関わっており、エネルギーという科学的働きが瞬々生み出されているからこそ、私たちは意識と行動を一致させることができるのでしょう。

やはり、普段あまり意識することのない意識、想念の働きは、実は私たちの健康にもつながる、とても重要な働きを持つと考えることが、自らを成長させることになるのです。
意識の働きには顕在意識と潜在意識があるといわれていますが、全容を把握出来ない意識層が、潜在意識とよばれるものです。
存在するけれど実態が見えないから潜在です。それは顕在意識の中では、その働きが解明されていない分、無いも同然の状態にです。でも実際は、私たちの意識の質とその形成に大きく関係している事になります。意識は想念となり、瞬々変化するものであれば、その働きを進化させることも、反対に意識の質をおとすことも出来るからです。
目には見えない働きは、長い時間軸を通してみれば、内面に潜む鍵であり、個人の運命とも大いに関わると考えることができます。

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