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―蜜蜂はどこに行ったのでしょうか?―
今年の梨園での花粉付け作業のお手伝いは4月6日より始まり、14日で終了しました。今年は好天に恵まれ、夏の様な暑さの中での作業でした。途中で一度も雨に降られることもなく順調でした。こんなことは私にはお手伝いに参加して以来始めてです。今年も多くの体験ボランティアの方々に参加して頂きました。母娘で参加された方も居られました。 梨の白い花は今年も清楚に美しく咲いていました。作業に参加して、梨の花について、園主さんより色々とお話をお聞きするのはとても楽しい一時になります。例えば、収穫の遅い「新高」が一番早く咲き、収穫の早い、「幸水」が一番遅かったり、「豊水」など新品種は、従来の「長十郎」などと比較して、花びらが八重で、ぽっちゃりとしているなどです。不思議ですね。 また、その間佐藤園の佐藤英明さんのご尽力により、8日にマイ・テレビの取材がありました。その日の夜には放映され、見ましたがよく編集されていました。 そして無事に終了しました。参加された皆さんお疲れ様でした。 今年の花粉付け作業時各園での話題は「蜜蜂を見かけない」ことでした。皆さんご承知の通り、蜜蜂が少なく、イチゴ農家などハウス栽培農家が大変なことになっていると、TV、新聞に大きく報道されていることが関心を増したのかも知れません。報道によれば、減少原因は色々あるようですが、女王蜂の輸入停止、蜜蜂についたダニによる大量死、残留農薬の影響、蜜蜂の集団脱走などが上げられています。私は今年見かけた蜜蜂の数はトータルで3匹程度でした。私がボランティアに参加しました最初のころはもっと沢山いたように思います。梨の花から花へと忙しそうに飛び回りながら蜜蜂の楽しげな歌声を聞き、「驚かして御免ね、邪魔しないからね」と蜜蜂に話しかけながら花粉付けをしたことを思いだします。「蜜蜂」はどこに行ったのでしょうか。蜜源植物とされますトチノキ、ニセアカシア、菜の花や蓮華等、今私たちの周りから急速に姿を消しています。社会性昆虫の進化の頂点に位置づけられている蜜蜂が減少していることは、私たちに何かを暗示しているのかも知れません。蜜蜂と人間との関係は大変古く、紀元前’7,000年頃と思われるスペイン、バレンシア付近の洞窟に残されている壁画からそれが伺えるそうです。蜜は「甘い」ですが、私たちの未来はこのままでは「辛い」ものになるのでしょうか。 ここで、蜜蜂について詠まれた俳句を紹介します。
蜜蜂はいまアカシアどき多摩の風 石田 波郷
花粉付け後10日と言われます摘果が間もなく始まります。そして袋掛けとしばらく忙しい日々が続きます。お互い、体調にはくれぐれも気をつけながら作業に参加しましょう。 以上
<参考資料> 「季語秀句用字用例辞典」 齋藤愼爾 阿久根末忠編 柏書房 2009年4月19日 『くにたち・梨園ボランティア』 事務局 遠藤 常吉(文責) |
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