―立毛品評会審査に立ち会って!―
暦の上では立秋も過ぎましたが、暑い日が続いています。
そんな中、8月3日(金)に国立市果実生産部の「立毛品評会審査」(注1)が行われました。東京都農林総合研究センター、同中央農業改良普及センター、国立市役所より、それぞれ1名の方が審査されました。私たちボランティアも特別に立ち合わせて頂き、平塚さん、古谷さん、遠藤が参加しました。当日の審査結果は古谷さんからのお便りにありますのでご覧頂いたと思いますが、私の感想を以下に述べてみます。
審査の結果で、上位の評価を得た梨園についての、審査員の方の主たる講評は、
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樹勢が維持されている。主枝がシッカリしている。
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長果枝、短果枝の準備がよい。
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害虫の防除が良くされている。 などでした。
また、私たちが剪定、着果作業をしています梨園についての審査員の講評から、私は以下のことを改めて考えさせられました。これは上記事項の裏返しになりますし、今後の事は園主さんとよくご相談して進めなければとならないと思いました。
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樹勢を回復させることが大事である。このためには、
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樹勢が回復するまでは、着果量を抑える。
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長果枝を準備し、整えること。
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枝先を上げる。枝先には実は付けない。
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短果枝には実は多く付けない。 などでした。
来年度からの剪定作業、摘果作業に上記事項を生かしたいと思いました。
また、審査結果後の懇談の中で、センターの方から、新しい梨の栽培法が紹介されました。私の理解不足から、間違いがあるかと思いますが、概略を下記します。
新しい栽培法:「根域制限栽培法」
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モンパ病(注2)対策から、開発された栽培法で、シートを敷き、その上に土を盛り、梨の苗を植え、網棚に「一文字仕立て」をする。
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根、枝の拡張を制限し、水を十分にやり、土の湿り度を管理する。
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10年ごとに苗木は交換する。
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栃木県では成功している。
「モンパ病」ではご苦労されています園が多くありますが、その以外の目的でも、この栽培法が応用出来そうに、素人ながら思いました。
暑さが続きます。小まめに水分をとり、熱中症にならないようにしましょう。
以上
注1.「立毛」:「毛」は畑作物の意味。田畑の農作物で収穫前のものをいう。昔からある語で古文書に見られます。「立毛検見」、「立毛差押」等関連語。
注2.「モンパ病」:「紋羽病」。植物の病害の一つ。根や地際部の茎などが、紋羽(紋羽とは地質が粗く、柔らかく毛の立った一種の綿のこと)に似た病原菌に感染し、それが周囲に増殖して行き、最後には樹を枯らしてしまう病気。
資料:「広辞苑」、「原色樹木病害虫図鑑」等から、遠藤が編集。
2007年8月10日
『くにたち・梨園ボランティア』
事務局 遠藤 常吉(文責)