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―都市農業を文化として!―
今年は暖冬とのことで昨年よりは随分暖かく感じられます。世界的にも温暖化の影響か、またエルニーニョ現象の影響でしょうか、各国で異常気象が伝えられています。 今、私たちボランティアの作業は剪定作業の真最中です。昨年12月より澤義園さんでの作業に入り、間もなく国立園さんに続きます。私は2003年度より、剪定作業に参加していますが、何故か、年々剪定作業が難しく感じられます。そして、なかなか決断力が向上しません。剪定の木に対面しますと悩みます。園主さんのご指導を受けたり、皆さんの経験をお聞きしたりしてやって行きたいと考えています。 実は、この時期の私の楽しみは別なところにもあります。それは、梨園を訪れる小鳥たちを観ることです。実に多くの小鳥たちが来ます。由比ヶ浜さんは小鳥に詳しく、飛んで来た鳥の名前を由比ヶ浜さんに教えてもらったりしています。私が知る限りでも、メジロ、シジュウガラ、ツグミ、ジョウビタキ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ等など。他にも名前の知らない鳥がまだ沢山来ています。しかし、梨の実を食べる鳥もいて、梨園からは“害鳥”扱いとなる時期もありますが、今この時期は開放期間です。特に澤義園さんでは、梨園周辺に緑地も多く、木の実なる木も沢山あり、また果樹もあり、小鳥たちにとっては、正に“楽園”となっています。休憩時間などで、参加しています皆さんと、飛んできている小鳥たちを、「あれはなに鳥」などと、談笑しながら鳥を観察することは、私にとりまして、多いなる楽しみであり、至福の時間です。 ところで、昨年末に、陣内秀信著「都市を読む」を読みました。その中で、「都市の比較文化論」の章があり、陣内さんとイタリア人の建築家、カルロ・セヴェラーティさんが、イタリアの都市と東京とを比較する対話がありました。外国人から観た、東京の魅力と問題点が討議されていまして、その中で、セヴェラーティさんは、東京が情報社会の中で、変化をうまくして行く必要があるとして、そうであるならば、「都市のこうした変化の中でも、都市の周りで内部に残されている農地をもっと大切にする必要あると思う。こうした生産活動は「文化的な事実」として尊重されるべきである。」と提言していました。私はそこを読み、ハットして、「眼からウロコが落ちた」感じでした。私は、これだ、「文化」として捉える視点が欠落していたと思いました。都市農業の必要性、問題点など、様々に論じられていますが、「文化」としての都市農業を訴えている活動は、私は知りません。私たちの今の活動が、「都市農業の文化」としての位置付けに少しでも役立っているのか分かりませんし、そんな、思いあがったことは考えませんが、「都市農業」が今後も継続し、発展して行って欲しいと思います。そして、ささやかながらでも、「文化」化に何かでお手伝いできたら良いなと思いました。
今年もまた、自然を感じながら、また、自然を楽しみながら、作業に参加して行きと思います。 以上
資料 2007年1月21日 『くにたち・梨園ボランティア』 事務局 遠藤 常吉(文責) |
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