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―梨の花の短詩―

 

東京の桜の開花予想は27日でしたが、少し足踏みしているようです。そうしますと、国立の桜は何時になるのでしょうか。そして、梨の花の開花が待たれます。最大の関心はその開花日です。先に古谷厚二さんのお便りにありましたように、昨年の受粉作業応援開始は4月5日からでした。今年は何時からでしょうか、待遠しいです。

私は「くにたち・梨園ボランティア」に参加して以来、清楚な白い梨の花に魅せられて来ました。見ていますと心が和みます。

そこで、今回は「梨の花」の短詩について、古くからどんな風に詠われていたか調べて見ました。

万葉集では「梨の花」についてはないようですが、「梨」については4首あるそうですが、その中から1首を挙げてみます。

 

「もみぢ葉のにほひは繁し(しか)れども(つま)(なし)の木を()()()()さむ」(巻10−2188)

 

歌は、「色づいた木の葉の美しいのはたくさんある。しかしながら、私は妻無しではないが美しく色づいた木を折ってかざしにしよう」、という意味とのことです。梨が「無し」に通じるので、「妻梨の木」と懸けているのです。この歌と関係ないですが、昔梨は「無し」に通じて、縁起が悪い言葉として、梨のことを「有りの実」と呼んでいたことがあったそうです。奥ゆかしさを感じますね。

近現代でも多くの方が「梨の花」について詠っています。いくつかをご紹介します。

 ・馬の耳すぼめて寒し梨の花     支考

 ・甲斐がねに雲こそかゝれ梨の花   与謝蕪村

 ・梨咲くと葛城の野はとの曇り    水原秋櫻子

 ・梨の花ふるさと人の早寝かな    中村汀女

 ・梨咲きぬ言葉の届く高さにて    岡本眸

その他にも沢山あります

私には歌心がありませんので、せめて、梨の花を見て、感動のコピーの一つでも考えたいと思っています。今年も皆さんとご一緒に花粉付け作業を楽しみたいと思います

以上

[資料]:

 1.「万葉花譜」文 松田修 国際情報社

 2.「歳時記」監修 例句選 金子兜太 朝日新聞社

 3.「俳句の花図鑑」復本一郎監修 成美堂出版  他「俳句の花」等

 

 

 

2005年3月28日

『くにたち・梨園ボランティア』

事務局 遠藤 常吉(文責)


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最終更新日 : 2010/09/04